卒業式の夜、あんなに反対していた親が
手のひらを返したように祝福してくれて
今までの事を謝ってくれたから油断した

朝早く起こされ親子水入らず
日帰りで旅行をしましょうて言われたから
多分最後だし・・・快く受け入れたのに・・・

まだ早いからもう少ししてからサドに連絡しようと思い
車の後部座席に乗り込んだらお母さんも乗って来て

「助手席に乗らないの?」

「最後だもの隣に居たいわ」

「別にいいけど・・・・」

凄く嬉しかったのにこの人達はやっぱり陽菜を裏切る

少ししてどこ行くのって聞いても
お楽しみ、としか言ってくれなくて
でも知りたくて
信号で止まった時に前に乗り出し
ナビを操作すると

「総合病院て何?」

「その近くだから設定してるだけよ」

へいきな顔をして嘘をつくお母さん・・・
すぐ状況を理解した陽菜は見つからない様に
携帯を出してサドの番号へかける

「もしもしサド、助けて病院へつ」

そこまでしか言えなかった
彼女に携帯を取り上げられて電源を切られたから


「返して」

「終わったら返してあげるから」

「昨日の言葉は嘘だったの」

「あなたの為よ」

「違う!あんた達の体裁の為でしょ」

ドアを開けようとしても私の方のドアは開かなかった

「チャイルドロックしてあるから中からは開かない」

「最低(怒)」

人の横を通るたびに気づいて助けてもらおうと
ドアをどんどん叩いてるけど誰も気づいてくれない

(後300m先目的地周辺です)

どうしよう着いちゃう

学生たちの登校の集団に出くわし必死に叫ぶ

その時一人の学生と目が合った
その子は陽菜をじっと目で追っていた

でもあっという間に通り過ぎてしまって・・・

病院に着くとお父さんは受付をしに行きお母さんは見張り役?

戻ってくると

「8番だった」

「・・・・あんた達の孫なのにこんな事して悲しくないの」

「あなたはまだ18才なのよ
これからまだまだ産めるし
普通の生活が出来るのよ」

「普通の生活って何?
子供をほったらかして自分のしたい事をするのが
あなた達の言う普通なの?
陽菜はそんな普通なんていらない
この子には絶対に寂しい思いさせない
優子と二人で育てていくんだから」

「あなたに極道の嫁が務まるの?
無理でしょ」

「そんなのやってみないとわからないじゃん」

「捨てられるのがおちよ」

「酷い(怒)」

「そろそろ中で待ってよう」

「やだ!行かない」

「言う事聞かないなら手段を択ばないわよ」

「どうする気」

「麻酔を打ってもらうわ」

「鬼!」

麻酔を打たれると逃げる事が出来なくなる

取りあえずおとなしく中までついて行くことにして
タイミングをうかがうけど
お父さんとお母さんに両腕を取られ
椅子に座ってるからどうすることも出来ない・・・

診察が始まり順番が回ってくる

問診をしてお小水を取るように言われた

・・・・・これってチャンスじゃない?
お父さん入ってこれないし
お母さんも個室までは入ってこないでしょ


・・・・・でもどうやって逃げる?
逃げれないじゃん・・・もう、優子何やってんのよ
絶対守るって言ったじゃん・・・嘘つき・・・(涙)

ふと顔をあげるとボタンが目に入った

(気分の悪くなった方は押してください)

これだって思ってボタンを押す

ガラガラ・・・「どうされました?」

外にいるお母さんに質問してる

「陽菜どうかしたの?」

どうしよう・・・・

「ううぅぅお腹が痛い・・・・」

「大丈夫ですか、ここ開けれますか」

「ドアを開け痛がって見せる」

「すぐ先生に診てもらいましょう」

嘘でしょ・・・陽菜のバカ・・・終わった・・・