体中が気持ち悪い・・・早くマンションに帰ってシャワー浴びたい・・・

お姉ちゃんは撮影が始まったのか楽屋にはいなかった

「ちょうどよかった・・・あ、小銭入れ・・・」

あいつの部屋に落としてきちゃった・・・
でも取に行く事なんて出来ないや

財布はあるからマンションには帰れる

鞄を持ちお姉ちゃんには何も言わずに帰って来た

すぐバスルームに飛び込み触れられたところを何度も何度も洗うけど
嫌な感触が残っていて全然取れない

「くっ・・・ううぅぅぅ・・・・(泣)」

みんな外見だけしか見てないじゃん
私だけを見て好きになってくれる人なんていないんだ(涙)・・

お姉ちゃんからは何度も電話やメールが来てたけど
出る気になれずリビングに携帯を置いたままベットに潜り込んだ



「・・うこ・・・優子・・・」

「ん?・・あっ・・ちゃん・・・」

優しく頭を撫でてくれるお姉ちゃん
携帯無視してたのに怒ってないのかな・・・・

「どうしたの?何かあった?」

首を横に振る

「なんで泣いてたの?」

「・・・・泣いてない・・・」

「そっか・・・」

瞼を優しくなぞり頭をポンポンとたたくと

「ご飯かってきたから食べよ(∵)」

「うん」

昔から私には優しいお姉ちゃん
他人には愛想を振りまかないから誤解されるけど
お姉ちゃんは外見だけじゃなく中身も優しい
わがままでたまにダークになるときもあるけど
それはそれで好き

ご飯を食べながら

「陽菜となんかあった?」

「え?・・・何にもないよ(汗)」

「そう?優子がいなくなってからの陽菜
セリフは忘れるし珍しく麻里子以上にかんでたし
役名まで間違えるんだよ、だから何かあったのかなーて」

「小嶋さんはあっちゃんの事が好きなのに
私が居なくなったぐらいでそんな事になるわけないよ
きっと他に理由があったんじゃない?」

「え?陽菜が好きなのは優子でしょ?」

「そんなわけないじゃん何言ってるの?」

「陽菜が優子に近づいて来てるのがわかってたから
あの時呼び出して私の大事な妹なんだから
芸能人のスキャンダルに巻き込まないでってくぎを刺してた所を
写真に撮られただけなのに密会だなんて
記者もたいしたことないわね(笑)」

「うそ・・・」

「でね、その時陽菜なんて言ったと思う?」

「・・・・・あっちゃんが好きだ・・・」

「そんなわけないでしょ陽菜はね
チビが一番大事だからどんな事になっても俺が絶対に守って見せるだって
約束破ったらこの敦子様がただじゃおかないんだから、アハハハ(∵)」

高笑いするお姉ちゃん・・・ブラックだ(汗)

話を聞いて急に小嶋さんに会いたくなった

でも助けてくれたのに・・・
誤解した上に週刊誌まで投げつけちゃったし・・
頬も叩いちゃった・・・

もう、嫌われちゃってるよね・・・

ばかだなー私

結局自分で自分の首絞めてるんじゃん

「はぁ・・・・」

「さーて、私は高級エステに行ってホテルで一泊してこようかな」

「え?今から」

「お邪魔虫になりたくないからね(笑)」

「んん!?」

まだ半分くらいしか食べてないのに席を立って
ドアから出て行ったお姉ちゃん

残すなんて珍しい・・・体調悪いのかな?

カチャッ・・・

あれ、戻ってきた?

「やっぱり全部食べてか・・・・・小嶋さん・・・(汗)」

「チビ・・・ごめんな守ってやれなくて」

「つぅっ・・・」

首を精一杯横に振り

「チビじゃないもん・・・」

「優子が好きだ」

「私も・・・・小嶋さんが好き」

「陽菜!」

「え?」

「はるなって言え」

「はる・・なぁ(泣)」

そのまま抱きかかえられると

「優子の寝室どこ?」

指をさす

ベットの上に下され

「いいか?」

コクンと頷いて目を閉じた