「おまたせ〜」

「あ、小嶋さんも一緒なんだ」

「・・・・・えーと・・・」

「大島先生もよくここで食べてるんだって
1人だと可哀想だから誘ってあげたんだいいだろ」

「そ、そうなんだ・・・・」

嘘つき、こんなところで食べたこと一度もないし(怒)

みーちゃんを見ると手を合わせてゴメンてしてる


結局優ちゃんが中心になって話が盛り上がり
一人の男の子が陽菜に質問してきて答えようとしたら
その子が興味の有りそうな話を振って自分に引き込む

何なの(怒)これは陽菜のために集まった会なのに(怒)

それからは普通の休み時間も・・

「先生最近ここよく通るね」

「偶然じゃない?」

帰りも方向が同じ男子と帰ろうとすると

「駅前に用事があるので」

極めつけは放課後数人で遊びに行ったゲームセンターに

「邪魔してないよ、偶然寄っただけ(-∀-`) 」

「いけしゃーしゃーとどの口が言ってんのよ(怒)」

「陽菜落ち着いて(汗)」

「みーちゃん止めないで(怒)」



『クレーンゲームしようぜ』

先生を無視して集団の方へ行く

「あ、このぬいぐるみ可愛い(бвб)」

「どれどれ・・・俺が取ってあげる」

200円で取れたマスコットサイズのぬいぐるみ

「有難う(бвб)」

「・・・・小嶋って可愛いよな」

「え(汗)あ、ありがとう」

はっ、と思って優ちゃんを見るとクレーンゲームに夢中
今がチャンス

「みんなもう出よう」

せかしながらゲームセンターから出た

「先生はいいのか?」

「いいのいいの、甘いもの食べに行こう(бвб)」

「私美味しいとこ知ってるからそこでいい?」

「よし行こうぜ」

ついてくる気配がないから安心して歩いていると
いきなり激しい雨が降って来た

「やばい(汗)みんなあの軒下まで走れ」

「え、ちょっと待ってよ(汗)」

足の遅い陽菜はみんなよりだいぶ後れ
このままだとずぶ濡れになっちゃう

その時ふわっと何かが頭の上にかかり
頭に直接雨が当たらなくなった

この匂いは・・・

「優ちゃん」

振りむこうとしたら

「ほら、頑張って走って」

私のカバンを手から奪い腰に手を添え一緒に走ってくれた

「うわっ、先生タンクトップじゃん」

「え!?」

着ていた上着を私にかけてくれたから・・・・

もうすぐ五月だけどまだまだ肌寒い
ましてや雨に濡れると一段と寒さが増すのに・・・

「ごめんなさい・・小さいのしか持ってないけど」

ポケットからハンドタオルを出して拭いてあげる

「私も持ってる」

みんなハンカチとか出して拭くけど相当濡れちゃっていて・・・

「みんな優しいねありがとう(-∀-`)
でもこれ着て帰るから大丈夫」

上着も私の頭に乗ってたんだから相当濡れてるのに
それを着て私の頭を撫で小さな声で

「早く帰って来るんだよ(-∀-`)

みんなも早く帰るんだよ」

そう言って歩いて行ってしまった

通り雨だったみたいでもう雨はやんでる


「小嶋さんと大島先生ってどういう関係なの」

「え?」

「なんかさ仲良くない?て言うか大島先生の方が
引っ付いて来てるって感じだけどさ(笑)」

「あぁー・・・家が隣同士で姉妹みたいな感じかな」

「なるほどそれでか」

「先生って新米なのに落ち着いてるし
お姉さまって感じだよな
なのに話が面白い」

「そうそう、でもさ童顔だし
背も低いから可愛く見えるときあるよな」

「俺、許容範囲だぜ」

「年上いいよな、このまま仲良くなって
三年間の間にどうにかできそうじゃね?」

「はぁ?先生が生徒に手を出すとかあり得ないし(怒)」

「うぉっ、小嶋も怒る事あるんだな(汗)」

「陽菜は真面目だから(汗)(ΘωΘ) 」

「むぅ・・・・」

優ちゃんは陽菜のなのに(怒)・・・・ん?陽菜の?
どういう意味で?・・・・なんだろうこのモヤモヤ

「雨やんだしお店に行こう」

「あぁぁ!!(бвб)」

「なに?どうした」

「カバン持っていかれたから財布無い」

返してもらうの忘れてた(汗)

「お金は貸してあげるけど定期は?」

「それは大丈夫、ポケットにあるから」

「俺が奢ってやるよ」

「そんなの悪いからみーちゃんに借りるけど・・・
制服濡れちゃったしやっぱり帰る」

「え?ちょっと陽菜ぁ〜」

少ししか濡れてないのにこんなに寒いんだから
ずぶ濡れの優ちゃんはもっと寒いはず

心配で家に帰ると

「さっき優子ちゃんがあなたのカバン持ってきてくれたわよ
先生に持って帰らせるなんてなんて子なのもう(怒)」

「優ちゃんは?」

「すぐ帰ったわよ、そう言えば服が濡れてたけど雨降ってたの?」

「一瞬だけね、ちょっと見てくる」

「もうすぐご飯なんだから早く戻って来なさいよ」

「はーい(бвб)」


勝手知ったるお隣さん、いつも玄関の鍵は空いてるから

「こんにちわー・・・おばさん優ちゃんわ?」

「なんか濡れて帰って来てお風呂沸いてる?
て聞かれたんだけど
こんな時間に沸かしてるわけないでしょって言ったら
シャワーしてくるて行ったっきりだから
部屋に居るんじゃないかしら
まだ寒いのにシャワーだなんて風邪ひく元なのにね」

「見てくるね」

「もうすぐご飯よって言ってね」

「はーい」

階段を上がり優ちゃんの部屋の前

コンコンコン・・・コンコンコン

「なにー」

ドアを開けると

「うわぁ〜にゃんにゃん来てくれたの?
どうした、一緒に帰れなくて寂しかったのかな(-∀-`) 」

「はぁ?そんなわけないでしょ
優ちゃんがカバン持って帰っちゃったから
お金無くて先に帰らなくちゃいけなくなったのを
文句言いに来ただけだし(怒)」

「アハッそれは残念だったね」

元気そうだから大丈夫みたい

「おばさんがご飯だから降りて来なさいって」

「にゃんにゃんも食べて帰る?」

「陽菜は家に帰ります!じゃーね」

何故かホッとして家に帰った