火曜日からクラブはお休みに入るから渡すのは今日しかない

土曜、日曜と頑張って作ったお守りと
二カ月早いけどバレンタインに渡すはずだった
チョコチーズケーキ

いつ渡そうかな
クラブ終わりだと先輩たちもいるし
そんな事を考えてたらLINE音

(今日のお昼休み視聴覚教室に来て貰えるかな)

返信しようと思ったらまたすぐ

(お弁当食べてからでいいから)

なんだろう・・・・
でも丁度良かったから

《わかりました食べ終わり次第行きます》


なんて言って渡そうか悩んでいたら
あっという間にお昼休み

今日授業してたっけ?

お弁当も急いで食べ視聴覚室へ向かう

「ふぅ・・・・・」

一呼吸してノックしてからドアノブを回すとドアが開いた

ゆっくり開き中を見ると一人ぽつんと椅子に座っている先輩

「急に呼び出しちゃってごめんね」

「いえ」

「・・・・・・・」

うっ、この沈黙は重い(汗)

「明日からクラブ休みになるでしょ」

「はい」

「私テスト終わったら向こうの練習に参加することになったんだ
三年生は休みになるから・・・」


うそ・・・だってあっちゃんは入試が終わったらって


「だからにゃんにゃんと会えるのも今日が最後」

「さい・・ご?」

「あ、今年は!って言う意味だよ(汗)」

ビックリした(汗)

「でさ、国体の時授業休ませちゃったし
なんか色々迷惑かけたから
まだ早いんだけどお礼を兼ねてこれ・・・」

そう言って差し出された紙袋

「クリスマスプレゼント」

「え?・・・・」

「別に深い意味はないんだよ
ホントにお世話になったからさ
あ、いらなかったら誰かにあげてくれてもいいから(汗)」

陽菜のバカ!
クリスマスの事忘れてたじゃん
飛び越してバレンタインとかあり得ないじゃん(汗)

その紙袋を陽菜の目の前の机に置くと

「じゃー・・・また放課後」

そう言って出て行こうとするから

「待って(汗)」

咄嗟に腕を掴んでしまった

「ごめん、迷惑かな(汗)」

「違うんです、凄く嬉しい」

「アハッ(-∀-`) よかった」

ホッとしたような顔を見せる優子先輩

早く渡さなきゃ

「あのう・・・これ・・・」

小さな袋に入れてあったお守りをまず差し出して

「入試頑張れるように・・
あ、こんなの無くても頑張られると思いますけど
気休めになればなって(汗)」

「うわぁ、可愛い(-∀-`) 」

「お守りです」

「ありがとう首から吊るして肌身離さず持ってる」

「それと・・・明日から・・もう会えないの知らなくて」

あれ・・・胸が苦しい

「凄く早いですけど・・・つぅっ・・・」

「にゃんにゃん?」

「入試が終わってから・・・行くって聞いてたのでうっ・・
バレンタインの事しか頭になくてっ・・」

目の前の優子先輩の姿がかすんでるけど
このチャンスを逃すともうないと思うから
チーズケーキの入った袋を差し出す

「バレンタイン?」

「うぅ・・義理じゃないですからぁ〜(泣)」

もうダメ涙が溢れてきて止まんない

袋を受け取ってくれたのを確認して
急いで部屋を出て行こうとしたら
今度は逆に腕を取られ気がついたときには
ギュッと抱きしめられていた


「本命って思ってもいいって事?」

「うぅぅ・・・はい」

「私にだけ?」

「優子先輩にしか作りません」

「才加には?」

秋元先輩?なんで?

「皆さんにはクッキーを作って配ろうかなって・・・」

「マジかぁー・・・だって勉強教えて貰うって」

「それはぁ優子先輩は試験勉強が大変だから
陽菜の勉強見てもらうのは悪いなって思ってぇ」

「はぁ・・・・やっぱダメだ」

「いいんです、気持ちを伝えたかっただけで
いつまでも優子先輩は憧れの人ですから・・・
これからも大学で頑張ってください」

「違うんだ・・・あぁぁ・・・もう」

そう叫ぶと肩を持たれグッと体を離されたから

陽菜の初恋は終わったって落ち込んでいたら


「小嶋陽菜さん、私と付き合って下さい」

「どこにですかぁ」

「・・・・・待って、今の流れから言ったら
その答えおかしいでしょ(笑)」

「だって、もうダメだとか違うとか言うからぁ(涙)」

「にゃんにゃんは才加の事が好きなんだって思ってたから(汗)」

「そんな事一言も言ってません」

「だよね・・・
で、わたし大学は福島へ行っちゃうし
寮に入るからこのまま思いを告げずに
バイバイした方がいいのかなっておもっちゃってさ(汗)」

「優子先輩陽菜の事好きなんですか?」

「一応ずっとアピールしてきたつもりなんだけど(;´-∀-)」

「そんなのわかんないです
だってみんなに優しかったじゃないですかぁ」

「そうだけど二人の時は結構わかりやすかったと思うよ(;´-∀-)」

「他の子達ともそうなのかなって思ってました」

「なんかごめん・・(;´-∀-)」

「陽菜も好きです」

「へぇ?」

「始めから優子先輩が好きでした」

「マジか・・やばい嬉しい(-∀-`) 」

「あ、チャイム・・・」

「教室へ戻らなきゃね」

そう言いながら指で涙を拭ってくれて

「明日から私が勉強見てあげるから才加には断って」

「秋元先輩とは約束してません」

「じゃー私とは約束」

そう言うと

「チュッ」

「・・・・・(бвб)」


何が起こったのか頭がついて行かなくて
固まってたら


「アハッ(-∀-`) 指切りの替わり」


キスされたんだと気づいて嬉しいけど恥ずかしくて
また涙が出て来た


「うぅぅぅ・・・・」

「え、ごめん泣かないで(;´-∀-)」

「陽菜のファーストキス(泣)」

「マジかーうれしい(-∀-`) 」


手で顔を隠してたら腕を取られ

今度は優しい長めのキス


「その顔で授業いけないね(笑)」

「うぅぅ・・優子先輩のせいです」

「だーね、よしさぼっちゃおう」

「いいんですか?」

「私は優等生だからね(笑)」

「陽菜は劣等生です」

「それヤバいじゃん(笑)」

「優子先輩と一緒だから大丈夫です」

「いやいや、バレタラ余計にやばいでしょ(笑)」


ケラケラ笑う優子先輩の頬にできた笑窪に触れ


「これ可愛いくて好きです(бвб)」


「はぁ・・にゃんにゃんといると
私の心臓うるさすぎて困るよ」


そう言ってまた抱きしめられた