本番まで後少し


という所で麻里子がとんでもない事を言い出す


「ねえ、ここはやっぱりキスしたほうがいいんじゃない(*`ω´)」

「あぁ・・・・その方が話の流れもいいか」


それに賛同する才加


今までの公演でキスなんてしたことなかったのに・・・・
昔はあったのかな?


陽菜は基本キスは好きじゃない
好きでもない人と顔を突き合わせてするなんて気持ち悪いから

だから男とやってるときもキスは拒否してきたのに
あのカラオケでは自分からするなんて・・・

自分でも驚いた、どうしてしたんだろう・・・
ただ優ちゃんがされると思ったら考える前に行動に移してた

優ちゃんなら・・・・・なのに優ちゃんはと言うと


「や、あの(汗)ムリです、私できません
陽菜ちゃんも私なんかにキスを・・・・・・・・・」


また私なんかって言ってるし・・・だから
何も言わずに顎を持ち顔を傾け・・・・・触れるだけのキスをする


「こんな感じでいい?才加」

「あ、うん・・・・・・・大島・・・大丈夫か」


才加の方から優ちゃんに目を移すとうるうるしていて
いきなり「すいませんトイレ行ってきます」
と言って出ていった


「あぁーあ、どうするのニャロ」

「・・・・・・・タオルかして」


麻里子のタオルを持ってトイレへ向かうと
鼻をすする音が聞こえてきた

もう少しだけ泣かせといてあげる

でもなかなか泣き止まなくて・・・そんなに嫌だったんだ

才加に言って無くしてもらおう


「ねえ、いい加減に出てこないと練習はじめられないんだけど(бвб) 」


そろそろ戻らないと言い訳もできないだろうから声を掛けると


「すぐ行きますから
先に戻っててください・・・」

やっぱり聞いてみたい衝動に駆られ


「そんなに嫌だったの」

「・・・・・・」

「陽菜だから?」

「・・・・・」

「陽菜は汚いから?」


男とやりまくってたんだから汚いと思われても仕方がない
それに優ちゃんにはその現場を見られてるし・・・

やっぱり無理だったんだ
誰も陽菜と一緒にいることなんて出来ないんだ

だから開放してあげようって決心したのに



「違います!」


そう言いながらトイレの個室から出てきた優ちゃん

目、腫れてるじゃん・・・

その目で力強く陽菜を見つめ


「小嶋さんは綺麗です」


その言葉に驚いたけど


「・・・・・見た目だけでしょ」


「違います!心も綺麗で・・・・
きっと純粋すぎるから上辺だけの付き合いが出来なくて・・・
だから寂しさを紛らわせるために男の人と・・・
でも、小嶋さんは小嶋さんだから何も変わりません!」


まだ少ししか関わってないのに
陽菜の心の奥をわかってくれてるの?

どうしよう・・・・嬉しいかも・・・でも

それを隠すように


「バーカ、小嶋さん呼びになってるし(бвб) 」

「あ・・・・・すみません・・・・」

「はいコレ、顔洗ってから戻っておいでよ」


今度は陽菜のほうが泣いちゃいそうだったから
タオルを渡してトイレを離れた