「もうその手紙読むの勘弁してよ(;´-∀-)」


「陽菜あの時風邪ひいたんだからね!(怒)」


「何度も謝ったじゃんか」


「自分で思い込んで自分だけで解決しちゃうの
優ちゃんの悪い癖だからね!」

「だから今は全部相談してるでしょ(;´-∀-)」

「絶対?」

「う、うん・・・・」

「ほら、何か隠して一人でまた悩んでる」

「えーと、自分の中で決まってから相談しようかなって(;´-∀-)」

「決まったら相談なんて必要ないじゃん」

「そうともいう・・・・」

「はぁ・・・・」

「言うから嫌いにならないで(;´-∀-)」





約束の日から三日後
みーちゃんが病院にわざわざ手紙を持ってきてくれた

「仕事から帰ったらポストにこれが入っていて
自分になにかあったか、
陽菜が結婚したら渡してって書いてあるんだけど
すぐに渡さなきゃって思って、
でもスケジュールに陽菜今日夜勤の日だって書いてたから
家にも入らず持ってきてあげたんだから」


ありがとうと言う時間もおしくて
その場で封を切って読んだ


「つうっ・・・・(涙)」

「見てもいい?」


無言で手紙を差し出す


「優子公園に来てたんだね
どうして会わなかったんだろう」

「たぶんその日同じ夜勤の先生に送って貰ったから・・・
彼氏だと勘違いしたんだと思う」


どうして公園の前で降ろしてもらったんだろう・・・
少し考えればわかる事なのに

桜を見たいなんて建前で

もしかしたらもう来てるかもしれない・・・
一秒でも早く会いたかっただけだと思う


「これ切手貼ってないから
優子が直接ポストに入れに来たんじゃないかな」

「だったら陽菜の家のポストでいいじゃん」

「陽菜は家出てるでしょ実家だったらもっと時間たってたよ」

「そうだけど・・・」

「まだ日本にいるんじゃない?」

「いたとしても連絡取りようがないし
優ちゃんの事だからもういないかもしれない」

「弟子入りしたカメラマンの人だったら連絡とれるよ」


みーちゃんが就職したのは雑誌社だったから
コネを使い探し当ててくれていたけど
十年後に会おうって書いてあったし
こっちから連絡取ろうとするのも変だから
何も行動せずにいた



30分後


「今は別々に動いてるんだって
でも次に優子が行く国はわかったよ」

「どこ?」

「お昼の便でネパールに行ったみたい」

「ホテルわかるかな」

「フフフそう言うと思って聞き出しておいた(ΘωΘ) 」

「ありがとう、この御礼は・・・優子にさせるから」

「お土産は買って来てよ」

「買えたらね」



すぐ事務所に行って長期休暇を貰った

急には無理ですと言われたから
じゃー辞めさせていただきますって言ったら
渋々用紙を渡され
一週間以内でお願いしますって言われたから
丸々一週間取って次の日の飛行機の予約を入れた

もちろん優子が向かったのは観光地じゃなく
女が一人で行くには危険が伴う地域
ホテルもゲストハウスと呼ばれていて
値段は格安でこんな値段で泊まれるホテルって・・・・

怖かったけど陽菜が動かなければ
二度と会えない気がしたから
勢いで行ってしまったのかもしれない



空港からタクシーで一時間
コンクリートむき出しのホテルは冷たい感じがした


「どうしようかな」


ここで待っていれば戻ってくるはずだけど
外で待つのは怖い
かといって中にはフロントはなく
受付の窓口があるだけで
待つ場所もない・・・・

あたりを見渡すと食堂らしき小さな家があり
そこへ向かって歩いて行くと
中から人が出てきた

真っ黒く日焼けした精悍な顔立ちなのに
何処か可愛げの残る・・・



「優ちゃん」

「・・・・・にゃん・・・にゃん?」



目を丸くして驚く優ちゃんがそこにいた