優子



「綺麗(-∀-`) 」


私の・・・私たちの為に咲いてくれたんじゃないかって思うほど
満開の桜に顔がほころぶ

きっと来てくれると何の確信も無いのに
思い込んでるおめでたい私


「でも朝はまだ寒いや」


残した手紙に時間を書くのを忘れたバカな私

でも一日中待つのもなんかいいよね


朝早くからといっても朝の弱いにゃんにゃんだから
そんなに早く来ないだろうと思い
九時前に公園へ来て懐かしい指定席に座る


「にゃんにゃん綺麗になってるんだろうなー
学生時代は綺麗可愛いと言う言葉が似合うほど
笑っている時は可愛くて・・・
ふっとしている時は綺麗で・・・・」

どんな時もドキドキさせられてたっけ

そんな昔を思い出しながら
桜の木を見上げていたら車の音がして

その方向に目を向けると懐かしい顔が見えたから急いで隠れた


「私、何で隠れたんだろう・・・」


戦場などで遠くを見ることが多かった私の目はすごく良くて

にゃんにゃんの笑顔とその向こうに見える男の人の顔が見えてしまった

そして耳までいいから困る


「おやすみなさい」


確かににゃんにゃんはそう言った


「また明日」


低い声でそう聞こえた


「なんだ・・・・彼氏いるんじゃんか・・」


結局この日を心待ちにしていたのは私だけだったんだ


拭っても拭っても流れて落ちる水滴


にゃんにゃんの顔をしっかり目に焼き付けたいのに
ぼやけて見えなかった


そして三日後、私はまた飛び立つ


十年前と同じようにみーちゃんに手紙を託して