「私の会社で働いてみない?」

「先生の会社?」

「だから!先生じゃないし」

「あ・・・・・ごめん」

「事務とかは・・・・・無理そうだから
物件探しに言ったり紹介したりならできるでしょ?」

「でも私中卒だよ」

「そんなの関係ない
不動産の仕事に学問なんて関係ないから」

「いいの?」

「会社に入ったらいちからになるけど
今のうちにしっかり家で勉強して
少しでも知識を頭に入れておいて」

「ありがとう」


学校へ行き始めても初めの一か月間は
給食を食べたらすぐ帰してもらうように言ってあり
私も仕事に行けないから丁度いい


「その代わり研修期間中は給料安いからね(笑)」

「貰えるだけでもありがたいよ」


ちょっと来てと連れていかれ


「ここにあるの使ってくれていいから」


クローゼットを開け
そう言われた段ボールの中には沢山の不動産に関する本が入っていた

これ全部読んだのかな・・・
頑張ったんだね先生


そして月曜日


「お姉ちゃん行ってきます♪」

「無理したらダメだからね(;´-∀-)」

「はーい♪」


新しいランドセルを背をい
早く早く!とでも言うように
先生をせかし先に玄関を出て行く麻友


「お願いします」

「家族なんだからそんな事言わなくてもいいよ」

「う・・・ん」

「じゃーお留守番しっかりね優ちゃん(笑)」

「子供じゃないやい!」


心配だから学校まで送って行く!と言う私に

私が出勤前に車で送るから

と言ってくれた先生

車なら安心だから任せることにした


「こじまる早く!」

「はーい、今行くね〜(бвб) 」


そう言って私を見て目を閉じるのは行ってらっしゃいの・・・・

仕方なく・・・本当に仕方なくだよ
少しだけ屈んで唇に触れる


「ここでは優ちゃんの方が大きいね(笑)」

「煩いやい、ほら麻友が待ちくたびれてるだろ」

「ふふ、いってきます(бвб)」

「いってらっしゃい(-∀-`) 」


こんな平凡な事が凄く幸せで・・・

まさか自分に訪れるとは思ってもいなかった


「ありがとう陽菜(-∀-`) 」


まだ顔が見えない所でしか名前を呼べないけど

頑張るから待っててね


先生!



おしまい