その日優ちゃんは家に泊った


引っ越してきた日は優ちゃんのベッドで一緒に寝たけど
今日は陽菜のベッドに優ちゃんが寝てる


「ねえ」

「ん?」

「いつから陽菜の事好きになったの?」

「それは・・・・物心ついた時かな」

「はぁ?なにそれ
じゃぁその時からずっと好きだったって事?」


コクンと頷く優ちゃん


「でも陽菜卒業式の日にフラれたよね」

「あれは・・・・次の日あそこを離れるのに
付き合う事なんて出来ないでしょ」

「どうして?遠距離とかあるじゃん」

「遠距離なんて無理だよ
高校へ行ったら他の中学の男子もいるし
男子が陽菜を放っておくわけないでしょ
その中にはかっこいい子もいるだろうし
どうせフラれるなら付き合わない方がいいかなって
傷は浅いうちがいいから・・・・」

「陽菜はフレれて深く傷ついて
ずっと引きずったまま今日まで来たんだからね
なのにまたフラれて・・・・
もう実家に帰ろうかって思ったんだから」

「あの時はまだ才加と付き合っていたから
陽菜の告白を受け入れたら二股になるでしょ
だからちゃんと別れて私から言うつもりだった」


真面目と言うか、責任感が強いというか・・・

と言う事は陽菜達ずっと両想いだったんじゃん
なのに優ちゃんは・・・・


「浮気された気分」

「え?」

「陽菜の事が好きなくせに違う人と付き合って最低」

「いや、だって陽菜はとっくに私の事なんて忘れてると思ってたし
いつまでも引きずってないで
新しく踏み出そうって頑張ってやっと恋人が出来たんだ
才加とは一年前に知り合って初めて付き合った人だったから」

「どうしてあんな浮気性な人と付きあったの
それに暴力まで振るわれて」

「趣味とかが同じで話があったんだ
私といる時は私だけを見てくれるし
浮気相手は全部遊びでお前が本命だって言うから」

「そんなの全員に言ってるよきっと」

「そうだよね・・・・
多分陽菜を忘れるのに誰でもよかったんだ
私こそ才加に申し訳ない事をしたと思ってる」


どこまで人がいいんだか・・・・


「別れられたの?」

「たぶん・・・・
抵抗も何もしなかったら面白くないって追い出されたから」

「でもまた来るかもしれない」

「だよね・・・・やっぱり陽菜は実家に戻りな」

「優ちゃんはどうするの?」

「才加に許してもらえるまで話してみる」

「話してわかるんだったら殴られてないって」

「そうかもしれないけど・・・」

「・・・・・・・・わかった!」

「何がわかったの?」

「ここを引っ越して二人で部屋を借りて一緒に暮らそう
それだったらパパたちも安心してくれると思うから」

「アハッさすが陽菜
ぶっ飛んでるね(笑)」

「そうかな?それしか方法は無いと思うんだけど」

「・・・・確かにそうかも
陽菜はそれでいいの?」


陽菜の初恋は優子

誰?初恋は実らないなーんて言ったの

そして優ちゃんの初恋も陽菜


「ねえ、もう一度初めから始めよう(бвб)」

「何を?」

「恋だよ恋!」



もう一度初恋から始めよう 


ねえ、優ちゃん





おしまい