結局二泊して日曜日の夕飯を食べてから帰って来た


マンションの入り口で暗証番号を打ち込んでる
帽子を深くかぶりサングラスとマスクをした小さい人

顔なんて見なくてもわかる


「優ちゃん」


声にビクンと反応するも振り向かずに
入って行こうとするから追いかける

もちろん同じエレベーターに乗り込んだ


「どこか行ってたの?」

「実家に帰ってた」

「そっか・・・・」

「・・・・・ねえ、どうして陽菜を見て話さないの?
そんなに嫌い?」

「違う・・・・」


しばしの沈黙
陽菜の降りる階でエレベーターが止まり扉が開く


「・・・・・着いたよ」

「知ってる」

「早く降りて」

「やだ」

「人が待ってたら迷惑でしょ」

「変な人が待ち伏せしてたら怖いから
玄関まで送って」


無言で降りていくから後ろからついて行く


「着いたよ・・・・おやすみ」


あまりにそっけない態度にムカッときて
帽子に手を伸ばし剥ぎ取ると
その勢いでサングラスが落ちてしまった


「それ・・・・どうしたの(汗)」

「何でもない」

「何でもないことないじゃん
そんな痣普通出来ないよ」

「階段から落ちて・・・・
大したことないから、じゃーね」


行こうとするからマスクにも手をかけると
口元も切れていて血がまだにじんでいた


「それって・・・殴られたの?
もしかして秋元さん?」

「・・・・・・」

「とにかく中へ入って」

「ダメだよ陽菜にも迷惑がかかるから(汗)」

「どうして陽菜に迷惑が掛かるの?」

「それは・・・・・」

「来て!」


無理やり部屋の中へ入れ
傷口の手当て・・・・と言っても何も無いから
タオルを濡らして傷口を拭いてあげて
腫れてる目を冷やしてあげた


「ありがとう・・・・」

「ちゃんと話して」

「才加に別れて欲しいって言ったんだ
そしたら理由を聞かれて・・・
好きな人が出来たからって言ったらこうなった」


好きな人が出来た?
え、うそ・・・他に好きな人がいたの?


「誰だって聞かれて言わないでいたら
あいつだろって言われて・・・
違うって言ったのに襲ってやるって言うから
やめてって反抗したら殴られて・・・・・」

「酷い、女性を殴って怪我をさせるなんて最低」


そうだ


「ねえ、写真撮ってもいい?」

「どうして」

「次に酷い事されそうになって
警察に助けを求めに行ったりするときに証拠になるから」

「そっか・・・陽菜凄いね」


こういう事に関しては機転が利くんだよね(бвб) 

傷跡は顔だけじゃなくて体中にあった

もしかしたら無理やり襲われたのかもしれない


「これ訴えてもいいくらいだよ」

「ううん・・・根はいいやつだから
今はカッとしてるだけで冷静になったら大丈夫だと思う」

「優ちゃんがそう言うなら・・・」

「ありがとう、もう大丈夫だから帰るね」

「もしかしたら部屋に来るかもしれないんでしょ
今日はここに泊りなよ」

「でも、ここも知ってるから私が部屋にいなかったら
ここへ来るかもしれない
そうしたら陽菜が危険だから戻るよ」

「どうして陽菜の所へ来るの?」

「それは・・・・・陽菜だってバレたから」

「何が?」

「好きな人が」

「え、優ちゃんの好きな人って陽菜なの?」

「そうだよ」

「うそ、え、でも陽菜フラれたんだよ」

「それは・・・ごめん」


意味わかんないんですけどぉー