それから二週間
宣言された通り優ちゃんとは一度も会わなかった

同じマンションなんだからすれ違ってもいいはずなのにね


「ただいま・・・・」

「いらっしゃい・・・あら、あなた少し痩せた?」

「わかんない」

「ちゃんと食べてるの?」

「食欲ない」

「ちゃんと食べなきゃダメよ」

「コーンフレーク食べてるもん」

「そんなのばっかり食べてるから覇気が無いのよ」

「いつもこんなだもん」

「料理教えてあげるから毎週末帰ってくるか
ここへ戻って来るかしなさい」


そうした方がいいのかもしれない
一人暮らしは自由だけど
全て自分でしないといけない
今までママに甘えてたから分からなかったけど
仕事から帰って来てご飯作ってお風呂洗って
洗濯して・・・
すべて自分でしないといけないとか
今の陽菜にはまだ無理だったみたい


「ただいま!陽菜帰って来てるのか♪」

「お帰りなさい(бвб) 」

「今日は嫌に素直だな
なんだ家に帰ってきたくなったのか(笑)」

「ん・・・・・」

「そうかそうか♪いつでも戻ってきなさい」


嬉しそうなパパに
あなたも甘いわね
な〜んて言ってるママも相当陽菜に甘い

その日は久しぶりに実家に泊った

陽菜の部屋のベッドと布団はそのままで
着替えもあるからそこに今もそこに住んでる錯覚を起こす


もしかしたら優ちゃんに会ったのは幻で
陽菜はずっとここにいて
一人暮らしなんてしてなかったのかもしれない


その夜夢を見た


「陽菜いい加減に起きなさい
何時まで寝てるの」


懐かしい声とセリフに目が覚める


「ふあぁぁ〜おはよう・・・お腹すいた」

「おはようじゃないわよもうお昼よ」

「じゃーお昼ご飯」

「変わんないわね」

「当たり前(бвб) 」


やっぱり居心地がいいなぁー・・・
戻ってこようかな

優ちゃんと会うと辛いだけだし・・・


早く忘れなきゃ