おやすみと言ってからいろんなことを考えすぎて
なかなか眠れないでいた



「・・・・・眠れないの?」

「起こしちゃいましたか(;´-∀-)」

「ううん、大丈夫考え事があるなら言ってみて」

「陽菜様のお母様と私のお母さん
ここを卒業して一度も会わなかったんですかね?」

「どうなんだろ、陽菜は小さかったから覚えてない」

「ですよね、もし会いに行ってたのなら
私も行ってたのかなーて」

「絵本を持って来たのなら会ってると思うけど
郵送だったら会ってないよね」

「ですよね・・・・」

「そんな事考えてたの?」

「・・・・・・」

「陽菜には言えない事?」

「言えなくないですけど・・・
お母さんは駆け落ちしてお父さんと
一緒になったらしいんです」

「そうなんだ・・・だから絵本作家になれたのか」

「はい、でもどこで知り合ったのかなーて
お爺さんはお母さんの事何も教えてくれないので
高校を卒業してからの事何も知らなくて・・・」

「そっか・・・気になるんだったら調べてあげようか?」

「でも、ここは閉鎖された空間ですし
調べるすべ無いですよ」

「ネットとか電話は無いけど
陽菜達には特権があるの(бвб) 」

「特権?」


「昼食と夕食の時にいる執事」

「あぁ・・・・そう言えば
特別棟の皆さんにいるんですか?」

「ううん、入っていいのは
選ばれた陽菜達五人の執事だけ」


そう言えば五人しかいなかったっけ
前田さんや渡辺さんにもきっといるはずなのに


「本当は禁止されてるんだけど
外の情報はそこからいろいろとね(бвб) 」


良いのかな(;´-∀-)
でも調べられるなら私も知りたいからお願いした



それから一週間後


「失礼します(-∀-`) 」

「いらっしゃい(бвб) 」

「あれ、今日は・・・・」

「内緒の話があるから
麻里ちゃん達がいない方がいいでしょ」


もしかしてあの話?


食事が終わりティタイム

ソファーに移るといつもは出て行く執事が
目の前にやって来た


「陽菜に話した事をもう一度優ちゃんに話してあげて」

「かしこまりました」


何故か姿勢を正して執事さんの目を見る


「よろしいですか?」

「はい」

「大島様のお母様、麻衣様は
素性がわかっておりましたので
すぐ遡ることが出来たのですが
お父様は本名ではございませんでした」

「大島じゃ無かったって言う事ですか?」

「はい、本名は北川謙二」

「うそ・・・・・
どうして大島を名乗っていたんですか(;´-∀-)」

「たぶん捜されて連れ戻されないように
名前を変えてたんだよ(бвб)」

「それだったら戸籍は」

「そこまでは調べられませんでした」


だよね


「だったら私には戸籍が無いって事ですよね」

「おそらく麻衣様にお子様がいると分かったということは
麻衣様の戸籍に入っていたからだと推測できます」

「待って・・・もしかしてお父さんとお母さんは
籍に入ってなかったって言う事?
私達は家族じゃなかったって言う事?」

「優ちゃん落ち着いて」

「嫌だ!そんなの嫌だ(涙)」

「もう帰っていいよ
後は陽菜が話すから」

「かしこまりました」


一礼して出て行く執事さん

私は事実を受け入れることが出来なくて
ただ泣きじゃくっていた