「お父さん、お母さん(泣)」


私が泣いている間
ずっと抱きしめていてくれた陽菜様


「・・・・・すみませんでした」

「大丈夫?」

「子供の時・・・・」

「ん?」

「私の家は山の中にあったんです」

「・・・・・」

「だから幼稚園には行って無くて・・
でもお父さんに読み書きや英語も教えてもらっていて
運動だって外に出ればアスレチックみたいなものだったから
毎日楽しくて・・・
お母さんがお仕事行った帰りに
お菓子やケーキを買ってきてくれるのが
唯一の贅沢だった・・・」

「・・・・・・」

「今考えるとお父さんは仕事に行かずに
主夫してた」

「食材とかは?」

「野菜は自給自足でお肉やお魚は
お母さんが買ってきてたと思います」

「凄いね」

「お父さんって何してた人だったんでしょう」

「執事だから何でも出来たんだよ(бвб) 」

「しつ・・・じ?」

「優ちゃんのお母さんには
絵本作家になるという夢があった
でも無理やり結婚させられそうになって・・・
きっと執事だったお父さんは苦しむ麻衣さんを見かねて
連れて逃げたんだと思うの」

「でもお爺さんの所には執事は居ませんでしたよ」

「そんな事を起こした執事の家族を
そのまま置いておくと思う?」

「・・・・いえ・・・」


そうだったのか・・・・
だからお手伝いさんしかいなかったんだ


「だったらお母さんは
お父さんを愛していなかったのかもしれない」

「どうしてそう思うの?」

「だってお母さんが愛してたのは
陽菜様のお母様だったんでしょ」

「そうかな・・・始めは愛が無かったかもしれない
でもみんなそうでしょ
始めからお互いが好きだなんてめったにないよ」


確かにそうかも


「愛し合っていたかどうかは優ちゃんが
一番わかってるんじゃないの?」


二人は仲が良かったと思う
そんな二人を見てるのが私は好きだった

そして私の事をすごく愛してくれていた・・・


「それが答えだよきっと」

「ありがとうございます(。-∀-)」


そして私もお母さんのように
お姉様である陽菜様の事を好きになるのかもしれない

だって凄くいい方なんだもの

初めてお会いした日も
私を慰めてくれたし
話しやすい方だなーて思った

陽菜様に出会えたからお父さんとお母さんのことも
わかったし感謝しかないよね