それから3日後、ユウコにまた出動命令

「ユウコ!ユウコ起きて(汗)」


ここ数日で分かった事
ユウコは朝が弱い
そして


「髪の毛ボサボサだし顔洗って(汗)」


自分に無頓着


相変わらず戦闘服は部屋に無くてどこかへ着替えに行く




ひと月も経つとユウコの大体のサイクルがわかって来た

2日か3日に一度出動命令がある事

4日開いた出動の時は2日くらい戻ってこない事
その時は必ずって言うほど怪我をして戻って来る事

本当は治療室にいなければいけないのに
部屋に戻りたいと騒ぐから
マリコ先生が内緒で連れて戻ってくるので
ハルナも怪我の酷さを把握してた



「行ってくる」

「待って・・・これ途中で食べて」


出動の時、朝ご飯は普通より早く集合して
ちゃんと食べて行くんだけど
ユウコはいつも食べずに出動してるようだったから

昨日の夜そろそろかな
と思っておにぎりを作って部屋に持って帰っていた


「わぁ!おにぎりだ(-∀-`) 」

「ちゃんと食べて、なるべく怪我をしないで戻って来てね」

「どうして?怪我しても治るよ」

「そうだけど、大怪我してないか
もしかしたら・・・・て、心配で
ちゃんと眠れないんだから!」

「アハッ、安心して
私絶対に死なないから(-∀-`) 」

「そんなのわかんないじゃん」


(bV早く来なさい)


「ゲッ(;´-∀-)マリコだこの話は戻って来てからね
行ってきます、あ、おにぎりありが・・と・・ぅ」


言い終わる前に部屋を飛び出して行ってしまった



「おはよう、ユウコまた出動?」

「うん」

「さすが伝説の戦士」

「あんな小さい子が伝説の戦士ユウだったなんて
初めは信じられなかったもん」

「小さいけど13歳だよ」

「優秀な子は10歳くらいから出動してるって聞くよ」

「私なんてまだ二回しか出動してへんのに」

「エヘン、私は三回!勝ったな」

「一回しかかわらんやん」


アツコもミナミも15歳で出動してるのに
ハルナは・・・まだ一度もない

同い年のサヤカやサエなんて月に一度は出動してるのにね


「この前また記録更新したらしいじゃん」

「みたいだね・・・」


その代わり大怪我してたけど


「すごいよな、私らなんて三人一組で
10数人の敵をやっつけるのが精一杯なのに
ユウコは一人で数百だろ
どんな魔法を使えるんだろう」

「ユウコはどの属性にも属してなくて
全ての魔法を使えるって聞いたよ
先生でも使えないような魔法も使えるって
噂もあるし」

「スゲー、一度見てみたいよな」

「だね」



人にはそれぞれ生まれ持った魔力の属性があり
それを磨きながらすべての魔法を習得してく

アツコは回復系
ミナミは補助系
サヤカやサエは攻撃系

だから三人一組なんだけど

ハルナは・・・・全部苦手で
何に属しているのかさえ分からないでいる

先生にも分からないみたいで
いつかわかる時が来るから
気長に勉強して行きましょうって昔言われたっけ

いつも一人で戦っているユウコは
どんな魔法を使って戦っているんだろうか・・・


「来週の休戦日に実践形式のテストを行います」


”ザワザワ”


これは実技テストで年に二度行われ
どれだけ上達しているか
今どのレベルにいるのか
どの戦いに適しているかを
見極めるための大切なテスト


ハルナはまだ一度も合格点を貰った事がなくて
今度こそは!て思ってる


「ユウコも参加するのかな」

「テストなんだもんするでしょ」

「でも今まで見た事無いぜ」


テストなんてする必要が無いと思うんだけど
見なくても最高レベルだってわかるでしょ?


夕食を食べに行くのに
わざわざ遠回りになる裏庭を通っているハルナ

ユウコが出動してる時の日課になっていた

四日空いての今朝の出動なんだから
今日戻って来るはずないのに・・・

それでも空を見上げ確認してから通り過ぎようとした時


「ハルナ〜!」


空から声が聞こえたと思ったのに
振り向くと目の前にいたユウコ


「ただいま!怪我しなかったよ(-∀-`) 」

「おかえり・・・もう終わったの?」

「集中して全力で倒してきたからね♪」


全力でって・・・・じゃーいつもは?


「ほら見て!どこも怪我してないでしょ」


そう言ってフードとマントを取って見せてくれた


・・・・どうして気づかなかったんだろう
ユウコの戦闘服はハルナ達のとは違うって事を

だから何処かへ着替えに行くのか


「こらこら、むやみやたらに
マントを取るなっていつも言ってるでしょ」

「ゲゲッ・・・どうしてすぐ現れるんだよ(;´-∀-)」

「ゆっぴーの声がデカいからだよ
で、ちゃんと全滅させてきたの?」

「したから戻って来たんだろ」

「こんなに早く戻って来れる数じゃ無かったでしょ」

「ユウコ様を舐めんなよ
全力だしたらこんなもんさ」

「ホウホウ・・・いつもは遊びながらしてるのかな?」

「・・・アハハハハ・・・お腹すいたから
ご飯行ってきます(;´-∀-)」

「ストープ、まずお風呂に入って着替えて
話を聞いてからね」

「ヤダヤダ、最後のはいらない
私はハルナとご飯食べる為に帰って来たの!
食べれないならもう出動しないかなら(怒)」

「ヤレヤレ・・・先に行って
少しだけ待っててあげてくれるかな」

「はい(бвб) 」

「ほら、早く着替えて来い」

「すぐだからオムライス頼んどいてね(-∀-`) 」

「待ってるから綺麗に落としてくるんだよ」

「ほーい♪」


あっという間に姿が見えなくなったユウコ


視線を感じて横を向くと
ハルナをじっと見つめるマリコ先生


「属性は何?」

「あ・・・まだわからないんです」

「確か17歳だったよね」

「はい」

「そう、まだわからないのか・・・ふーん」


なにかブツブツ言いながら戻って行く先生を
ボーと見つめていた