休戦日を二日後に控えた夜



ビィーンビィーン!!
ビィーンビィーン!!

大きなサイレンで起こされた


「これ何」

「奇襲だ行かなきゃ」

「奇襲・・・・気をつけて」

「うん、ハルナも」


いつもはすぐ起きないユウコが
ハルナよりも早くベッドから出て飛び出して行った

それからすぐ


”緊急事態発生、全員戦闘服を着用
男子は先生、生徒を問わず全員出動、
女子は名前を呼ばれた者だけ戦闘態勢に入り
残った先生は残された生徒を
地下に誘導し入口を閉ざして下さい”


ハルナはどうすればいいの?
もう戦闘服は持ってないのに・・・


(ハルナ・・・ハルナ聞こえる?)

「マリコ先生?」

(聞こえてよかった)

「私はどうすればいいですか」

(治療室へ来て)

「わかりました」


一応制服に着替え廊下に並ぶ生徒の間をすり抜け
治療室へ


「すぐこれに着替えて」

「これは?」

「説明は後、着替えたらここの薬全部地下へ運ぶから急いで」

「わかりました」


戦闘服とは全然違う薄い布で出来た
先生と同じ服に着替え並んだ薬を小さくして袋に詰めていく


この前シュミレーションをしたところだったから
聞かなくても次々とこなせた


もしかしてこうなることを予測してたの?
だから急にしたんだ


「キャッ(汗)」


大きな音とともに学園が揺れた


「もうシールドが破られたか・・・
ユッピー何やってんだよ」


窓から空を見上げそうつぶやくと


「ここにいたら危ない
出来たものだけでいいからそれを持って
そこの隠し扉を開け地下へ行って」


ここ隠し扉になってたんだ・・・


「先生は?」

「私はシールドを張りに行かなきゃいけないの
大丈夫終わったらすぐ追いかけるから先に降りてて」

「わかりました」


でも女性の先生は出動しないはずなのに・・・


「あ、地下は迷路になってるけど
杖で明かりをともし杖が行こうとする方向を
信じて歩けばいいからね」

「どこを目指せばい・・・」


言い終わらないうちにいなくなってしまった

その間も音と光線と振動が鳴り止まない


扉から中へ入ると勝手に閉まった扉


「真っ暗(汗)」


カバンをリュック型に変えて背負い
杖に灯りをともすと周りが見えてきた


思っていた地下道とは違い
廊下のような作りになっつている


「杖さんお願い私を導いて」


そう言うと灯りがスーと伸びていく


「そっちへ行けばいいのねありがとう」


伸びる方向へ歩き二股に分かれた道も
灯りが伸びるほうへ進むと大きな扉が目の前に現れた

押しても引いてもあかない


「道、間違えたのかな(汗)
扉さんここでいいならハルナを中に入れて」


すると陽菜が通れる分の隙間だけ開き
中へ入るとまた閉じてしまった


「誰!?」


奥からの声


「治療室のハルナです」

「魔法をかけていたはずなのに・・・
どうやって中へ入ってきたの」

「ドアに話しかけたら入れてくれました」

「そんな馬鹿な・・・
あなたにそんな能力があったなんて・・・」


三年前まで担任だった先生
回復学を得意としていたっけ


「今何が起きているんですか」

「敵が公約を破って夜に奇襲をかけてきたのよ
それも大群で」

「見張りは気づかなかったんですか」

「みんな殺されたみたい」

「そんな・・・・」


(・・・ルナ・・・ハルナどこ返事して)

「地下に居るよ(бвб) 」

「どうかした?誰と話してるの?」

(校長がそこにいる先生全員出動させて
シールドを強化させろって
あと、少しでも戦える生徒も来させて)

「わかった」


ユウコからの伝言を伝えると

テレパシーを使えるの?と驚き
20人の生徒を選び連れて出て行った先生方


残されたのはまだ勉強し始めて間もない子や
テストで合格点を貰えない子ども達
14人とハルナだけ


「この中で回復の魔法得意な子いる?」


誰も手を上げない

そりゃ自信ないよね
昔の陽菜だって絶対に手を挙げなかったと思うもん


「もしここへ怪我した人が運ばれてきたら
手伝ってほしいの、血をぬぐってあげたり
薬を塗ったり・・・・出来る人」

「それなら私にも出来る!」


薬をもとの大きさに戻し棚に置いていく


「私が色を言うからそれを傷に塗ってあげて」

「わかったぁー」


勿論けが人なんて運ばれてこなければいいに越したことはないけど
もしもの時の事を考えて用意しておかなきゃ


音は聞こえないけど振動は感じる

外ではみんな戦ってるのに
ハルナは中で隠れててもいいのかな(汗)