出て行ってからどれくらい経っただろう
数分かも知れないし数十分かも知れない

とにかく待ってるだけだと時間のたつのが遅い

そう言えば振動がしなくなったかも


「ドンドンドンドン・・・開けて」


どうやって開けるんだろう・・・


「どうやって開けるかわかる?」



先にここに来ていた少女に声をかけた



「先生が魔法をかけてたよ」


そっか魔法か


「魔法で開けて下さい(бвб)」

「中からじゃないと開かないんだけど」


そんな魔法習ってない・・・・
だってさっきは・・・まさかね?


「扉さん開いて外の仲間を中へ入れてあげて」


そう語りかけるとスーと開く扉


「凄い、お姉ちゃん凄いね魔法使わずに開けちゃった」


何故開くのかハルナにもわかんないけど
入って来た仲間はみんな傷だらけで
考える間もなく治療に専念する

傷を見て出来る治療をし


「この人には青、こっちの人には黄色」


薬を指定し子供達に任せて行く


先生方も戻って来た


「外はどうなっているんですか?」

「シールドは元に戻せたけど
中に入ってきた敵が多くてみんな戦っているわ」

「ユウコは・・・」

「数人の戦士達とどんどん攻めてくる敵を
ここへたどり着かせないようにシールドの外で食い止めてる」

「マリコ先生は?」

「校長先生と外で一緒に戦っているのが見えたわ」


どうして先生が・・・・


「お二人の魔力には私達が束になっても
勝てないですからね」


そんなにすごい人だったの?


「戦闘魔法も使えるんですか?」

「見た事はないけど
すべての魔法を使えると聞いたことがあるわ」


ハルナと全然違うじゃん・・・・


「でもお二人共年齢的に
数十年前にリタイアしたと聞いていたのに」

「そうね・・・大丈夫かしら」


(・・・・ナ・・・ハ・・・ルナ・・)

「・・・先生?」

(治療室へ戻って・・・きて)

「わかりました!
すみません後お願いしてもいいですか」

「何かあったのね
大丈夫よこれくらいなら私達にも出来るから」

「よろしくお願いします」


急いで治療室へ戻ると


「先生(汗)」


校長先生がベッドの横に立っていて
血だらけで両足がないマリコ先生が横たわっていた


「止血しなきゃ・・・足・・・先生の足は?」

「吹き飛ばされてないんだ」

「そんな・・・・」


どうしたらいいの、再生の魔法・・・
ハルナの時みたいにユウコに頼めば


「ユウちゃん・・・ユウ「ダメ・・・」


ハルナの腕を掴みダメと首を振る


「先生」

「ハァハァ・・ユッピーを今呼び戻すと
体勢が崩れまた攻められてしまう」

「でも、先生が(涙)」

「これは私の運命だから」

「蘇生魔法・・・
後でユウちゃんに蘇生魔法をかけてもらいます」

「蘇生魔法は一人だけしか生き返らせることが出来ない
それも蘇った人が一人だけをね」

「校長先生・・・どうしてわかるんですか
たとえそうだとしても
それがマリコ先生かもしれないじゃないですか」


「蘇ることが出来る人は・・・その人が一番愛してる人だけ
それは私じゃ・・・ない」

「でも、でも(泣)」

「いいんだよ、私は長く生きすぎた(*`ω´)」

「嫌です、まだ沢山教えて欲しい事があるのに
死なないでください(涙)」

「その服はね・・・私が作ったの
ハルナが願うだけで魔法を使える服
戦闘は無理だけどね(笑)」


笑っているけど苦しそうで見ていられない


「だから扉が開いたんですね」

「アハハ・・・そんな使い方もあるんだ(笑)
一人でも沢山の患者が見れるようにしてある
予備はユッピーの戦闘服と同じ場所に入れてあるから
それがなくなる前に作れるようになってよ(笑)」

「そうだ、もう一人の蘇りの人って誰なんですか
その人に頼めば」

「目の前にいるでしょ」

「目の前・・・校長先生?」


ニコッと笑い頷く校長


「だったら早く」

「私はもう持ってないんだよ」

「ユウ・・・コ・・・」

「そうユウコは私が生き返らせたんだ」

「じゃー薬は誰が」

「マリコ先生だよ」


先生は二人分の薬を作ってたの?
でも校長先生の分の作り方は教えてもらってない


「ユウコの薬もまだ成功してないし
校長先生のだって作れないのに・・・
これからどうしたらいいんですか(汗)」

「いいんです、それは私が望んだ事ですから」

「校長先生・・・」



一度に色んな事を聞いて
なにがなんだかわからなくなってきた


「数年分のストックはありますから
その間に協定を結び戦争を終わらせます
それで私の役目は終わりです」

「そんな・・・」

「ウッ・・・」

「先生(汗)」

「ハルナ・・・ユッピーをよろしくね
ああ見えて寂しがり屋だから一人にしないであげて」

「はい・・・・命が続く限りそばにいます(泣)」

「ハルナなら大丈夫・・・
いつまでも愛し続けてあげて欲しい」

「約束します」

「これで安心していける(*`ω´)
校長、後は頼みました」

「任せて下さい」


「ハルナ傍に」


言われるまま近づきひざまずくと
ハルナの頭に手を置き


「私の能力を受け継ぐ者へこの力を与える!」


そう唱えたとたん
ブワット何かが体に入り込んできたと思ったら
先生の手が滑り落ちた



「先生!!(泣)」


ハルナの声はマリコ先生に届くことはなかった