優子
陽菜が目の前にいる・・
そしてまたこうして抱きしめる事が出来る幸せ
この幸せを失いたくない
だからこれからの私は生きる事を諦めたりしない
何度でも這い上がり生き抜いてやる
そう心に誓っていた
麻里ちゃんが出て行ったのを確認して
「陽菜」
「ん?」
「今回は成功したけど5年後・・・
ううん、もしかしたらもっと早く再発する可能性もある」
「やだ!・・・」
「でもね私は絶対にあきらめない」
「うん」
「これからだって辛い事苦しい事が沢山あると思う」
「うん」
「でも、それでもいいのなら・・・」
「・・・・・?」
「私と付き合って下さい」
「っ・・・・」
声にならない言葉の代わりに
首を縦に振る陽菜の目からは涙が溢れていて・・
「待たせてごめんね」
今度は首を横に振る
「キスしたいけどまだしちゃいけないんだ」
「ん・・・」
「出来るようになったら唇が腫れちゃうほどしようね(´-∀-)」
「うぅ・・・ばか(涙)」
そっとだけど一か月ぶりに触れたにゃんにゃんからは
相変わらずいい匂いがした
経過は順調でそれから3カ月後私は退院
陽菜は看護学校に通い始めていた
その日の夜
「退院だったのに行けなくてごめんね」
「学校なんだから仕方ないよ
でもさ、このマンションセキュリティーもしっかりしてるし
部屋も広いし家賃高いんじゃないの(汗)?」
「学校が家からだと一時間以上かかるし
実習とか入ってきたら夜遅くなることも多くなるって言ったら
パパがここを探してきてくれたの」
「そうなんだ、にゃんにゃんが何も言ってくれないからさ
来てびっくりしたよ」
「それに女性専用のマンションらしくて思ってたより安いみたいだし
男が入れないから悪い虫がつかなくていい!だって
恋人いるのにね(笑)」
「なんだか騙してるようで胸が痛い(汗)」
「気にしなくていいよ女の人と同居するからって
言ってあるもん」
「でもなー・・・」
「あっ、優ちゃんのアパートの荷物
全部運んどいたよ、きちんと片づけてあったから
楽だったけど・・・」
「あぁー・・・うん、ほらあの時はまだ・・・
今はちゃんとさ」
「フフわかってる、やっと二人っきりになれたね優ちゃん」
「そうだね、これから宜しくね陽菜」
どちらからともなく近づきキスをした