優子
家に帰ると大きいスーツケースが3つ置いてあって
2つはすでに荷物が入っていて最後の1つに荷物を詰めているところだった
「お母さん何、持っていくつもり?」
カップめん・梅干し・お菓子・ミネラルウォーター
ほとんど食料品じゃん(汗)
「海外じゃ必需品らしいわよ」
どうやらネットとかを見て書きだしたらしい
「ホテルじゃないし、ツアーじゃないからそんなのいらないよ
別荘に全部あるし・・・」
「でも、あんまり迷惑かけれないでしょ、
タダで海外に連れて行ってもらえるんだから」
「そんなの持っていく方が迷惑だよ 」
私の話なんて聞いてくれないから陽菜に電話して言って貰ったら
すんなり了解して結局スーツケース一つに収まったし・・・
お母さん達は新婚旅行以来の海外でお兄ちゃんはもちろん初めてで
3人は浮足立っちゃってテンション高くて大変だったんだから(笑)
2日間で大掃除を済ませての朝、準備万端で迎えを待っている
ピンポーン!
「ハーイ♪ 」
「あっ陽菜おはよう 」
「・・・・・行くぞ(怒) 」
何か怒ってる?
「おかあさーん来たよー」
お兄ちゃんが荷物を持って出ると運転手さんが素早く取りに来て
つみ込んでくれた・・・さすが
「陽菜君おはよう、宜しくな」
「こちらこそよろしくお願いします」
あれ?お父さんたちには普通に話してる・・・
車の中ではお兄ちゃんと話してて私の方なんて見てもくれない・・なんで?
空港に着くと陽菜の両親はすでに飛行機に乗っていて、私達も急いで乗り込む
「初めまして、陽菜の父です、母です」
そう言えば両親は初めて顔を合わすんだ
「いつも優子がお世話になりましてありがとうございます」
「いえ、こちらこそ大切なお嬢さんをうちの愚息に、
それに挨拶にもいかずに・・・」
かたい挨拶が行われる中、陽菜は後ろの席に行っちゃったからついて行く
ぶすっとしたままソファーに座ったからその横に座る
前の方では挨拶も終わり、なんかすごくフレンドリーにしゃべってるんだけど・・
お兄ちゃんは映画を見だした
ちっともこっちを見てくれない陽菜・・・・
「はるなー、なんか怒ってる?」
「・・・・・」
「私なんかした?」
「何もしなかった 」
何もしなかった?してない!じゃなくて?・・・
もしかして・・・・
「電話とかメールしなかったから怒ってるの?」
プイッと横を向く・・・もう可愛い♪
「ごめんね大掃除を2日でしないといけなくて、
夜もお風呂あがったらすぐに寝ちゃってて(汗)
でもね毎晩陽菜の待ち受け画像におはようと、おやすみのキスしてたよ 」
「おやすみとかおはようぐらいメール打てるだろ(怒) 」
「ごめん・・・それなら陽菜からしてくれればよかったのに」
「俺がするわけないだろ(怒) 」
私よりはメールしてると思うけど・・・
「陽菜から電話してくれたら嬉しいのに 」
「親と一緒の時だったらかっこ悪いじゃん 」
「陽菜は何してもかっこいいよ 」
「あっ、あたり前だろ 」
「今日はずっと一緒にいようね 」
「今日からだよ 」
そう言うとみんなに見えないように手を握ってくれた