「私最低だ・・・」

神社の境内の始めてキスした場所


傷ついた大島さんを・・・優ちゃんをまた傷つけてしまった

知られたらこうなる事は予測できたのに・・・

女の子を好きで、陽菜の事が好きだったって
本人の口から言わせてしまった

優ちゃんはヘルパーの小嶋を信用して話してくれたのに・・・

「ごめんね優ちゃん・・・」

今ごろ一人で何を思い何をしてるんだろう・・・
私の事がにゃんにゃんと分かった時手が少し震えてたもん・・・


だめだ、このまま逃げちゃダメ戻らなくちゃ

持っていた鍵で玄関を開けると
微かに漏れてくるヴァイオリンの音色
そっと部屋に入り片隅で聴いていると

「何で戻って来たの?まだ、笑い足りない?」

「違う!ただ優ちゃんのそばに居たいから」

後ろから抱きしめると

「それって同情?」

「違うよ」




「・・・もう少しで夢がかなうはずだった
夢が叶ったら打ち明けようと思ってた
例え嫌われても・・・・
それで諦めるつもりだったのに・・・

でも、もうムリ!にゃんにゃんがそばに居て
私の気持ちを知ってもそばに居たいという今
我慢なんて出来ない!」


包帯を取りこっちへ向くと

「陽菜、ずっと好きだった」

右手で頬を確かめ陽菜を引き寄せると唇を重ねてきた

それは優しくてとても甘いキスだった