スキニーパンツにTシャツ
もちろんスニーカーも

三人色違いで揃え仲良くショッピング

仕事じゃない陽菜は服装のせいもあるけど幼く見える
みーちゃんは・・・・変わんないか(笑)

体の調子もいいみたいで甘いものをよく食べる
チョコレート屋さんのデザート・ドリンク
私は甘すぎて残しちゃった(;´-∀-)

「陽菜そろそろ」

みーちゃんが時計を見て陽菜に話しかける

「そうだね・・・」


諦めたような顔をして頷く陽菜
トイレで着てきた服に着替え
他に買った商品と一緒に全部まとめてみーちゃん宛に送る

また増えちゃったじゃん、て口では怒ってるけど
顔は優しいみーちゃん

車で降りたところまでタクシーで戻り
家に電話をかけ迎えの車を呼ぶみーちゃん


そしていつもの日常に戻るんだけど
一つだけ変わったことがある

それは・・・・・






私が毎日陽菜のベッドで寝てる

もちろん帰ってこない日もあるけど
あれだけ家にいなかった陽菜が出張以外はどんなに遅くても
家に帰ってきて自分のベッドで私を抱きしめて寝るのが当たり前になった


「何時に帰ってきても良いように陽菜の部屋で寝るように!」


そう言われたのが愛を確かめあってから二日目の朝
もちろんあれ以来セックスはしていない

ただ、抱きしめられて・・・抱きまくらになってるだけ
それでも陽菜の匂いに包まれて眠れるのだからなんの不満もなかったんだけど


妊娠してるかどうかの検査の日の夜
ベッドで抱きしめられながら聞いて良いものかどうか悩んでいたら


「妊娠してなかった・・・」

「そっか、まだ始まったばかりだから仕方ないよ」

「んっ・・・」

でも妊娠してなかったってことはまた篠田さんに抱かれるの?
それとも人工授精に入るの?

それさえ聞けないヘタレな私


だって・・・もう私の陽菜なのに・・・
他の人に・・・それも男の人に抱かれるなんて我慢できないから(涙)

聞かなければ知らない間に出来てるかもしれないでしょ
それが抱かれた結果だとしても聞かなければ傷つかなくても良いから・・・




「・・・・・・・・」

「なんで震えてるの?」

「ふるえて・・・ない・・・」

「泣いてるじゃん」

「泣いてないヤイ(涙)」


後ろから抱きしめてるくせになんで分かるんだよ

「言わなきゃわからないでしょ」

「だって・・言ったら・・・泣いちゃう」

「・・・・もう泣いてるじゃん(笑)」


「私ね陽菜に隠してることがある」

「なに?」

「この前病院で検査してもらった」

「・・・・正常だったんでしょ」

「え?なんでしって・・・」

「陽菜に隠し事が出来ると思ってるの?全部お見通し」

「じゃー話は早いよね」


起き上がり陽菜の方を向くと
陽菜も起き上がり向かいあう


「私が子供を産む、跡継ぎを産むよ
ほら私のほうが沢山経験あるし
男の人に抱かれるのも慣れてるからすぐ出来ると思う
そうしたら陽菜は治療に苦しむこともなくなるし
篠田さんにも・・・・・
ね、そうしよ」


最後は目を見れなくて下を向いちゃったんだけど
ちゃんと伝わったよね?



陽菜はきっと篠田さんしか知らない

でも私は・・・お金のために男とも女とも寝てきた人間

だから我慢の仕方は知ってるし
陽菜のためだと思えば今まで以上に我慢できるから


そうなってもこうやって一緒に寝てくれますか?
抱きしめて寝てくれますか?
そしてたまに抱いてくれますか


心の中で何度も何度も練習してるのに
口は言うことを聞いてくれず
静寂の中自分の心臓の音だけがうるさく鳴り響いていた