ちょっとした冗談だった

だってエイプリルフールだよ
嘘ついてもいい日だよ

まさかにゃんにゃんがハワイにいるなんて思ってもいなくて・・・
なんでインスタチェックしなかったんだ!
私の大馬鹿野郎(怒)


私が留学すると決めた時
にゃんにゃんとはなるべく会わないようにするって決めた
だって会うと向うへ戻りたくなくなっちゃうじゃん

だから連絡も極力取らないようにしていたのが仇になってしまった

インスタは毎日チェックしてたのに
日本に帰って来てからは忙しい日々だったから
チェックし忘れてて・・・


私の嘘のせいでにゃんにゃんが・・・(。-∀-)

外人さんとぉ〜(泣)


私だけの陽菜だったのに・・・
もう違うくなってしまった・・・

そうだよね、女の私なんかより男性の方が・・・

あぁぁぁ・・・でも好きだ
結婚しても子供産んでも愛してるものは愛してるんだ!


もう遅いかもしれないけど
ひと言だけ打ち込んで送信した


はぁ・・・そろそろ空港へ行かなきゃ

今日帰らないと明日の始業式に間に合わないから
夕方の便で戻る

その前に、みーちゃんに電話してばれちゃった事を謝らなきゃ

でもリハ中なのか電話に出ないからタクシーを呼び空港へ向かう

(もしもし、どうかした)

みーちゃんから折り返しの電話

「写真の事陽菜にバレタから怒られたらごめんね」

(まじか〜、てかさ、声おかしくない?)

「あぁ・・・ちょっと泣いてたから・・・」

(何があったの?)

涙がまた溢れてきて上手く話せない

「にゃんにゃんが・・・私のせいで・・・(泣)」


(大丈夫?)


「向こうへ戻って落ち着いたらまたLINEする
忙しい時にごめんね単独コン頑張って」

それだけなんとか言って携帯を切った

マスクをしてサングラスをかけ泣いて腫れた顔を誤魔化し飛行機へ

機内食を一度だけ食べ後は
ずっと寝ていて空港に着いたのがのが15時過ぎ

「こっちはまだ一日なんだよね・・・・」


スマホの電源を入れるけど
何も来てるはずがなく・・・・

「はぁ・・・」

またため息が漏れる

「買い出ししておかなきゃ」

荷物を持ったままスーパーへ

一週間分の買い物をして部屋へ帰ると18時を過ぎていた

鍵がなかなか見つからなくて
玄関で荷物を置き座り込む


悪夢な一日よ、早く終わってくれ

きっと来年から一日は最悪な日になるんだろう
二期生のデビューの日なのに・・・

みんながお祝いしてる時に今日の事を思いだして
私だけ違うな涙を流すんだろうな・・・・


「はぁ・・・・・」

「ため息ばっかりついてると幸せ逃げちゃうよ」


そうだよ、私がAKB時代みんなに言ってた言葉じゃん・・・・


「へぇ?」


聞き覚えのある声に顔をあげるとそこにはいるはずのない人が


「幻影?」

「そんなわけないでしょ(笑)」

「え、だってハワイに居るって」

「お昼までいたのはホント」

「うそ・・・じゃないよね?」

「ほら立って」

手を差し出されそれを握るとよいしょって引っ張られ
ギュッと抱きしめられたから背中に手を回す

「陽菜の匂いがする」

「当たり前だし(笑)」

「ごめんね、私のせいで・・・」

「あぁ・・・それ嘘」

「・・・・・へぇ?」

「ムカついたから仕返ししただけ」

「うそ・・・え?嘘って言う事は男の人としてないの?」

「するわけないでしょ
陽菜が好きなのは優ちゃんだけ」

「もっと早く言ってよそれにハワイは31日だったじゃん」

「だね、で、今日は何日?」

「1日・・・え!?それが嘘?どっち?ねえどっちなの(汗)」

「さあ、どっちでしょ(бвб)」

「はぐらかさないでよお(怒)」

「どんな陽菜も愛してるんでしょ」

「そうだけどぉ!」

「陽菜も愛してる」

「あぁ!!誤魔化した」

「どうでもいいけど早く中に入ろ」

「鍵見つからない」

「早くキスしたいのになぁ〜」

「・・・・・・・・・・」


中身をひっくり返し鍵を探して中へ
それから
8か月ぶりの陽菜を堪能してベッドの中でイチャイチャ中


「付き合ってないのにこんな事してもいいのかな(бвб) 」

「ずっとしてたから問題ない(-∀-`) 」

「それドヤ顔で言う事じゃないでしょ
恋愛禁止だったんだから」

「付き合ってなかったんだから恋愛にならない」

「じゃーセフレだったんだ」

「ちがーう!私の一方的なアタックに
陽菜が抵抗をやめて相手してくれてただけの関係」

「なにそれ(笑)」

「ねえ、いつ帰るの・・・」

帰って欲しくない、このままここで一緒に暮らしたい

そんな事は無理だとわかってる
でも、少しでも一緒に居たい

「PONがあるから明日には帰らなきゃ」

「やめちゃえばもっと会えるのに
海外旅行だって長期でいけるよ」

「与えられた仕事はちゃんとしたい」

「・・・・ごめん、わかってる」


すべすべの肌に抱き付き胸に顔を埋めると
優しく頭を撫でられた

陽菜は普段はいい加減だけど
仕事に関してだけは真面目だから
遊びたいからとやめるわけがないのは分かってる

「夏休み戻って来るんでしょ?」

「うん、でも仕事も少しするからそんなに会えないと思う」

「陽菜のマンションから通えばいいじゃん」

「けむしちゃんがいるから無理だよ」

「引っ越してから寝室には居れてない」

「・・・・私のため?」

「どうでしょ(бвб) 」

「でも、ここへ戻ってきたくなくなるから」

「その時は浮気して出て行かせてあげる(笑)」

「ダメだよ、この体は私だけの物なんだから
誰にも触らせたらダメ!」

「だったらちゃんと勉強して早く陽菜のもとに帰って来て」

「わかった・・・・その代わりまた会いに来てくれる?」

「気が向いたらね」



陽菜は猫だと思う

こっちから寄って行くと逃げるくせに
気が向いた時だけ近寄ってきて甘えてくる猫

それに振り回され周りをキャンキャン騒ぎながら回ってるのが犬の私

正反対だから惹かれ合うんだろうな〜


次の日一緒に部屋を出て
私は学校へ陽菜は空港へ


お互い違う道を歩んでいるけど必ず道はどこかで繋がっていて
何より心はずっと繋がってるから絶対に離れたりしない


「じゃーまたね」

そう言って陽菜をタクシーに乗せると

「優ちゃんは一人じゃないからね
いつもここに陽菜が居るから」

胸を叩きそう言い残し帰って行った陽菜


やっぱり陽菜はかっこいい



おしまい