陽菜、陽菜・・・・陽菜

頭の中で陽菜の名前を繰り返し叫ぶ

その間も昔からの映像が頭を巡っていて・・・

お姉ちゃん助けて・・・・・お姉ちゃんお姉ちゃん!

はるなぁー!!


「う・・・うわぁぁぁぁ」

「キング(汗)」


やっと額から手が離れると
倒れ込みそうになるのを麻里子に支えられ踏みとどまる


「ハァハァハア・・・・・・はる・・・・な」

「ゆぅ・・・・・・・・(бвб)」


そのまま前のめりに倒れてきたからしっかり受け止めた


「うっ・・・」


傷に響いたけど落とさないようにしっかり抱きかかえていると
髪の色が元の綺麗な栗色に戻っていった


「・・・・・・・・・後は私が」

「私も行く」

「キングは自分の家へ帰ってください今は大丈夫でももしかしたら(汗)
柏木キングを・・・・」

「いやだ、陽菜は私の恋人だよ!
見て!私はなんともない!だから私が看病する」

「・・・・わかりました、しかし今キングは
怪我をされているので私が家まで運びます」


たしかに今の私では陽菜を抱えて歩くことが出来ないから
麻里子に任せた


「陽菜の部屋で寝かせないの」

「本人の承諾なしに人を入れることは出来ませんから」


麻里子の部屋のベッドへ寝かせリビングへ戻る


「柏木ありがとう、帰っていいから」

「キングをお送りしなくていいんですか?」

「クイーンが目を覚まして安全を確認したら
私が送る」

「わかりました、ではこれで失礼しまス」


最後のスが聞こえるかきこえないかのうちに
もう姿は見えなかった


「いつも早いよね(笑)」

「それが柏木の能力ですから」

「もうそんな改まらなくていいよ麻里子様(笑)」

「・・・・・・はぁ・・・・聞いちゃったんですね」

「家だし、学生の前じゃないんだからいいじゃん」


「まり・・・・こ・・・」


隣の部屋からかすかに聞こえてきた声に
反応し寝室へ


「気がついた?」

「私あれから・・・・・・・・ゆう・・こ?」

「大丈夫?陽菜」

「なぜゆ・・・・キングがここに」

「キングの頭を覗いたんだよ、覚えてない?」

「わたしが?・・・・・キングは大丈夫なんですか(汗)」

「なんかね、少し気分は悪いけど大丈夫みたいアハッ(-∀-`)」

「軽かったのかな・・・・」

「軽くないよ、変身してたから」

「うそ・・・・なのにどうして?」

「たぶん優希さんと同じじゃないかな」

「そんな事・・・・・優子が優希さんとおなじだったなんて
・・・・・っう・・・」


「え、どうしたの、泣くほどどこか痛いの(汗)」

「ありがとう・・・・(泣)」

「え?あのう・・・・え?」


急に泣くから焦って駆け寄ると抱きついてきてきた陽菜


わけが分からなかったけど抱きしめ返しておいた



少し落ちついてからリビングへ移動


「キングは紅茶のほうが良いですか」

「陽菜と同じでいいや」


「本当に大丈夫なんですか?」

「見て、なんともないよほら!イッ(汗)」


元気よく動かしてから気づく
脇腹にヒビ入ってたことを


「治りが遅くなりますから気をつけて下さい(怒)」

「ごめん・・・・・それより・・・あれは何?いつからああなったの」

「それは・・言いたくありません
でもあれがあったからたぶん陽菜がクイーンになったんだと思います
ホントだったら麻里子が・・・・」

「私はクイーンには向いてない
喧嘩が好きだから・・・」

「それでも一番強いのは麻里子だから」

「私の力はキングとクイーンを守るためにある」

「麻里子がずっとそばに居てくれるから
陽菜はクイーンでいられたの」

「だからいつも一緒に居るんだ・・・」


多分それだけじゃないと思うけど
陽菜はまったく気づいていないからそっとしておくことにした


「私はもう大丈夫だからキングをお送りして(бвб)」

「泊まる」

「・・・・何処に?この辺ホテル無いですよ」

「陽菜の部屋に決まってるじゃん(-∀-`)」

「・・・・・・無理」

「どうして?こいびと「恋人でも無理なの!」

「・・・・麻里子は入ったことあるんだよね」

「麻里子は良いの!」


敬語で話すのを忘れるほど焦ってるのはどうして?


「やっぱり私の事好きじゃないんじゃん
お姉ちゃんに言われたから仕方なくキングに選んで
仕方なく恋人だって言ってるだけなんじゃん(怒)」


私はどんどん好きになっていってるのに
なんなんだよ(怒)


「もういい、帰る(怒)」

「送ります」

「いい!1人で帰れるし自分のことは自分で守れるから
麻里子様はしっかりこじはるさんを守ってあげて下さい!(怒)」


カバンを持ち玄関へ向かう


思わせぶりな態度なんて取らずに
引っ付いちゃえばいいんだ
相思相愛なくせして何がキングと恋人だよ(怒)

だったら麻里子がキングになれば良いんだ
新学期が始まったらキングを辞退するからな


・・・くそー・・・何でこんなに苦しいんだよ・・・

あぁぁーもう、靴が散らばったままじゃんか


「くそー・・・(涙)」

「ねえ、どうして泣いてるの」

「泣いてなんか無いヤイ」

「部屋に入れないくらいでどうして好きじゃないってことになるのかな」

「麻里子は入れて私は入れないて事が物語ってるの!」

「・・・・・・・るなら・・・」

「はい?」

「呆れないって約束するなら入れてあげても良いけど・・・」

「どうして呆れるの?」

「それは・・・・・」

「わかった、絶対に呆れたりしないし嫌いになったりしない!」

「付いてきて」


玄関を出て隣のドアの前に立つ


「麻里子はいいから」

「でも」

「今日はありがとう」

「なにかあったら叫んで、すぐ飛んでいくから」

「むっ、何もしないよ(怒)」

「ふふ、ありがとうその時は頭を覗くから」

「ゲッ(汗)」


麻里子が中へ入ると自分の部屋の鍵を開け・・・・


「・・・・・・・・」

「どうしたの早く入ろうよ(-∀-`)」


ゆっくりドアを開け


「どうぞ」

「おじゃましまーす♪」


なかなか入ろうとしないから先に中へ入った