「え、車で行かないの?」

「車だと飲めないからタクシーで行く」


だったら電車で・・・とは言わない
電車で行くわけがないから
それに時間もないし

大通りに出てタクシーを拾い乗り込むと行先を告げる陽菜

ここからだと15分くらいかな

初めて聞くお店の名前だった

やっぱり社長ともなると色々なお店を知ってるんだね
それも私一人ではいけないようなお店を・・・・


「優ちゃん?」

「へっ?」

「体調悪いの?さっきから変だよ」

「ぜーんぜん平気、ほらこんなに元、イテッ(;´-∀-)」


手を勢いよく上に伸ばしたら当たり前だけど天井に当った


「お客さん、大丈夫ですか?」

「すみません、大丈夫です(;´-∀-)」

「何してるの」


呆れ顔の陽菜


「ちょっと、考え事してただけだから気にしないで」

「悩みがあるなら聞くよ」


陽菜からそんな言葉を聞くなんてビックリ


「悩みかー・・・あるとすれば
けむしが懐いてくれないって事かな」

「小さい時から陽菜にしか懐かなかったからなー
みーちゃんが来てても無視してるでしょ」


そう言われてみたらそうかもしれない


「優ちゃんには相手してる方だと思うよ(笑)」


それは嫌われてるからだと思うんだけど


「嫌いな人の傍には絶対に寄らないからね」

「そうなの?」

「前の住人にさえ近くへ行かなかったもん
餌だって陽菜からしか食べなかったし」


篠田さんの事かな・・・・

そっか、なんだかんだ言って気になってるんじゃん
けむしの奴可愛いなもう(-∀-`)


「今から行くお店はどういう店なの?」

「自然野菜をそのままボイルして出してくるの
野菜の味がダイレクトに伝わって来て凄く美味しいんだよ(бвб) 」


嬉しそうに話す陽菜を可愛いって思った