陽菜が出て行きどれだけボーとしていたんだろう

よくよく考えてみると私にも駄目なところがあるのに
すべて陽菜のせいにして罵声を浴びせてしまった


「何やってんだよ私」


部屋を出て社長室へ


コンコンコン「陽菜・・・・・開けるね」


明かりは点いてるのにどこにも姿が見当たらない
まさか隠し部屋?


壁を押し覗くけどそこにもいないようだ


「どこへ行ったんだろう」


窓から外を見ると会社方向から道を横断する人を発見、小さいけど見間違えはずが無い

「陽菜・・・あの方向は」


後を追いかけるように会社を出て懐かしい場所へ

思い出のベンチに腰掛け空を見上げている陽菜

そっと近づき


「今日は何も見えませんね」

「・・・・・」


反応が無いけど隣に座る


「ここは大切な場所なんです」


見上げたまま微動だにしない


「転職で入社したので同期は年下ばかり
同い年は先輩で気軽に声をかける事も出来ず
仕事に行き詰っても相談する人がいなくて
仕事を辞めようかと悩んでいた時に
綺麗なお姉さんが声をかけてくれて」

「・・・・・・・・」

「その日から雨以外は毎日ここで話すようになったんです」

「・・・・・・」

「話すのは殆ど私ばかりだったけど
時には的確なアドバイス、時には甘やかす言葉をくれる人の事を」

「・・・・・」

「好きにならずにいるなんてことは無理な話ですよね」

「・・・・・」

「その人は一番凄い人だってわかってて付きあってもらったのに
下っ端過ぎる私の葛藤とちっぽけなプライドが顔を出し
大好きなその人を傷つけちゃう私は最低の人間です」

「違う」

「違わない、恋人に気を遣うなんて相手にも失礼だし
自分自身も許せない(涙)」

「付き合って貰った、なんて言わないで」

「現にそうじゃん、私はこんなだけど
陽菜は選び放題だったはずだよ」

「違うの優子は悪くない、わがままな陽菜が全部悪いの!」

「ううん・・・陽菜の言うことはいつも正論で
言い返す力がない私が駄目なんだ
好きになってごめんね(。-∀-)」

「だからさっきから違うって言ってるでしょ」

「何が違うのさ」

「先に好きになったのは陽菜だから」

「私だよ、本当は一目惚れだったんだよ
そこからドンドン好きが積もっていってあんな誘うような言葉を・・・」

「陽菜は履歴書を見て一目ぼれしたんだから」

「うそ・・・・」

「面接は秘書の役目だから顔を出してないけど
全部見てて指示も出してたもん」

「もしかしてあのへんな質問って」

「陽菜が指示したの」





(どんな人でも愛せますか?)

「え〜と、どういう意味ですか(;´-∀-)」

(全人類をって事です)

「あぁ・・・私を嫌ってる人は無理かもですがそれ以外なら・・・」




「意味不明でこの会社大丈夫かなって思ったんだよ(;´-∀-)」

「あの答えで行ける!て思ったもん(бвб) 」




それから一戦を終えベッドの中


「でもさ社員には手を出さない決まり?は
どうしようと思ってたの?」

「陽菜だよ、そんなルールいくらでも変えられるでしょ」

「私猛アピールしてたのにどうして進まなかったの?」

「だって照れたり落ち込んだりする優子って可愛くて
もう少し見ていたいなーて、付き合ったら見れなくなるじゃん」

「それ酷いよ(怒)」

「そうやって怒る優子も可愛い(бвб) 」

「もう、可愛いって言ったらなんでも許されると思ってるでしょ」

「うん(бвб) 」

「くそ〜そういう陽菜の方が可愛いんだからな!」

「なんか今日の優子カッコいい」

「カッコいいついでに私から攻めてもいいですか」

「そう言う事は聞かないの!」

「聞かないと怒るじゃん」

「陽菜は聞いた事無いでしょ」

「それもどうかと思うよ、私だってしたくないときあるし(;´-∀-)」

「うそ(бвб)、そう言うプレーかと思ってた(笑)」

「そんなわけないでしょ(怒)」

「アハハハハハ(бвб) 」

「この野郎、今日は寝かさないからな!」

「望むところ」



攻めれたのは二回だけ後はいつものように意識を手放すのは私の方



(おやすみ優子、愛してる)

いつも夢の中で聞こえてくる言葉


目覚めたら言ってみようかな


(おはようはるな、愛してるよ)





朝から何言ってるのって突き飛ばされ
ベッドから落ちた現実(;´-∀-)

でも、耳が真っ赤になってたのは見逃さなかったからね(-∀-`) 





おしまい