「就活どんな感じ?」

「うーん・・・・就活はしてないかな」

「え!?なんで?」

「大学卒業したら看護学校に行こうと思ってるの」

「陽菜が看護師?」

「そんな驚かなくてもいいじゃん」

「いや、だったら大学行かずに始めから行けばよかったんじゃないの?」

「そう思い出したのは三年生になる頃だったんだけど
とりあえずは卒業しないと勿体ないからってお母さんが言うから
仕方なく通ってた」

「仕方なくって(汗)」

「もし看護師の勉強について行けなかった時のことを考えて
大学卒業してたほうが何かといいからって」

「まあ、そうだけどさ・・・陽菜が看護師かぁー
診てもらいたくないかも(ΘωΘ) 」

「こっちから願い下げですー」

「でもなんかカッコいい」

「エヘッ(бвб) 」

「でも卒業旅行は行くでしょ」

「行くよ、大学卒業には変わりないし」






きっかけはテレビニュースだった


”戦場カメラマン大怪我”


優ちゃんの名前が出るんじゃないかと思ってヒヤヒヤしてた

男の人の名前が出て申し訳ないけど
優ちゃんじゃなくて良かったと思ってしまった

陽菜が看護師になっても
海外にいる優子が怪我をしたからって
すぐに手当てをしてあげる事は出来ない

わかってるけどならずにはいられなかった

それが何故かは自分でもわからないから
考えるのをやめ自分の気持ちに正直になろうと思った





そして明日で看護師になって丸二年が経とうとしている



「退院おめでとうございます」

「陽菜ちゃんのおかげだよ、ありがとね」


退院していく方みんなありがとうと言ってくれる
病気を治してくれてるのは先生なのにね(笑)



「陽菜ちゃん写真撮ろう、ママ撮って」


「はいチーズ」

「・・・・ママ下手(笑)」

「仕方ないでしょプロじゃないんだから」


プロか・・・・あなたはプロになれましたか・・・・
そしてちゃんと生きてますか・・・・




写真を撮られるたびに思い出す


「私の被写体になって貰えませんか?」


自己紹介からもうすぐひと月になろうとしていたゴールデンウイーク前
ホームルームが終わり帰ろうと立ち上がったら
目の前に来ていきなり言われた言葉


「誰が?」

「小嶋さん」

「なんで?」

「私の席から小嶋さんの斜め後ろ横顔が見えるんだけど
あまりにも綺麗すぎていつも見とれてたんだ」


確かに授業中たまに怒られてるよね?
ボーとするなって
かといって当てられたらちゃんと答えてるから凄いなーて思ってたんだけど
陽菜を見てたって事?


「あ、へんなモデルとかじゃないよ(汗)
自然の小嶋さんを勝手に撮ってもいい許可をもらいたいだけ
何も言わずに撮ったらストーカーでしょ(汗)」

「なるほど・・・・へんな写真撮らないんだったら別にいいけど
撮った写真は見せてくれるの?」

「膨大な枚数になるかけど
それでもいいならいつでも見せるよ」

「・・・・・わかった、いいよ」

「やったー!有難う(-∀-`) 」


本当にうれしそうに笑うから陽菜まで釣られて笑顔になる


「ところでゴールデンウイークは忙しい?
よかったらどこか遊びに行かない?」

「二人で?」

「嫌なら誰か誘うよ(;´-∀-)
ほ、ほらいろんな風景の所で小嶋さんを撮りたいかなーてアハッ」

「家でゲームでもしようかなって思ってただけだから
いつでもいいよ」

「マジ!?え、じゃー全部会ってくれる?」

「全部とは言ってないし(笑)」

「だよね(;´-∀-)・・・・ごめん・・・」

「大島さん暇なの?」

「小嶋さんの予定がいつ空いててもいいように
予定いれてないんだ(-∀-`) 」

「ふーん・・・家に来てくれるなら別にいいけど」

「行く!行く行く!ゲームしてるの見てる」

「ふふふ、一緒にゲームすればいいじゃん」

「だよね(;´-∀-)」

「へんなの(笑)」


家の住所教えたら同じ駅から乗ってるってわかって
それから反対なのに小嶋さんは朝が弱いからって
毎日迎えに来てくれるようになって・・・・


仲良くならないわけがないよね