「小嶋さん今日早番でもう終わりだよね」
「はい」
「ご飯食べに行かない?」
「あぁ・・・すみません友達と約束してるので」
「えぇ〜この前もそう言って断られたと思うんだけど」
「早番の時しか友達と遊べないので」
「じゃー今度の早番の時は俺に予約させてよ」
「先生この間渡辺さんとご飯行ってたでしょ」
「うっ、みんな平等に誘ってるから・・・」
「じゃー今度は伊豆ちゃんを誘ってあげてください」
「なかなか時間が合わないからなアハハハ(汗)」
「・・・伊豆ちゃん!」
「小嶋さんお疲れ様です♪」
「北川先生が今からご飯食べに連れて行ってくれるって」
「やったー!小嶋さんと三人ですか?」
「私は用事があるから帰るね、楽しんで」
「はーい!さようなら♪」
公園の前を通るとまだ桜は蕾
「今年は寒いから咲くのはまだまだか・・・頑張って」
蕾に向かって言葉をかけてる陽菜は危ない人かもしれない
もうすぐ陽菜も28歳になる
就職を期に家を出て今は一人暮らし
朝が弱いのは相変わらずでスマホのアラームは
五分ごとに何度も鳴らす
でもまだ遅刻したことはない・・・当たり前か(笑)
ピンポーン・・・
「はーい」
「うぅーさむ、三月も終わりかけなのに
何でこんなに寒いかな」
「寒いのにそんな薄着で出歩いてるからでしょ(笑)」
「だって昼間はこれで十分だったんだもん」
文句を言いながら入って来たのは腐れ縁のみーちゃん
卒業してからも何かと陽菜の面倒を見てくれている優しい親友
「冷えた体に鍋は美味しいしその後飲むビールも美味い(ΘωΘ) 」
「オヤジくさーい(笑)」
「オヤジくさいと言えばさ、来年でしょ」
「あぁ・・・うん」
あの手紙をみーちゃんにだけ見せた
だって預かってきてくれたのはみーちゃんで
何が書いてあったのかしつこく聞いてくるし
陽菜一人で抱え込むにはまだ幼過ぎたから・・・
「行くんだよね」
「とりあえず行って待ってようとは思ってる」
「でもさ、時間書いてなかったじゃん」
「朝からずっと待ってろって事かな?」
「十年待ってたんだから一日くらい
向うに待たせればいいんじゃない(笑)」
「待ってたわけじゃないけど・・・」
「結婚もせず待ってるんじゃん」
「みーちゃんだってしてないでしょ」
「私はもっと良い人が現れるの待ってるの!」
「そんな事してたら行き遅れるよ(笑)」
「お互い様(ΘωΘ) 」
「私はまだ働いて二年だしもう
少し仕事頑張りたいからしてないだけだもん」
「そう言う事にしといてあげる(ΘωΘ) 」
陽菜は何を待ってるんだろう・・・
あの手紙には十年後また会いたいって書いてただけで
もしかしたら向うが結婚してるかもしれない
そうだよ、陽菜何してるんだろう・・・バカみたい
「今度さ、お医者さん集めるから合コンしない?」
「え!?するする!陽菜の為に行ってあげる(ΘωΘ) 」
「何その上から目線(笑)」
「お医者さんかぁー・・・・
浮気されそうだけどお金もってるしなぁ・・・
あぁ、でも開業医じゃないと給料か・・・」
いきなり妄想の世界に入ってしまったみーちゃんを
可愛いなーて眺めていた