あの日からまた、いつもの日常が戻ってきた


それは嬉しいやら悲しいやら・・・




「ふあぁ〜・・・お母さんおなかすい・・・何でいるの」

「学校休みだからね(-∀-`) 」

「知ってるけど・・・・お母さんは?」

「うちの親と出かけてった」

「えぇ〜陽菜のご飯は」

「私が作ってあげる(-∀-`) 」

「ありがとう・・・」

優ちゃんは陽菜と違って何でもできる
料理だってある物でチャチャっと作っちゃうし
掃除をさせたら綺麗だし・・・
陽菜の勝てるモノなんて何もない

あ、身長は中学へ上がる頃に追い越しちゃったけどね


「うっ・・美味しい(бвб)」

「アハッ良かった(´-∀-)」

「ねえ、何でさっきからニヤニヤしてるの?」

「ふふ・・・今月私の誕生日があるんだよね」

「知ってるし」

毎年子供の誕生日には大島家小嶋家両方が集まってお祝いする

お兄さんは結婚しちゃったからさすがにしなかった
社会人になったても子供だからって親は張り切る
ただ集まって飲みたいだけにも見えるけど・・・


・・・・今年のプレゼント何にしようかな(бвб) 



「で、何がそんなにうれしいの?」

「今年の誕生日が土曜なんだよね」

「ふーん」

「お母さん達旅行に行くんだって」

「たち?」

「そ、うちとにゃんにゃん家の四人で(-∀-`) ♪」

「うそ・・・」


じゃー優ちゃんと二人っきりって事?

・・・・・・・嬉しい(бвб) 

・・・じゃなーい(汗)ハァハァハァ・・・



楽しみだねってルンルンしてる優ちゃん

その顔が可愛いって思っちゃう陽菜ってなんなの?

それにしても、陽菜のどこが好きなんだろ
自慢じゃないけどなーんにも出来ないのに


でもそれは誤解だったみたい
LIKEからLOVEになったのは・・・






「今日からうちのクラスの副担と国語の教科を担当してくれる
実習生の佐藤先生だ」

「佐藤かよです、よろしくお願いします」

(ヤベーめちゃくちゃ綺麗だぞ)

背が高くてスタイル抜群でモデルさんみたい・・・
なんで先生なんてしてるんだろう

「佐藤先生は大島先生の大学時代の後輩だそうです」

(へぇ〜大島先生って大学時代どうだったの?)

(大島先生も佐藤先生もモテたでしょ)

「私はそれほどだったけど大島先生は男女問わずにモテてたかな」


そうだったんだ・・・・

「私も好きだったから」

(わぉー先生モテモテ(笑))

はぁ?何言ってるのこの人・・・

チャイムが鳴り一時間目の移動教室で廊下へ

「小嶋陽菜さん」

「え?」

「ゆっちゃんは返してもらいますね」

「何言ってるの・・・」

「ゆっちゃんは勘違いしてるだけ
本当は私の事を好きになるはずだったんだから」

そう言って職員室へ戻って行った


どういう意味?
て言うか何なのあの人(怒)






「佐藤さん?」

「うん」

「知ってるよ、朝の職員会議で久しぶりに会ったから」

「・・・綺麗な人だね」

「あぁ・・・そうかも
外見だけじゃなくて立ち振る舞いも全てがパーフェクト
ザ・女子!て感じだからね」


陽菜と正反対じゃん・・・

「ほらご飯粒ついてる」

そう言って陽菜の手に付いたご飯粒を舐め取る優ちゃん

バシッ!!

「何してんのよ(怒)」

「ご飯を粗末にしてはいけないよ」

「だからって(汗)・・・手で取ればいいでしょ」

「あぁ・・・そういう方法もあったね(-∀-`) 」

こいつ絶対にわざとだ(怒)





で、何故か今保健室で膝枕してる陽菜

「明日は外で待ち合わせして一緒に家へ帰ろ」

「なんでそんな邪魔くさいことしなくちゃいけないの」

「いいじゃん、誕生日なんだから」

「誕生日は明日なのになんで今膝枕してんの?」

「前夜祭?」


幸せそうな顔して寝てる


「何で疑問形(怒)」

「にゃんにゃん覚えてるかな
あの日は高熱で意識もうろうとしてたんだけど
にゃんにゃんが一日中膝枕して頭撫でてくれていたの
あれで大好きになったんだ」


・・・・そんなの覚えてないし
たぶん・・・・陽菜じゃない・・


「それ彼女じゃないです」

「佐藤先生(汗)」

こんなとこ見られたらまずいじゃん(汗)
早く起きろよこのバカ

「そんなに焦らなくてもいいわよ
大島先輩があなたの事溺愛してるの知ってますから
でもこの前好きになったきっかけを聞いて驚きました」

「どういう事?」

「大学一年生の時先輩の家を訪ねたら誰もいなくて
でも玄関の鍵が開いてたから中に入ると先輩が倒れていて
慌てて氷タオルを作って膝枕をしながら看病してました
だから本当は好きになるの私だったんです」

「・・・・・・」

「私今でも先輩の事好きなんです」

「・・・・・・・・」

何で何も言わないの・・・

「そっか〜勘違いだったんだ
はぁーせいせいした、本当の事わかって良かったね
私は授業に戻りまーす(бвб) 」

保健室を飛び出す

「おっと・・・危ないじゃん
にゃろどうかした?」

「どうもしないし」

「何かあったら相談に乗るよ」

「何も無い(怒)」

そう言って走り出す

何で追いかけてきてくれないの・・・
好きって言ったくせに・・
やっぱり間違いだったんじゃん・・優ちゃんのバカ(怒)

その日は学校で会う事もなく家に帰って来た

「優子ちゃんに任せてあるから
迷惑かけないようにね」

「自分達だけで行くとかあり得ないし」

「優子ちゃんもあなたも温泉なんて行きたくないでしょ」

温泉好きなのに・・・聞いてよね

その日優ちゃんは家には来ず
明日の集合場所と時間のメールだけが届いた



次の日、意気揚々と出かけて行った親達

陽菜は待ち合わせの時間に遅れないように家を出ると


「小嶋さん」

「佐藤先生・・・」

「今日ゆっちゃん誕生日でしょ
お祝いしようと来たんだけど家にいないの
何処へ行ったか知ってる?」

知ってるも何にも私と待ち合わせしてるから・・・

でも勘違いしなかったら佐藤先生の事を好きになってたんだよね・・・


「品川駅にいます」

「ありがとう♪」

嬉しそうに歩いて行った

また家に逆戻りしてお菓子とジュースを
テーブルの上に置きやけ食いしながらお笑いのテレビを見る

「全然面白くないし・・・・」

二人だとケラケラ笑いながら楽しく見てるのに・・・

今ごろ佐藤先生と・・・・

「はぁ・・・」

せっかく朝早く起きて優ちゃんの好きな
チーズケーキ作ったのになぁ・・・

せっかく作ったんだから無理やりおいてこよう


顔あわせるの嫌だからチーズケーキとプレゼントを置きに
優ちゃんの家へ入ると

「なにこれ・・・・」

自分の誕生日なのに陽菜の好きな料理ばっかじゃん・・・

「っう・・・陽菜の事が好きって言ったじゃん・・
他の人の事なんて好きになるなバカ・・
優ちゃん・・・・好き・・・優ちゃんが好きなの(泣)」

そう叫ぶと同時に
フワッと後ろから抱きしめられ好きな匂いがした