にゃんにゃんが才加のことを好きだったとしても
自分の気持ちは言おうと思った
言って断られたほうがスッキリして前へ進めるから
でもクラブを引退するまでは告白なんて出来ないでしょ?


だから国体で1位になって付き合ってって言おうと思ってたのに・・・

個人では記録も作り1位になった
その時に言えばよかったんだけど
みんな居るし帰ってからでも良いかなって思っていたら
リレーの話が来て・・・

マネージャーと言うだけで残ってもらえるように先生にも頼んで
小嶋さんも承諾してくれて・・・
二つのメダルを首にかけながら告白しようと思ってたのに

でも最後の最後で負けちゃったから言う機会を逃してしまって
帰りの新幹線では自分の感情を抑える事ができなくて
心友の佐江と喧嘩しちゃったり・・・私って最低だ


でも大学は推薦だし家から通う予定だったから
いつでも言えるって思っていたら
福島大学から来ないかというオファーがあり
推薦は終わっていたから一般で受けることに

東京から遠いし寮生活になる
それなのに告白なんて出来ないよ


だから最後の思い出づくりとして
また勉強を見てあげようかって言ったら
よりにもよって才加に教えてもらうとか・・・・

やっぱりそうだったんだ・・・

国体の時手を繋いだり、一緒に寝たり
練習に付き合わせたりしたのは迷惑だったのかな

少しでも
私を慕ってくれてるって思ったのは自惚れだったみたい


それでも年が明けて入試が終わるまでは
クラブで会えると思っていたのに
期末が終わったら練習に来いって言われて
年末年始も5日くらいしか無くて・・・

もう後数回しか会えないんだって思ったら
私の事を忘れてほしくなくて
考えた末に少し早いクリスマスプレゼントを渡すことにした

でもにゃんにゃんだけに渡すのは変だから
国体のお礼ということを理由付けする

クラブが休みになる前日に思い切ってにゃんにゃんを呼び出した

なんて言おうかドキドキしながら1人で待つ視聴覚室
外からの音は一切聞こえない

ドアが開いて外の音が漏れてきたから
にゃんにゃんが来たんだってわかり振り返る


「急に呼び出しちゃってごめんね」

「いえ」

「・・・・・・・」

そわそわしてるにゃんにゃん・・・
そりゃー先輩からこんなところに呼び出されたら
誰だってビビるよね(汗)


「明日からクラブ休みになるでしょ」

「はい」

「私テスト終わったら向こうの練習に参加することになったんだ
三年生は学校が休みになるから・・・」

一呼吸おき


「だからにゃんにゃんと会えるのも今日が最後」

「さい・・ご?」

「あ、今年は!って言う意味だよ(汗)」

慌てて否定した
だって三学期に入り入試までは会おうと思えば学校で会えるから

「でさ、国体の時授業休ませちゃったし
なんか色々迷惑かけたから
まだ早いんだけどお礼を兼ねてこれ・・・」

隠してあった紙袋を差し出し

「クリスマスプレゼント」

「え?・・・・」

あきらかに戸惑っていたから


「別に深い意味はないんだよ
ホントにお世話になったからさ
あ、いらなかったら誰かにあげてくれてもいいから(汗)」

一向に受け取る気配がないから
それだけ言って机の上に置き部屋を出ようと立ち上がり
すれ違った時


「待って(汗)」


いきなり腕を掴まれた


「ごめん、迷惑かな(汗)」

「違うんです、凄く嬉しい」


嬉しい?マジかよかった♪
ホッとしていると


「あのう・・・これ・・・」

持っていた可愛いバックから取り出した小さい袋を差し出され

「入試頑張れるように・・
あ、こんなの無くても頑張られると思いますけど
気休めになればなって(汗)」

受取り中を見ると


「うわぁ、可愛い(-∀-`) 」

「お守りです」

「ありがとう首から吊るして肌身離さず持ってる」

「それと・・・明日から・・もう会えないの知らなくて」


なんかへんなにゃんにゃん


「凄く早いですけど・・・つぅっ・・・」

「にゃんにゃん?」


え?泣きそうになってない?


「入試が終わってから・・・行くって聞いてたのでうっ・・
バレンタインの事しか頭になくてっ・・」


今度は大きな袋を手渡された


「バレンタイン?」

「うぅ・・義理じゃないですからぁ〜(泣)」

とうとう泣き出しちゃったんだけど
今義理じゃないって言ったよね?

義理じゃないって事は本命しかないじゃん
うそ、・・・・私大島だよ?秋元じゃないよ(汗)

私が受け取ると今度はにゃんにゃんが部屋を出ていこうとしたから
今度は私が腕を掴み・・・・・・
自分に引き寄せ抱きしめる

くっ・・・ずっとこうしたかったんだ
もう、しても良いんだよね?


「本命って思ってもいいって事?」

「うぅぅ・・・はい」

「私にだけ?」

「優子先輩にしか作りません」

「才加には?」


「皆さんにはクッキーを作って配ろうかなって・・・」


私の勘違いだったってこと?


「マジかぁー・・・だって勉強教えて貰うって」

「それはぁ優子先輩は試験勉強が大変だから
陽菜の勉強見てもらうのは悪いなって思ってぇ」

そんな風に思ってくれてたんだ(涙)

「はぁ・・・・やっぱダメだ」

「いいんです、気持ちを伝えたかっただけで
いつまでも優子先輩は憧れの人ですから・・・
これからも大学で頑張ってください」


にゃんにゃんも勘違いしてるじゃん(汗)


「違うんだ・・・あぁぁ・・・もう」

好きって気持ちが溢れ出てきちゃって
我慢できない!もう良いよね?