「陽菜ちょっときて」

「なんかしたの?」

「すごい顔してたな(汗)」

「写真集の事しか思いつかないんだけど」

「それであの顔はせんやろ」


誕生日まで二日だったから
皆で騙してドッキリでもしてくれるのかなーて安易に思ってた


「入りまーす(бвб)」

「これ本当なの(怒)」


すごい形相で雑誌を見せるマネージャー

そこには


”アイドルの枕営業の実態”

その下に陽菜の名前がでかでかと書かれていた


「どうして・・・・・・」


「本当なのね・・・何て事をしてくれたの(怒)
もうおしまいだわ」


この件は解決したはずなのになんで・・・・


週刊誌の表紙を見ると雑誌名が違った
どこからバレたんだろう

陽菜の名前の他にも数名の名前が書かれていた


「ここに書かれてることは全部本当なの」

「うーん少し違うかな?」


「そうなの!?」

「こんな人数じゃないもん(бвб)」

「あぁぁどうすれば良いの」



頭を抱え込みブツブツ言ってる宇佐美さん


汚いものでも見るように眉間にしわを寄せて
陽菜を見ている平嶋


陽菜だって被害者なんだから
攻められる筋合いは無いし
これが出たら事務所もただじゃすまないはず・・・


「まさかあの二人も・・・・」

「そんなわけ無いでしょあの二人だよ」

「そうね・・・・無いわよね・・・」


それはそれで可愛そうかも(笑)


「これいつ出るの」


「あさってよ」


よりにもよって誕生日に叩かれるとか嫌でしか無いんだけど


「今日引退発表しようか?
そしたら芸能人じゃ無くなるんだから陽菜の名前は出せないよね」


少し考えてるけど他に解決策は無い


「理由はどうするの」

「普通の女の子に戻りたいとか?」

「最悪だわ、写真集はあさって発売
ツアーも予定していたのに違約金すごいことになるわよ」


「陽菜も被害者なのにどうして払わないと行けないの(怒)」


「何が被害者なの、勝手にしてたんでしょ」

「はぁ?あなたの前のマネージャーと社長に聞けば?
もし払わないといけないような事になれば暴露本出すからって
社長にいっておいてよね(怒)」


そう吐き捨て部屋を出る


とりあえず優子にLINE
すぐ既読が付いて電話がかかってきた


(どう言うこと?先輩が強行したって事?)


「週刊誌の名前は違うけど
内容はあの人が知ってら事ばかりだから出所は絶対あの人」


(くそー・・・ごめん)


「謝らないでいつかはこうなる運命だったんだから悔いは無い」


(それって・・・・・)


「今日引退発表することにした」


(早まらないで、なんとか出来ないか
おじさんに相談してみるから)


「ううん、もう良い」


(本当に良いの?)


優子がそばにいてくれたらそれでいい
喉まで出かかった言葉を飲み込む



「ほとぼりが冷めるまで数年は海外で暮らそうと思う」


(そっか・・・・・)


たまには会いに来てよ、そう言おうと思ったのに

(荷物整理しなきゃ、カフェは戻ってくるまで
またおじさんに頑張って貰うとして急がなきゃだね)


「・・・・・一緒に行ってくれるの?」

(当たり前でしょずっとそばにいるって約束したじゃん)

「でもカメラマンの仕事が」

(どこにいても出来る仕事だよ
それに私は風景以外の被写体は陽菜以外を撮るつもりは無いから)

「ゆう・・・・こ・・・(涙)」


(マンションで待ってるから)

「陽菜の方が早く帰れるかもよ(笑)」

(そっか、とりあえずこっち片付けたらすぐ向かう)

「ありがとう(бвб)」

(好きだよ)

「陽菜も」


優子は陽菜のオアシス
イライラした感情があっという間に消えてしまった