「杖を出して机の上に置きなさい」

「・・・・・・・」

「8・・・・・bWハルナ」

「は、はい」

「杖を出しなさい」

「はい」

「・・・・・・まだまだ小さいわね」


魔法で杖を作ると身の丈に合った長さと太さの杖が現れる


「すみません(汗)」

(出動したくないからわざとなんじゃない)

「今言ったの誰
堂々と目の前に来て言いなよ(怒)」

「アツコ落ち着いて(汗)」

「ミナミは学級委員だろ
ちゃんと取り締まれよな(怒)」

(ユウだったら喜んで行くんじゃない)
(実在するの?)
(誰も見たことないんでしょ)


伝説の戦士ユウ

一人で何百という敵を倒すといわれているが

それが男なのか女なのかさえ誰も知らなかった




その日のいつもにもまして調子が悪いハルナ


「bW今日はもういいからbVの荷物を片づけてきて」

「わかりました」


慣れてるとはいえ
何年も共にしていたルームメイトの死はさすがに堪える


「少ない・・・・」


ここで何年も暮らしていても
普段は制服、出動のときは戦闘服

部屋着も全員同じものを支給されるから
私服は数枚で足りる


「はァ‥‥疲れた・・・・」


布団や教科書などを紐でくくるんだけど
勿論手ではしない

魔法を使うのがここでの決まり

それがなかなか上手くできないからすごく疲れる


「お昼過ぎちゃってんじゃん」


時計を見ると二時を過ぎていた

みんなはまだ授業中だから
誰もいない食堂に行って
おにぎりを作り部屋へ持って帰る途中
あまりにも天気が良かったから裏庭で食べることに


「よいしょっ・・・・うん、美味しそう」


ラップを外しかじろうとしたら目の前に人が現れた
・・・・というか降りてきたというほうがあってるかも


フードマントを被った小さな子供?


「何食べてるの?」

「え?」

「それ何?」

「これは・・・・おにぎりだよ」

「おにぎり?それ食べたい」


もう一つあったからどうぞと差し出す


ありがとう!とフードを取り前が少しはだけたその子の姿に驚いた


「大丈夫(汗)」

「なにが?」

「怪我してるんじゃないの」

「怪我?してないよ」


ということは返り血・・・・・


「いただきます♪」


私の隣に腰を下ろしむしゃむしゃ食べだした


「美味しい!こんなおいしい食べ物初めて食べた♪」

「普通のおにぎりだよ」


普段どんなものを食べてるんだろう


あっという間に食べてしまい
その子の目はもう一つのおにぎりにロックオン


「おなかすいてるの?」

「うん、昨日から何も食べてないんだ」


陽菜より明らかにお腹がすいてるだろうし
戦闘にで出てくれていたんだからあげないとだめだよね?


「もう一つどうぞ(бвб)」

「えw!?いいの、お姉さん優しいね」


おねえさん・・・・か
この子はいくつなんだろうそして何度出動しているんだろう
それに比べて陽菜はまだ一度も出動してないというのに・・・


「ごちそうさまでした・・・・クンクン」


ごちそうさまと同時に陽菜の首筋に鼻をつけ匂いをかぎだす


「ちょっと(汗)」


その時


「こんなところにいた」


後ろからする声


「ゲッ」

「戻ってきたらすぐ治療室に来いって
言ってあるでしょ(怒)」

「だっていい匂いがしたんだもん」

「ウロウロした後を誰が掃除して回ると思ってんの(怒)」


女の子を脇に抱え歩いていってしまった


「もう会うことないんだろうな」



何故そう思ったんだろう



「ユッピーが人とかかわるの珍しいじゃん」

「なんかねお母さんみたいな匂いがしたんだ」

「お母さんはこのマリコ様で十分でしょ」

「なんでおっさんがお母さんなんだよ」

「誰がおっさんだって(怒)」

「痛い痛い痛い(;´-∀-)」

「もう人前に出たらダメだからね」

「嫌だ!」

「あら、反抗期?」

「はぁ?いくつだと思ってるんだよ(怒)」




そんな会話がなされていただなんて夢にも思わなかったからかな