授業終わりの休み時間
私を虐めてた人達が近寄って来るから
また何かされるのかと身構える


「特別校舎に行ってらしたのよね」

「そうだけど」

「あちらはどういう作りになっているのかしら」


目をキラキラさせ教えて教えてと
あちらこちらから問い詰めて来る

「校舎の中は新品のように綺麗で
廊下には絨毯が敷かれてあったかな」

「それから?」

「ゆっくり見てる暇がなかったからあまり覚えてない」

「まあ、やっぱり役に立たないわね(怒)行きましょ」


聞いてくれなんて一言も言ってないのに
怒って行ってしまった


「気にしなくてもいいよ
もう優子をいじめることは出来ないんだから」


「そうかな・・・またやられそうだけど」

「いじめたのがルナ様にバレたら会社が倒産だけじゃ済まなくて
日本にいられなくなるかもね」

「・・・・そんなに凄い家柄の人なの?」

「知らないほうが不思議なんだけど」


そういわれても
少し前まで一般人だったんだから仕方ない


「優子ってさ勉強の特待で入ってきたんでしょ?
それまではどんな生活してたの?」

「それは・・・・・ごめんあまり言いたくない」

「そうだよね、友ってそう言うところデリカシーがないよ」

「だって知りたいでしょ」

「またいつか話すから今はごめん」

「智美たちだって仲良くなってまだ日が浅いんだから
何もかも全部話せないよね」

「ごめんね・・・」

「謝らないで、友達なのに言えないとか私が悪いんだから」


両親のことはまだ自分の中で整理されてない
だから暗いところが怖いし
あの時の夢も見ちゃうんだと思う



両親は駆け落ちで山奥へ移住
お母さんはペンネームで仕事をしていたし
顔もメディアには出さない人だったから
知り合いでさえ気づかなかったらしい
唯一顔が見れたのは絵本のサイン会に来た人と
主催者の人だけ

そう言えばルナ様はあの絵本を書いたのが
どうして大島麻衣だって知っていたんだろう・・
本名はどこにも書いてなかったはずなのに



お母さんのお兄さんが交通事故で無くなり
子供もいないことから跡継ぎ問題でお母さんを探し
亡くなっていたと知って
私に行きあたたったというわけ

旧華であっても絶やしたくなかったらしい



授業が終わり寮へ帰ろうとしたら
見たことある人が前から歩いてきた

どこで見たんだろう・・・・

すれ違いかけたとき左腕を捕まれ


『行こ』


それだけ言うとどんどん引っ張られていく


「え、あのう・・・ちょっと離して!」


腕を振り払い


「なんなんですか(怒)」

「優子だめ!その人前田さん(汗)」

「前田さん?」

「麻里子様の妹の前田敦子」


そうか、あの部屋でずっとご飯食べてた人だ


「そのタイの色・・・・一年生だったの?」

『そうだよ同い年』


あの時は溢さないようにか
スカーフを巻いてたからわからなかった
それに一般生だったのか・・・・


「行こってどこへ?」

『決まってるでしょ夕飯食べに行くの』

「夕飯は寮の食堂だよ」

『夕飯はお姉様の部屋で食べるんだよ』

「うそ・・・聞いてないし
呼ばれてないよ」

「お昼戻る時に言い忘れたから連れて来てって言われたの
寮へは特別な妹しか行けないから
あなたは選ばれたんだよ(∵)」

「え、でも私はともちん達と食べるから行かない」

「行かないとダメだって(汗)
そんなことがばれたら私たちが大変なことになっちゃう」


ともちんが絶対に行って!
というから仕方なくついていくことにした