夕飯は無事陽菜様の部屋で四人で食べ
部屋に戻ると珍しく指原さんがいた
「お帰りなさい」
「ただいま」
「大変ですね」
「ほんとだよ(;´-∀-)
そう言えば指原さんて毎日何してるの?」
「私ですか?
私は里英ちゃんと創作品を作ってます」
「創作品?」
「二人は美術部なんです」
「へぇーそうだったんだ」
「昨日が作品の締め切りだったので
やっと落ち着きました」
だから部屋にいるんだ
「大島さんはクラブに入らないんですか?」
「クラブがあるの?知らなかった」
「クラブと言っても入ってるのは特待生の生徒だけで
一般のお嬢様は入ってません」
だよね、ともちん達がクラブの話してるの聞いた事無いし
いつも一緒に寮へ帰って来てたから
行ってたら気づくよね
「運動部とかは・・・無いか(;´-∀-)」
「文科系しかないですね(汗)」
「だよね」
一応お嬢様学校だもんね
「でも、茶道や華道など必要な事は
土曜、日曜に自由参加でありますよ」
「へぇ〜・・・・」
さすがお嬢様学校(;´-∀-)
初めて、お帰り、おやすみ以外の言葉を交わし
一時間くらい話していた
指原さんもいい子で
同室が指原さんで良かったって思った
「今度里英ちゃんをお部屋に招待してもいいですか?」
「招待とか大袈裟
全然遊びに来てくれていいよ」
「一度大島さんとお話ししたいって
言ってたから悦びます」
お父さんお母さん、私にまた友達が出来そうです
それも二人(-∀-`)
「指原さんはどこから来たんですか?」
「私は大分県です」
「わぁ、結構遠くから(;´-∀-)」
「お父様がここ以外はダメだって
もし入れなければ結婚させるって言うから
頑張って勉強と美術の腕を磨いて特待生枠で入ったんです」
「結婚て・・・16歳で?(;´-∀-)」
「私には兄がいるので後継ぎはいらないから
会社の為になるところへ嫁がせようと必死で・・・
中小企業の辛い所です(涙)」
私のお母さんもそうだったのかな・・・
だから駆け落ちなんて・・・
「こうしてる間も着々と進んでるのかもしれません」
「酷い」
「それが私の運命なので諦めてますが
この三年間だけでも好きな事がしたい」
好きな事と言っても
この閉ざされた空間で楽しいんだろうか
「ここってさ携帯はあっても電波が無いでしょ」
「下界との連絡は絶たれてますね」
「テレビもないから今何が流行ってるのか
何が起きてるのかもわからない」
「先生方の部屋にしかテレビはありませんね
電話線も理事長の部屋にしか無いと聞いてます」
そうだよね、私達は三年間我慢すればいいけど
先生達は違うからテレビでも無きゃ
やっていけないか(;´-∀-)
「大島さんはどちらから?」
「私は・・・栃木に住んでたんだけど
今の家は東京かな」
「なんか複雑なんですね」
「色々あってさ、まあ今年一年よろしく」
「こちらこそよろしくお願いします」
敬語なんて使わなくていいよって言ってるのに
もう少し慣れるまでは、と言って聞かないから
好きにさせておいた
「あぁー泣かしちゃった(∵)」
「こら、敦子(汗)」
「どうでもいいけど早く食べようよ
そこで立ってる人が持ってる料理冷めちゃうじゃん」
「ですよね、他の方が入りづらいのなら
あちらの方へ移動しませんか?」
入口から一番遠い場所を指さす由紀様
「そうだな、その方がみんな入りやすいだろうし
それでいいよな大島!」
頷けって目で圧をかけてくる才加様
仕方なく
「はい、あちらだったらみんなの迷惑にもならないし
一緒に食べましょう」
「優ちゃん一緒に食べてくれるの?」
「はい(-∀-`) 」
「ニャロ良かったじゃん(*`ω´) 」
「うん、これからも一緒に食べようね」
頷くしかないじゃんかぁ〜(。-∀-)
「はい」
「皆さんお騒がせしました
どうぞ入って来てランチを楽しんでくださいませ」
由紀様が笑顔でみんなを促すと
ゾロゾロと中へ入って来て
いつものように・・・とは言えないけど
賑わいが戻った
「お待たせいたしました
お口に合うかわかりませんが
どうぞお楽しみください(汗)」
女子高だから勿論男子は入れない
特別校舎が特別なだけで
ここの一般校舎には男性の執事は入れないから
いつもの料理スタッフが運んで来るんだけど
凄い緊張してるのがわかった
「ねえねえ、これ前菜なのにお肉入ってるよ(бвб) 」
「ここでは一品ずつじゃなくて
全部同時に用意されてるので
好きな順番に食べて下さい(;´-∀-)」
「そうなの?こんなの初めて(бвб)」
不味いって怒り出さないか
心配しながら見ていると
「変わった味だね・・・
初めて食べたかも・・・面白い(бвб) 」
楽しんで食べてくれて一安心
他の先輩方は無言で食べている中
「敦子もこれ食べてたの?」
「始めの数日だけかな
でもこんなんじゃ足りないから
特別に別のものも作って貰ってたんだけど
なんか物足りなくてさ
麻里子が妹に選んでくれて助かったよ」
「だよね、足りてないと思った(笑)」
流石学年一の財閥の娘
私は編入だから知らなくて当たり前か
「毎日ここで食べるのか?」
「優ちゃんがここが良いって言ってるんだから
ここで食べる」
「大島」
目で殺される(;´-∀-)
「あ・・・やっぱり明日からは
あの部屋で食べたいかな〜アハッ(;´-∀-)」
「むぅ・・・優ちゃんわがまま」
「ごめんなさい(;´-∀-)」
「でもいいよ、陽菜もいつもの方が落ちつくし」
ホッとしてる三人
黙々食べてる前田さん
やっぱりこの呪縛から私は逃れなれないんだろうか