「優ちゃんの匂いだ」


あの日言わなかったら
今でも昔のようにふざけあえてたのかな


でもあの時は優ちゃんも同じ気持ちだと思ってた

だって小さな頃からずっと一緒だったし
なんなら優ちゃんのほうが積極的にひっついてきてたし

好き!なんて挨拶のように言ってたし

誰だって好かれてるって思うでしょ

だからなかなか煮え切らない優ちゃんの代わりに
中学卒業記念に陽菜のほうから告白したのに


「ごめん・・・・・
にゃんにゃんの事は幼馴染としか思えない」


「・・・・・なーんてね、エープリルフールに先駆けて
嘘ついてみただけだから気にしないで(бвб)」


そう言って別れたからなんだか決まりが悪く自分から会いに行けなくて
優ちゃんも全然遊びに来なかった

フラれてもやっぱり好きなわけで・・・
また友達として・・・ただの幼馴染として始めようって
ちゃんと切り替えて会おうとしたのに・・・・・




後から知ったのは
次の日にはもう優ちゃんは隣にいなかったって事





「ママ」

「なーに」

「最近優ちゃんとあった?」

「優子ちゃんに会うわけ無いでしょ」

「どうして?」

「・・・・・あなた知らなかったの?」

「なにが?」

「大島さんの所離婚して優子ちゃんはお父さんの方についていったの
だから隣には奥さんと長男の優司君しか住んでないのよ」

「うそ・・・・聞いてない!
どうして言ってくれなかったの」

「あなた達仲良かったでしょ
てっきり優子ちゃんから聞いてると思ってたから」

「どこへ行ったか聞いてる?」

「ご主人の実家に行ったって聞いたけど
どことは聞いてないわね」



そっかただの幼馴染だから言う必要は無かったってことか

でも・・・


LINEをするも一時間経っても既読がつかず

仕方なく電話をかけると使われていないというアナウンス


「酷いよ優ちゃん(涙)」


その日ご飯も食べず泣きあかした


そして高校二年の時、陽菜に彼氏が出来た