「陽菜ちゃんよろしく」


どうして隣に来るかな


「俺人数合わせで来てるだけだから
優子には内緒ね」


肩を寄せてきて耳元でそうささやく秋元さん


「私も人数合わせですから」


何故かムキになって言い返す


「そうなんだ・・・
人数合わせ同士仲良くしようぜ♪」


そう言いながら肩に手をおいてくるから気持ち悪い


全員揃ったからアルコールと料理を頼み乾杯

食べるだけ食べて早く帰ろう

そう思ってた





「俺が家近いから送って行く」

「お前ずるいぞ、俺もそっち方面だから
俺が送る」


なんか騒いでる男性陣


陽菜はと言うと・・・


「小嶋さん大丈夫?」

「う・・・・ん・・・」


少し飲み過ぎたみたい
まだ電車はあるけどタクシーで帰ろう・・・・
無駄な出費だから明日から節約しなきゃ
そんな事を考えていた


ペアになった人たちはいつの間にか消えていて
後は解散


地下鉄の階段を下りていく同僚を見送り
タクシーを拾う


「〇〇まで・・・・え、ちょっと(汗)」

「俺も優子の所へ行くから乗せてって」


今から優ちゃんの部屋へ行って何するの!
とか思ったけど断る理由が見つからないし
タクシー代を出してくれるって言うから相乗り


「陽菜ちゃんてさ優子とどういう関係?」

「聞いてないんですか?」

「いくら聞いても同級生だったってしか
教えてくれないんだよね」


そっか・・・やっぱり陽菜はただの同級生だったんだね

でも眠い・・・タクシーの揺れもあると思うんだけど
一気に眠気が襲ってきて自然とまぶたが落ちてしまった


「着いたよ」


もうお金も払い終わっていたのか
そのまま降りてマンションの中へ


「おやすみなさい」


エレベーターに乗り込み陽菜の方が下の階だから
先に降りようとしたら


「危ないから送る」

「すぐそこなので大丈夫です」

「いいって、遠慮しないで」


強引に降りてきてついてくる


どうしよう・・・

ここからは陽菜部屋は見えない
でも角を曲がったら二軒目が陽菜の部屋だ


「本当にここでいいですから」

「いいじゃんお茶ぐらい出してよ♪
ほら部屋何処行こうぜ」


そう言って肩を抱いてきた


「やめてください!」

「そんな大きな声出したら近所迷惑だぜ
優子繋がりで仲良くしよう」

「やだ!」

「誰繋がりだって・・・・」


そう言って曲がった角の壁にもたれて居たのは


「優ちゃん(бвб) 」

「ゲッ・・・・」

「何してるのかなさ・や・か」

「いや・・・たまたま外で会ってさ
酔っててもし何かあったら危ないだろ
優子の友達だし送って来てあげたんだよ
なあ陽菜ちゃん(汗)」

「ふーん・・・で
陽菜はこんな遅くまでどこへ行ってたの」

「ど、どこでもいいでしょ
優ちゃんこそここで何してるの」

「おばさんがいくら電話しても出ないって
心配だから見てきて欲しいって連絡が来たんだ
電話しても出ないからここで待ってたの」


ママに言われたから待ってたのか・・・


もしかしたら心配してきてくれたのかと思っちゃったじゃん


「丁度よかった優子の所へ来たんだ行こうぜ」

「明日早いから今日は帰って」

「なんだよ、せっかく来てやったのに(怒)」

「来てなんて頼んでないし(怒)」

「チェッ飲みなおしに行くわ」


怒りながら帰って行った秋元さん


「・・・・・・」

「早く部屋へ入ったら」

「言われなくても入るし」

「おばさんにちゃんと連絡するんだよ」

「わかってる・・・・もういい?」

「ん、おやすみ」

「おやすみ・・・・」


ホントは会えてうれしかったし
助けてくれたからありがとうと言いたかった

そして肩を抱かれた姿を見られたくはなかった・・・


一気に酔いがさめ

合コンに行った後悔が押し寄せ
その日は朝方まで寝付けなかった