運命とは皮肉なものでもう会いたくないと思っていると
そう言う仕事が来る

「大島、来週の水曜日から雑誌の撮影でグアムへ行くから
パスポート用意しとけよ」

「誰の撮影ですか?」

「聞いて驚くな、あの小嶋陽菜だぞ♪」

うそでしょ・・・・

「泊りだし海外だし上手く行ったらやれるかもな(笑)」

最低だ・・・男はみんなこうなの?

「お前もいい男居たら遊んでもいいぞアバンチュールだ♪」

遊ぶわけないじゃん・・・
二年以上も助手をしていて本性を見破れなかった
私ってまだまだだな・・・・




グアムに到着しもう一人の助手の男の子と機材を運んでセットしていると

「おはよう(бвб)」

「お、おはようございます♪」

「おはようございます・・・」

「今日はよろしくね(бвб)」

「こちらこそよろしくお願いします♪」

男はみんなこの嘘の笑顔にやられるんだろうか・・・

こんなの本当の陽菜の笑顔じゃないのに・・・

「あ、小嶋さんおはようございます
どうされたんですかまだ早いですよ」

「散歩がてら撮影現場を見に来たの」

「さすが小嶋さんプロですねー」

見え透いたおべんちゃらに吐き気がする・・・

この人のもとにいたら夢はかなわないだろう・・・

でも辞めることはまだ出来ないもう少し我慢しないと・・・

撮影はスムーズに進み予定してた時間より早く終わった

「小嶋さん今日食事一緒にどうですか」

「みんなと?」

「いえ、おしゃれな店見つけたので二人でどうかなと?」

「ごめんなさい今日は先約があって」

「そ、そうでしたか、では日本に帰ってからお誘いしても・・・・」

「予定が合えばですね」


機材を片付けながら会話に耳を傾ける
先約か・・・・私には関係ない事だけどね



部屋に戻りまだ明るいからひと泳ぎしようと
水着に着替えバルコニーから目の前の海を見ると
砂浜をはだしで歩く天使がいた

ラッシュガードを羽織りカメラを持ち部屋を飛び出す

「あっ・・・」

あまりにも焦り過ぎて鍵を中に置いたまま出てきてしまった・・・

そんな事は後でいい今は早く行って写真を取らなきゃ帰っちゃう(汗)

少し離れたところからシャッターを何百回ときる
日が落ちてきて夕陽が背景を彩
その景色に魅入られるように我を忘れて撮っていた

どんどん近づいてくる天使に気づきもしないで・・・・

「え?」

「捕まえた」

「小嶋さん?」

「無断で撮っちゃダメでしょ」

「こ、これは・・・・」

「来て」

腕を引っ張られ連れてこられた部屋

「あのう・・・・」

そこは私の部屋の倍以上はある広さの部屋で
真ん中にはキングサイズのベットが・・・・

「勝手にとった罰、そこで裸になって」

「なんでそんなことしないといけないんですか
上司に言いつければいいじゃないですか(汗)」

「写真全部消してもいいの?」

「そ、それは・・・・くっ」

仕方なく水着を脱ぎ裸になる

「あれから誰かと寝た?」

「そんな事なんであなたに言わないといけないんですか(怒)」

「優子は陽菜の物だからだよ」

「私は誰のものでもない!私は私の物だ!」

「違うよ、昔っから陽菜だけのものだった」

「ちがっ・・・」

「優子は陽菜の事好きでしょ?」

「それは昔の話です」

「じゃーなんで写真撮ったの」

「それは・・・・」

「ベッドに寝て足を広げて」

「っ・・・いやだ!」

「優子に断る権利はないんだよ」

「なんで・・・なんで小嶋さんは私に意地悪するの
私小嶋さんになんかした?
気にくわないことがあるなら言ってよ謝るから」

「言う義務はないし言うつもりもない」

「もう、なんなの(涙)」

あの日の夜だけでもう二度とそう言う事にはならないと思っていたのに

その日の夜また陽菜に抱かれた

あの日と違っていたのは陽菜に触れられキスされたとき
あの日の快感を体が覚えていて私の体が陽菜を求めた事だった

例え嫌われていたとしても心が陽菜を求めている事に気づき
これからどうして行っていいのかわからず
誰にも相談できない私は同じ場所でぐるぐる回っているだけだった