なんとか三年生に進級できた

留年したらマジやめようと思ってたから
良かったのか悪かったのかわかんないんだけどね


「陽菜おはよう」

「あ、みーちゃんおはよう」

「クラス一緒になったらいいね」

「そうだね」

そう、この学校で初めて陽菜に友だちができた
二年生の時同じクラスだった峯岸みなみちゃん

あの雨事件からクラスの人とはなんとなく打ち解け
変な噂も無くなりお弁当も一緒に食べるようになった

その中でも一番話かけてくれたのがみーちゃんだった


張り出されたクラス表

「・・・・うそ・・・・」

「ヤッターまた同じクラスだ、ん?どうしたの?」

「大島優子・・・」

「ホントだ同じクラスだね、
そう言えば陽菜付き合ってるって噂あったんだっけ?」

「付き合ってないよ、からかわれてただけ」

「そっかー、生徒会長で真面目そうなのにそんなことするんだね」

「真面目か・・・」

さよならした日から一切関わりがなくなった
廊下ですれ違っても目も合わせないからこっちも合わさないようにした

もう二度と関わることもないと思っていたのに
なんで同じクラスに・・・そりゃ〜なる確率もあるけどさ

教室に入ると大島さんはもう来ていたけど挨拶なんてしないもんね

「席は・・・・」

初めは廊下側から出席番号順

みーちゃんは峯岸だから離れちゃうんだけど

「なんで?(汗)」

いきなり大島さんと隣

カ行の名前多すぎじゃん(怒)

はぁ・・・憂鬱だなぁー・・・

更に追い打ちをかけるかのように



「日直は前から席が隣同士の人とやってもらう
最後まで行ってから席替えをします」


最悪じゃん・・・どうしたら良いの?
その日休む?

そんなことをあれこれ考えていると

「よろしくね小嶋さん」

あきらかに作り笑顔で話しかけてくる大島さん

「よ、よろしく・・・」

こっちも挨拶してるのに言い終わる前に前を向いた
気分悪すぎ(怒)


「陽菜帰ろ」

「あ、うん」

今日は午前中で終わり

「今日もバイト?」

「うん、毎日だから」

仲良くなって話すうちに家の事情も全部理解してくれて
協力してくれてるみーちゃん

寝てる時はノートを見せてくれたり
運動が得意だから体育の時何かと助けてくれるようになっていた

で、たまにクレープとか奢ってくれる優しいみーちゃん

駅までの道

「大島さんと日直だね」

「そうなんだよね、なんか気まずくて(汗)」

「優等生なんだから全部やってもらえばいいじゃん
陽菜は見てるだけとか(笑)」

「それはいくらなんでも悪いよ(汗)」

「そういうとこ真面目だよね(笑)」

「ほかも真面目で〜す(笑)」


駅でバイバイしてバイトへ向かう
今日はお昼の賄いが出るから楽しみ(бвб)


ただ、ホテルのバイトだけは誰にも言ってない
あまり知られたくないから
これはあっちゃんも知らない
ただ別の時給のいいバイトとだけしか言ってないから

学校にバレたらヤバイもん

今日はそのバイトもあるから大変

「小嶋さん?」

名前を呼ばれ振り返る

「やっぱり小嶋さんだ、私の事覚えてる?」

何処かで見たことあるような・・・
こんなきれいな人そうそういないから忘れるわけないんだけど・・

「大島優子の姉です」

「あぁー(бвб)」

「今日は早いんだね」

「始業式だけですから」

「そっか、今日から三年生なんだ
優子とはその後うまくいってる?」

「いえ・・・あの日に別れました」

「うそ・・・なんで」

「さぁ?」

「もしかして優子からなの?」

「そうですね、すみません私急いでるので失礼します」

もうその話はしたくなかった
だって理由は私にもわからないし
それに・・・


一礼してその場を後にした