それから少しして特訓が始まった

元々運動神経は良いほうで
スポーツは一通り出来ていたけど喧嘩はしたこと無い

だから昼休みとか放課後、身の守り方や
喧嘩の仕方を習っている


「優子アザ増えてるよ(ΘωΘ)」


体操服に着替えているとみーちゃんに言われた


「そうなんだよね、みんな容赦ないからさ
大島さんの体ボロボロだよ(泣)」

「親が見たらいじめられてるとか思うんじゃない」

「あぁ・・・・うち親いないから」

「あ・・・なんかごめん(汗)」

「いいって気にしてないから」

「じゃー今一人暮らしなの?」

「そうだよ(-∀-`)」

「早く言ってよ〜泊まりに行ってあげたのに」

「そうなの?じゃー今週来る」

「行くいく(ΘωΘ)」


キング候補になってからクラブはやめたから
土日暇だったんだよね
一日中1人だとやっぱり寂しいわけで・・・・

みーちゃんのお泊りはありがたかった


放課後


「今日はごきげんですねキング」

「そう見えますか(-∀-`)」

「はい、何かありましたか」

「ふふふ、週末友達が泊まりに来るんです」

「お友だち・・・・」

「あ、女ですよいつも私といるみーちゃんが泊まりに来るから嬉しくて♪」

「新聞部の峯岸・・・・・・キングは確か今一人暮らしでしたよね」

「はい(-∀-`)」

「・・・・・・・・」


少し困った顔をして何やら考え込んでる陽菜さん


「わかりました明日泊まりに行きます」

「・・・・誰が?」

「私がです」

「なんで?(汗)」


「仮にもキングとクイーンは恋人同士なんです
恋人が泊まる前に他の人と二人っきりで泊まるなんてあってはいけません」

「いやいや、みーちゃんは友達だし変なことなんて起きないですから(汗)」

「他校の奴らにキングとクイーンは不仲だ、なんて思われたら
また喧嘩の火種になりかねません・・・・・」

「麻里子さんまで(汗)」

「そうですね、それでなくても恋人らしくないのに・・・・」

「うっ・・・・・(汗)」


確かにそうだけどさ
背も私のほうが低いし品だって陽菜さんのほうがあるし・・・
誰が見たって不釣り合いだよね・・・・


「板野、口を慎みなさい(бвб)」

「はーい・・・・・」




次の日


「私はここで」

「ありがとう麻里子」


いつものように玄関先まで送ってくれた・・・

ただいつもと違うのは麻里子さんが1人で帰って行ったこと

「お邪魔します・・・・綺麗にされてるんですね」

「は、はぁ・・・・(汗)」

「結構広い」

「みんなで住んでたマンションなので」


まだ両親が生きてた頃から住んでたマンション
二人で住むには広すぎだったけど
ローンも払わなくて良くなったし
引っ越すとまたお金がかかるからそのまま住んでいた

もしお姉ちゃんがここへ帰ってこないのなら・・・・
帰ってきてほしいけどお姉ちゃんにはお姉ちゃんの人生があるから
好きな人が出来たのなら幸せになってほしい

そうなったら1人で住むには広すぎるから引っ越さなきゃ
なーんてね、まだ帰ってこないと決まったわけじゃないか


「キング?」

「あ、えーとみんなの前以外はキングとクイーン呼びやめませんか」

「キングが良いのなら私は構いませんが」

「それと、年上から敬語で話されるとなんかコショバくて(汗)」

「良いんですか?」

「はい(-∀-`)」

「わかった、優子ご飯どうする」

「変わり身はや(笑)」

「優子も敬語じゃなくていいよだって恋人同士なんだから」

「それはキングとクイーンの立場上でしょ(汗)」

「立場上だけで優希さんがあんなところまで
追いかけていくわけ無いでしょ」

「確かに・・・(笑)」


私とのことを言ったつもりなんだけどね(;´-∀-)


「ご飯は私が作りますから
陽菜さんはそのへんに座ってテレビでも見ててください」

「作れるの?」

「お姉ちゃんが居た時も最後の半年間炊事は私の仕事でしたから(-∀-`)」

「じゃーそうさせてもらおうかな」


そう言ってリモコンを手にしてテレビをつける陽菜さん


さーてとぱぱっと作りましょうか


大体一週間分の材料をを週末に買い込んでおいて
作るんだけど
泊まりに来るって言うから昨日慌てて買い足した
で、夜のうちに仕込みもしておいたんだ(-∀-`)



「ん・・・・・いい匂い(бвб)」

「うわっ(汗)びっくりした」


いきなり後ろから耳元で囁かれびっくりしてお玉を落としそうになった


「急に現れないでくださいよ(汗)」

「人の気配に敏感になるのも訓練だよ」

「はい・・・・」


はぁ・・・・・やっぱり何処に居ても訓練か


「もうすぐ出来ますからその食器棚から小皿とグラス
出しておいてもらえますか」

「わかった」




「うわー凄ーい、いただきます(бвб)」

「どうぞ(-∀-`)」


食べるのをじっと見つめる


「ん(бвб)美味しい♪」

「ふぅ・・・・良かった(-∀-`)」


それを確認してから自分も食べだす


「毎日こんなの食べてるの?」

「今日は特別です
お姉ちゃんが居た頃は週に二度ほど頑張ってましたけど(笑)
1人だとどうしても手抜きになっちゃって(汗)」

「毎日食べに来てあげようか?」

「それはヤメて下さいお金なくなっちゃいますから(汗)」


親の保険金と遺族年金で暮らしてるから
贅沢はできない
バイトしようかとも思ったけど姉ちゃんが許してくれなかった

「そっか・・・うん、そうだよね」

1人で納得して解決するのは陽菜さんの癖


「ご馳走様でした(бвб)」

「あ、片付けは良いですからお風呂入ってきて下さい」

「はーい」


学校では決して見られないふわふわした陽菜さん
家でもこうなんだろうな(-∀-`)


「ん?」


首を傾げなに?て顔をする


「な、なんでもないです(汗)
あ、寝る所はお姉ちゃんの部屋でもいいですか?
先代キングの部屋ですからレアですよ(笑)」

「なんで?」

「え、なんで?てなに?」

「何で別々に寝るの?意味わかんない」

「意味分かんないって・・・・・・
いや、そっちこそ意味分かんないですよ(汗)」

「恋人同士が別々の部屋とかおかしくない?」

「だから仮でしょ(汗)」

「優子はそう思ってるんだ・・・・・
わかった優希さんの部屋で優希さんの匂いに包まれながら寝る」


お姉ちゃんの匂いに包まれて・・・・・

なんか・・・・・ヤダ


「やっぱり私がお姉ちゃんの部屋で寝るので
陽菜さんは私のベットで寝て下さい」

「ダメ、キングに部屋を替わらせるなんて出来ないから
優希さんの部屋で寝る」

「そうですか・・・・」


着替えを持ちバスルームへ入って行く陽菜さんの後ろ姿をボーと眺めていた