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キングとクイーン 10

食事を終え汚れた所だけ濡れタオルで拭きベッドに横になる


陽菜さん・・・・後遺症って事かな

そう言えば私を送らない日って力を使った時だ
それも沢山・・・

そうだよ、何で気が付かなかったんだろう

いつも私のせいじゃん私を守るために使ってくれてるのに
私はなんにも出来ない

恋人なのに
陽菜さんの事何も知らないし
駆けつけようにも住んでるところさえ知らない

そんなので恋人って言える?
私はキングなんだから私が守らなきゃいけないのに


「もしもし・・・・クイーンの家教えて」

(今は麻里子さんの家にいると思います)

「じゃー麻里子の家教えて」


もう敬語では話さない、だってキングなんだから


(麻里子に聞いてから・・)

「キングの言うことが聞けないのか(怒)」

(わかりました・・・・)


住所を聞き終えると


(危ないのでお供しますから家に居て下さい)

「急いでるから無理」

(キング(汗)・・・・)


電話を切り着替えて部屋を出た

スマホで地図を調べ自転車をこぐ
夕飯を食べてから痛み止めを飲んだ
だから痛みは今のところ無いにひとしい


「ふぅ・・・・ここか」

「キング(汗)」

「柏木・・・・どうしてここに」

「板野から連絡を受け急いで来て待ってました」

「自転車だから大丈夫なのに」

「もしもの時のために人数は多いほうがいいので」

「・・・・そんなに大変なの?」

「・・・・・・・行きましょう」


入り口のインターホンを押し


「柏木ですキングと一緒です」


答えは無くドアが開いた

柏木さんの後をついていき部屋の前で止まる


「どうぞ」


部屋のインターホンを押すと鍵の音がして
ドアがゆっくり開く


「・・・・・・覚悟が出来ていないならこのまま帰って下さい」

「どんな覚悟かもわからないし
理由を聞かないと帰れない」


中からドアを叩く音と誰かが叫ぶ声が聞こえてくる


「もしかして・・・あれは」

「そうです陽菜です」

「どういう事?ちゃんと説明して」

「どうぞ入って下さい・・・・・柏木はもういいから」

「でも・・・・」

「だんだん弱ってきてるからもうすぐ終わる」

「わかりました失礼します」


そう言うとあっという間に・・・・・・消えた


「弱ってきてるってどういう事?」


廊下を歩いているとおそらくトイレだろう
そこから音と叫び声がする

開けようとすると


「ダメです!」


手を叩かれ遮られた


「何で閉じ込めてるの?だから暴れてるんでしょ」

「陽菜は力を使いすぎると暴走してしまうんです
それを唯一止めれたのが優希さんだけでした」

「お姉ちゃんが?」

「苦しそうにしだし髪はピンクに顔も誰だかわからないほどになってしまい
誰彼関係なしに頭を覗くようになりそれも不の思考ばかりを取り込んでしまい
最後には壊れてしまうんです」

「だから1人で閉じ込めてるの?」

「そうです、そうすれば暴れはしますけど壊れてしまわないから・・・」

「壊れたらどうなるの?」

「廃人みたいに食事も出来なくなり何も出来ない・・・・・
それが一週間続くんです」

「お姉ちゃんはどうやって止めてたの」

「それは・・・・・」

「私にも出来るかもしれないでしょ教えて」

「自分の頭の中をわざと覗かせ
おそらく愛を見せていたんだと思います」

「でもお姉ちゃんは先代クイーンを」

「一番は先代ですが優希さんは私達みんなの事を
本当に愛してくれていました
その中でも特に陽菜を可愛がっていたから・・・
今のキングにそんな事ができますか?
不の思いを無くし愛だけを与えられますか?」

「私だって陽菜のこと」

「絶対に無理です!私でさえ無理だったんだから!」

「まり・・・・こ?」

「っ・・・・今の発言は忘れて下さい・・・
声がやんだのでもう大丈夫ですが
今日は1時間以上かかってるので相当弱ってると思います
そんな姿キングには見せたくないと思うのでもうお帰り下さい」

「なんで?私は陽菜の恋人だよ」

「まだ、ちゃんとした恋人ではありませんよね!」

「それはどういう意味?」

「陽菜の事を軽視しているあなたに
恋人を名乗る資格はありませんお帰り下さい」

「そんな事・・・・・」

「無いっていい切れますか?
今日だってあなたのせいで陽菜は・・・・・
もう少し陽菜のことを考えてあげて下さい
分かってあげて下さい
それがキングの役目です」


涙ながらに怒る麻里子に今の私ではかなわないと思った
今陽菜を一番愛してるのはきっと麻里子だ

その麻里子が止められないのなら今の私には止められない

今の私には・・・
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