陽菜

次の日の朝四人で集まりパソコンや携帯で調べてみたら
色々分かった事があった

ドナーへの助成金がある事
支援基金が沢山ある事
高額医療用制度があってかなり返ってくる事

「一度払わないといけないけどほとんど返ってくるじゃん」

「だな、優子はちゃんと調べてなかったのかな」

「あいつ諦めてたからな・・・・」

「佐江と才加で立て替えれるよな」

「俺一人でいいよ、佐江は結婚資金とか必要だろ」

「そうだけど、少しきりつめれば・・・」

「いいって、一人の方が返してもらうときややこしくないし」

「でも・・・優子ちゃん大人しく出させてくれるかしら」

「陽菜が絶対に受けさせるから・・・
秋元先生お願いします」

そう言って頭を下げると

「小嶋が先生って言ったよ・・・(汗)
これなんか裏があるな・・・うん、俺は騙されないぞ(汗)」

「才加煩い(怒)」

「うん、うん、それでこそ小嶋だ」

「・・・そう言ってもだな、佐江達だって
今まで説得してきたけどダメだったんだぞ」

でも、昨日優ちゃん死にたくないって言ってたもん
・・・・たぶん、夢じゃないならだけど・・・

それから早い昼食をとって病院に行った

病室に入ろうとすると

「だからもういいって言ってるでしょ(怒)」

「ゆっぴーは本当にそれでいいの?死んじゃうんだよ
それに今なら悲しんでくれる人いるじゃん
その子を悲しませていいの?置いて行ってもいいの?」

「大丈夫だよ、今はまだ私に好きな人がいると思ってるから
片想いのままの方がショックは少ないでしょ」

え?どういう事?片想いって陽菜の事だよね
今の言い方だと好きな人がいるって・・・え?どういう事?

必死に考えていると
誰かが頭をポンポンと撫でてくれていて
横を見ると佐江ちゃんが優しく微笑んでいて
手を離すとベットの方へ歩いて行きカーテンを開ける

「優子!」

「ッ・・・佐江」

視線は陽菜達にたどり着き目をそらす優ちゃん

「なんで悲しむ人がいないだなんて思うの
佐江達が悲しまないとでも思ってた?」

「それは・・・佐江は従兄ってだけで・・・
二人はその友達ってだけで・・・」

「佐江は優子の事を本当の妹のように接してきたよ
妹が死んで悲しまないお兄ちゃんなんていないだろ」

「佐江ちゃんの妹は私の妹になるんだから由紀も悲しいよ」

「お、お、俺は初めて会った時から優子を
優子の事を・・・たとえ優子にその気がないとしてもだ
俺は優子が好きなんだから悲しいに決まってるだろ(汗)」

「それに今じゃ両想いの可愛い子がいるじゃんか(笑)
本人は気が付いてないみたいだけど
回りから見たら優子の気持ちだだ漏れだったぜ(笑)」

「うそ・・・陽菜だけ知らなかったって事?」

「そう言う事だな(笑)」

「小嶋さん考えてみて
好きでもない相手と二人きりでクリスマスを過ごしたり
病気なのに家に呼んだりしないわよ」

「優ちゃん、そうなの?
優ちゃんの好きな人って陽菜だったの?」

優ちゃんは陽菜の顔を見ようとせず俯いたままだった