陽菜
急に冷たくなった優ちゃんに体が動かなくて
呆然としていると誰かの手が肩に添えられ
「小嶋さん帰りましょう」
両肩を支えられ立たされた
「優ちゃん・・・」
何の反応も示さない優ちゃんにまた明日と言って病室を出た
「陽菜の荷物・・・」
「今日はもう遅いから明日にでも取に行けばいい」
佐江ちゃんにそう言われ頷き廊下を歩いていると
「ニャロ帰るんだ」
先生が違う病室から出てきて話しかけて来た
「帰れって言われたから・・・
そう言えばさっき何か言いかけてましたよね?
こつ、って骨髄移植の事ですか?」
「そうだとしたら?」
「ドナーいてるんですか?」
「さぁどうでしょ」
「そうなのか?佐江聞いてないぞ(怒)」
「医者にはね守秘義務って言うのがあって
患者さんが言って欲しくないことは言えないんだよ」
「でも、家族には(汗)」
「佐江は親戚で家族じゃないからね」
「そんなの関係ないじゃん(бвб) 」
「・・・・・そう言えば昔ドナーが見つかったのに
お金ないし面倒見る親もいないし兄妹もいないから
このままでいいって言ってきた人いたなー」
「・・・・・・・(бвб) 」
「ニャロ知ってる?今いろんな支援制度があるから
お金がなくても助かる命沢山あるんだけど
本人に生きる気力?生きたいっていう気持ちがないと
医者なんてどうすることも出来ないんだよ
悔しいよね」
「でも好きな人いるって・・・
その人と両想いになれたら生きる意味あるんじゃ」
「そうだね・・・実はもう両想いだったりして(*`ω´) 」
え?先生優ちゃんの好きな人知ってるの?
「知ってるんだったら言ってあげたら考え直すかもしれないじゃん(怒)」
「ゆっぴーは知ってるよ」
「うそ・・・」
なのに陽菜と遊んでくれてたの?
「陽菜が邪魔をしてたって事?」
「それは違うと思うけどね・・・
自分の耳で聞いてみたらいいよ(*`ω´) 」
陽菜の頭をワシャワシャ撫でて
「じゃーまた明日ね」
長い廊下を歩いて行った