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アンブレラ  39

陽菜

急に冷たくなった優ちゃんに体が動かなくて
呆然としていると誰かの手が肩に添えられ

「小嶋さん帰りましょう」

両肩を支えられ立たされた

「優ちゃん・・・」

何の反応も示さない優ちゃんにまた明日と言って病室を出た

「陽菜の荷物・・・」

「今日はもう遅いから明日にでも取に行けばいい」

佐江ちゃんにそう言われ頷き廊下を歩いていると

「ニャロ帰るんだ」

先生が違う病室から出てきて話しかけて来た

「帰れって言われたから・・・
そう言えばさっき何か言いかけてましたよね?
こつ、って骨髄移植の事ですか?」

「そうだとしたら?」

「ドナーいてるんですか?」

「さぁどうでしょ」

「そうなのか?佐江聞いてないぞ(怒)」

「医者にはね守秘義務って言うのがあって
患者さんが言って欲しくないことは言えないんだよ」

「でも、家族には(汗)」

「佐江は親戚で家族じゃないからね」

「そんなの関係ないじゃん(бвб) 」

「・・・・・そう言えば昔ドナーが見つかったのに
お金ないし面倒見る親もいないし兄妹もいないから
このままでいいって言ってきた人いたなー」

「・・・・・・・(бвб) 」

「ニャロ知ってる?今いろんな支援制度があるから
お金がなくても助かる命沢山あるんだけど
本人に生きる気力?生きたいっていう気持ちがないと
医者なんてどうすることも出来ないんだよ
悔しいよね」

「でも好きな人いるって・・・
その人と両想いになれたら生きる意味あるんじゃ」

「そうだね・・・実はもう両想いだったりして(*`ω´) 」

え?先生優ちゃんの好きな人知ってるの?

「知ってるんだったら言ってあげたら考え直すかもしれないじゃん(怒)」

「ゆっぴーは知ってるよ」

「うそ・・・」

なのに陽菜と遊んでくれてたの?

「陽菜が邪魔をしてたって事?」

「それは違うと思うけどね・・・
自分の耳で聞いてみたらいいよ(*`ω´) 」

陽菜の頭をワシャワシャ撫でて

「じゃーまた明日ね」

長い廊下を歩いて行った
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