「はぁはぁ・・・はぁ・・」


今日は最悪な日だ!


凄く楽しみにしていて良い日になるはずだった・・・

なのに朝から体調を崩し熱っぽくて仕事ははかどらないし
最悪なのは上司のミスなのに押し付けられて残業

栄養ドリンクを買ってきて二本飲み
必死に処理してやっと終わり店まで全力疾走

「なんとか間に合った」

と言ってもあと30分ほどしかない


「遅くなりました〜(´-∀-)」

”幹事なのに遅い!”

幼馴染のみーちゃんにそう言われ頭をかく



そう、言い出しっぺは私

ひと月ほど前偶然町で小嶋さんを見かけた


学生の頃とは比べ物にならないくらい綺麗になっていて
普段誰にでも気軽に声をかけるこの私が
近寄ることも出来ずだだ見えなくなるまで眺めていた

その夜高校時代のアルバムを実家へ取に行き
古い携帯に残る写真を見ながら昔を思い出し
感傷に浸っていた

一目で恋に落ち、ずーと好きだと言い続けた
それがいけなかったのか
本人は挨拶ぐらいとしかとってくれなくて・・・・

それでもそばに居たくてずっと引っ付いていた
初めはキモイとか暑いとかウザいと言っていた小嶋さんも
だんだん心を開いてくれて・・・多分だけど
最後には優子!にゃんにゃんと呼び合うまでに持って行ったのに
携帯番号は教えて貰えなかった
というか小嶋さんの番号を知ってるのはおそらく
みーちゃんだけだったんじゃないかと思う

高校を卒業し大学は別々で・・・
それでもみーちゃんが小嶋さんと同じだったのが救いで
初めのうちはしょっちゅう今日何してた?とか
誰かと付き合ってる?とかいろいろ聞いてたけど

「優子ってガチで陽菜の事好きなの?」

と、聞かれてから一切聞けなくなった

大学ではサークルに入り合コンにも沢山参加して
小嶋さんを忘れるためにいろんな人と付き合ったりもした

あ、私女性が好きなんじゃなくて小嶋さんを好きなだけで
男性とも普通に付き合えるから


でもこれが小嶋さんだったらとか思うとその人とは長続きせず

社会人になると仕事の忙しさで
恋愛なんてしている暇もなく
小嶋さんの事も忘れかけていたのに神様は意地悪だ・・・


一度、目にしてしまうと逢いたい気持ちが先行して
仕事も手に付かなくなる


もう一度近くで見たい!話したい!
しかし番号がわからないからみーちゃんに言うしかない

でも、二人で会うのっておかしいよね?

そこで思いついたのがプチ同窓会だった


近くで見る小嶋さんは言葉では言えないほど綺麗で・・・
また恋をしてしまった・・・

「・・・好き・・・・」

やっぱり挨拶としかとってくれなくて・・・

結構酔っているみたいだったから
みーちゃんに何かあったのか尋ねると
片想いのまま失恋したらしい・・・・

恋をしてたんだ・・・
やっぱり私の事なんてなんとも思ってなかったんだ・・・

当たり前か(笑)

その場で撃沈

それでもまた会いたかったから
月に一度は集まろうとみんなに言ってお開き

二次会へ行きたかったけど体調がぐれないから

渋々あきらめたのが私に幸運をもたらした

トイレでばったり会いこの運を手放す手はない!

家で飲みなおそうというと賛同してくれて

あの小嶋さんが私の家に・・・
綺麗にしててよかった(-∀-`)

それに住んでいるところが一駅違いだなんて

これは運命?・・・なわけないか


いろいろ話しているうちに衝撃の事実を知ることになる


小嶋さんの好きだった人は女性だった・・・

じゃー私にもチャンスはあったの?

失恋した今、もしかしたら・・・

帰るという小嶋さんをこのまま返したくない!

気持ちが先走り腕を掴んで押し倒してしまった

押し倒してるはずだったのにあっという間に体を入れ替えられ
私が下になるという・・・

体は思っているより弱っていたらしい・・・
全然力が入んないんだもん

熱があるのがバレて寝ろと言われおとなしくベットへ入る

でもこのまま帰っちゃうとまた連絡が取れなくなっちゃう
やっぱり縁がないんだ・・・(汗)


落ち込んでいたら

小嶋さんの方から明日の朝来てくれると言ってくれた

はぁ・・・風邪ひいて良かった(´-∀-)

その夜はしんどいはずなのに興奮してなかなか寝付けなかった