好きと言い続けた結果 11

優子が出て行ってから10分

スマホが鳴った

「もしもし」

(下に着いたんだけどマンションの前駐車禁止なんだよね
私が運ぶからにゃんにゃん降りて来て車見てて貰えるかな
あ、ついでに出かける用意もしてきてね)

「わかった」

さすが一駅早い(笑)

カバンを持ち取りあえず軽そうな袋を一つ持ち下へ降りる

「持って降りて来てくれたんだ有難う(´-∀-)」

私の荷物だから当たり前なのに・・

「鍵貸して」

玄関のカギを渡して陽菜は車の中へ

少しするとドアが開き大きな袋を二つ抱替えた優子が出てきたから
車から降りると車のドアの前にその二つを置き

「もう一つエレベーターの前に置いてあるから
これ見ててね」

そう言って急いで戻って行きまたすぐ袋を一つ抱えて出て来た

それを後部座席に積み込み
車へ乗り込む

「忘れ物ない?あ、これ鍵返しておくね」

「持ってていいよ(бвб) 」

「へぇ?」

「それスペア―キーだしまた何か頼むことあるかもだから」

「私が持ってて・・いい・・の?」

「私がカギ無くした時連絡するからすぐ来てね(笑)」


別に深い意味はないもん
本当に近いからすぐ来てくれるでしょ?


「う・・・うん、自転車ですぐ来るよ(´-∀-)」

嬉しそうにキーホルダーに鍵を付けてる

「どこ行く?」

「まだ早いから・・・ドライブしたい」

「ドライブ?私とでいいの?」

「助手席に乗るのってパパの車以来(笑)」

「うん、行こう!どこ行こうかな・・どこ行きたい?」

「海の上のパーキング?(бвб)」

「海の上?・・・あぁー海ほたるの事だね」

「そんな名前だったかも(бвб)」

「いいよ、行こう(´-∀-)」



アクアラインを走っていると

「やばっ、軽自動車だと軽すぎて
風にハンドル持って行かれちゃう(汗)」

「ウソ大丈夫?」

「飛ばされないように足で踏ん張っといて」

「わかった!」

足に力を入れ踏ん張っていると

「・・・プッ・・・アハハハ(´-∀-)」

「・・・・あぁぁ!だましたな(怒)」

車の中で踏ん張っても何も変わんないじゃん

「すぐ信じるとこ変わってないね(笑)」

「頭のいい優子が言うから信じちゃうの!」

高校時代もこうやって毎日笑わせてくれてたっけ


車を止め中に入る

「まだ外明るいから先にご飯食べよう
にゃんにゃん何食べたい?」

「御礼で奢るんだから優子の好きなのでいいよ」

「私は何でも食べるからにゃんにゃんの好きなのでいいよ」

「私だって何でも食べれるもん」

「アハッこれ決まんないやつだね(笑)」

「確かに(笑)」

「フードコートで好きなの食べよう」

「それでいいの?」

「その方がいろいろ食べれるじゃん」

「そうだね」

陽菜が食べてるのを少しちょうだいと言って食べたり
これ食べてみて美味しいよと言って少しくれたり
なんかデートしてるみたい

まあ、優子は昔からこうだったけど・・・

「コーヒー買って外行こう」

「うん」

外は暗くなっていて海の向こうに見える夜景がすごく綺麗

空いてるベンチに座り二人でながめる

「空見て、ここ星も綺麗に見えるよ」

「ほんとだ・・・なんか癒される」

「来てよかったね」

「うん、連れてきてくれてありがとう」

「よかったらまたドライブ行こう
あ、みーちゃんも一緒に(´-∀-)」

「そうだね」

二人は嫌なのかな・・・

「さーてそろそろ帰ろうか」

「うん・・・」

一人の部屋に帰るの嫌だな・・・

「にゃんにゃんがまだいいならもう少しここにいる?」

「優子はいいの?」

「私はいつも寝るの遅いから
まだまだ序の口(笑)」

「じゃーもう少しだけ見ていたい」

「コーヒーもう一杯買ってこようか?」

「ううんいい、ここにいて」

何故か甘えたくなった・・・

少しもたれ掛り優子の肩に頭を乗せる

「にゃ、にゃんにゃん(汗)」

「少しだけ・・・」


あの人には出来なかったのに
なんで優子にはできちゃうんだろう・・・


その後は何も言わず肩を貸し続けてくれた

好きと言い続けた結果 10

一か月以上も連絡していなかったのに
いきなりしてもすぐ飛んできてくれた優子

見たくも触りたくもなかった服なのに
優子とワイワイ言いながら選んでいる時間が楽しかった

厳選した一袋
残りは三袋・・・・凄い量(笑)

優子が
こんなに出して大丈夫なの?
着る洋服あるの?

て、心配してくれたけどクローゼットを開けて見せたら
目を大きく見開いてゆっくり頷いてた(笑)

「今日自転車なんだけど何往復もするの大変だから
車取ってくるね」

「車持ってるんだ(бвб)」

「軽だけど便利なんだ(-∀-`) 」

陽菜も麻里ちゃんも免許持ってなかったから
移動はタクシーか電車だった

「にゃんにゃんは免許持ってないの?」

「親に危ないからやめておけって言われて
取ってないの」

「アハッ確かに危ないかも(笑)」

「むぅ・・・どういう意味(怒)」

「だって体育の授業とか見てたけど
全然出来てなかったじゃん」

「・・・クラス違うのにいつ見てたの」

「えっ・・・席、窓際だったからさ(汗)
いつもみーちゃんと一緒に居たでしょ」

「そう、いつも面倒見てくれてた(笑)
私が出来なかったら
峯岸!しっかり小嶋の面倒を見ろ
て言われてて何で私だけーて怒りながらも
最後まで付き合ってくれてたの」

「みーちゃんいい子だからね」

「うん、唯一の親友かな」

「そうなんだ・・・・」

なんで眉毛下げてるの?

「優子はみーちゃんと幼馴染なんでしょ?」

「そうだよ、幼稚園は違ったけど小学校から
ずーと一緒だった高校では同じクラスに一度もならなかったけどね」

「私は三年間同じで助かった(бвб)」

「きっと先生の陰謀だよ(笑)」

「どういう事?」

「にゃんにゃんの面倒を見れるのは峯岸だけだから
離すな!的な?(笑)」

「なるほど・・・て、ひどーい(笑)」

「わぁ、もうこんな時間だ(汗)
急いで取ってくるね
それから夕飯車で行ける所探しておいて」

「何でもいいの?」

「にゃんにゃんのおすすめの所でいいよ」

「わかったー」

話ながら帰り支度をしあっという間に出て行った


優子と話してると時間を忘れちゃうくらい楽しくて・・・

いなくなった部屋が異様に広く感じた

好きと言い続けた結果 9 優子

小嶋さんが泊まった次の日の夜みーちゃんから電話がかかってきた

「もしもーし、みーちゃんどうしたの」

「どういう事」

「なに、いきなり(汗)」

「陽菜が優子んちに泊まるってどういう事?」

「え、・・・そのままの意味だけど」

「高校卒業してから一度も連絡してなかったんでしょ
だから私を通して色々聞いてきてたんでしょ!」

「・・・・・・・そうだよ」

「もしかして同窓会って陽菜と会うためだったの?」

「・・・・・・・」

「そうなんだ・・・」

「でも泊まったのには事情があって(汗)」

「優子って陽菜の事好きだったよね」

「あ・・・うん・・・みーちゃんのことも好きだよアハッ(-∀-`)」

「誤魔化さないで!
陽菜の失恋につけ込んだりしてないでしょうね(怒)」

「なにも言ってないしなにもしてないから・・・」

「それなら良いけど・・・
私はね友達として陽菜にも優子にも幸せになって欲しいの
今の世の中二人が付き合っても幸せになれないんだから」

「そんなのわかんないじゃん」

「祝福されると思ってるの」

「それは・・・でも二人が幸せなら良いじゃん・・・」

「親に反対されても幸せって言える?」

「くっ・・・」

「これから会う時は私を誘いなさい、わかった!」

「わかったよ・・・」


みーちゃんは小嶋さんが女性に失恋したんだとは知らない
だからそう言うのもわかるけど・・・

まあ心配しなくても私の事なんて眼中にないから大丈夫だよみーちゃん


それでも食事に行こうと約束したんだから
すぐ・・・ううん・・二週間後くらいには連絡が来るかもと思ってたけど
全く音沙汰がなくて・・・

ほら私の事なんてもう忘れてるでしょ
だから安心してよみーちゃん

てメールを打ちそうになったけど自分が惨めになるから止めておいた

それからさらに三週間後

ピロン・・・・・

小嶋さんからLINEが届いた

”今週の土曜日夕飯おごるから部屋の片付け手伝って”

”みーちゃんも誘うね”

”今回は優子だけがいい”

みーちゃんに知られたくない事・・・という事は彼女関係か・・・

”了解住所教えて”

住所とマンションの名前を聞き
動きやすい服装でマンションへ


初めて入る小嶋さんの部屋・・・・

私のマンションより大きく部屋も二部屋と
別にリビングもあって・・・そういえば仕事なにしてるんだろう・・・
これだけ広いと家賃高いよね(汗)

「ここにある服を全部捨ててほしいの」

「これ全部?」

「そう・・・自分では捨てれないから・・・
こんなのみーちゃんには頼めないでしょ」

辛そうな顔・・・そんなに好きだったんだ、それに
確かにみーちゃんには頼めない、
だってみーちゃんは知らないんだから・・・

すべて色違いの同じ服
違うのはサイズだけ・・・
相手の人は小嶋さんより細い人だったんだね

「あとね、食器はどうしようか迷ってるの
気に入って買ったものだから・・・」

「嫌じゃないなら置いておいてよ
また来ていいなら私が来た時に使うから」

「優子は嫌じゃないの?」

「私は気にしないよ、小嶋さんとペアで嬉しいもん(-∀-`)」

「・・・・・(бвб)」

「ん?なに」

「気になってたんだけどなんで小嶋さんて呼ぶの?
居酒屋ではにゃんにゃんて呼んでたのに」

「それは・・・・・あの時は高校時代のノリの方がいいでしょ
でも普段はもういい大人なのにそんな呼ばれ方
嫌かなって思ってさ(汗)」

「優子ににゃんにゃんて呼ばれるの嫌じゃないよ
小嶋さん呼びのほうが他人行儀で嫌かも」

「じゃーにゃんにゃんて呼ぶね(-∀-`)」

「うん、そのほうが優子らしい(бвб)」

「私ってどういうイメージだよ(笑)」

「ん〜チャラい?」

「酷いなぁーこれでも真面目な仕事してるんだよ」

「そう言えば仕事何してるの?」

「今は銀行の営業をしてる」

「へぇーじゃー給料いいんだ」

「地方銀行だから普通だよ
にゃんにゃんは何してるの?」

「私は秘書、短大でみーちゃんに誘われて秘書課程を取ったのが
今役立ってる」

「みーちゃん普通のOLでしょ?」

「なんか私だけ受かっちゃったの(бвб)」

まあ・・・・容姿で受かる・・・か(笑)

会社の名前を聞くと結構大手だし・・
このマンションに住めるのも納得

「よし、サクサクッと片付けちゃいましょうか(´-∀-)」

「優子が欲しいのあったら持って帰ってもいいからね」

「サイズ合わないよ(汗)
・・・そうだ、これ綺麗だし捨てるの勿体ないからさ
フリマに出していい?」

「フリマなんてやってるの?」

「友達に好きなやつがいてさそいつ毎月やってるから
使わなくなった物をたまにおいて貰ってるんだ
これだけあればワンブースで借りれるね」

「私やった事無いからしてみたい」

「やろう!えーと、今度はいつだったっけな・・・
あ、明日じゃん(汗)いきなりは無理だから
来月になるね」

「でもこのままここに置いておきたくない・・・」

「そうだよね・・・・じゃーにゃんにゃんの服は次に置いておいて
もう一人の人の服を先に売ってもらおう」

「うん」

「でもこの量は多すぎるから、半分は私の家に持って帰っておいておくね」

「いいの?」

「半分なら隅に置いておけば大丈夫(´-∀-)」

「ありがとう」

「どれを置いておくかの選別・・・出来る?」

「それくらい大丈夫」


これは古いから先に売ってもらおうとか
これは自分で売りたいとか・・

楽しそうにしているのを見て少し安心した





好きと言い続けた結果 8

優子の家に初めて泊り
アドレスや携帯番号を交換し
これからもご飯を食べに行こうね

と言ってマンションへ帰って来た

それからスマホの電源を入れると

怒涛のLINE攻撃と着信

既読したのに気づいたのかすぐに電話がかかってきた

「はい」

(もしもし陽菜?大丈夫なの(汗))

「なにが?」

(何がじゃないでしょ、全然連絡つかないしLINEも無視だし
失恋して自殺でもしてるんじゃないかと思って焦ってたんだから)

「失恋くらいで自殺なんてするわけないじゃん」

(だよねー陽菜はそんな玉じゃないよね)

「むぅ・・・どういう事かな
陽菜だって傷つくんだから(怒)」

(で!何してたの?て言うかどこ行ってたの?)

「え?・・・・なんで?」

(昨日心配で何度も行ったんだよ、でもいなかったでしょ
まさか・・・居留守使ってた?)

「使ってないし・・・優子のマンションに泊まってた」

(優子って大島優子?)

「それ以外誰がいるの」

(あんた達そんなに仲よかったっけ?)

「ううん・・・昨日仲良くなった」

(それなら私も呼んでよ〜ひどいじゃん)

「あぁーそうだね・・・またご飯行く約束したから
みーちゃんも声かけるね」

思いっきり忘れてた・・・(笑)

(絶対だよ、私も優子ともっと話したいし)

そういえばみーちゃんの方が優子となかよかったもんね・・・

「わかった(бвб)」

(LINEちゃんと見てよ)

「はーい(бвб)」

(もう、いい加減なんだから(怒))

「じゃーね」

切ると同時にまた着信音

今度は・・・・無視

だって麻里ちゃんだから・・・
どうせ嫌でも明日会社で顔を合わせるし
理由聞かれるのも面倒だもん・・・
だって絶対に言えないから・・・


次の日案の定

「ニャロ(汗)」

「あ、麻里ちゃんおはよう(бвб)」

「お、おはよう・・・
土曜はどうしたの?」

「なにが?」

「何がって・・・バカ嫌いって・・・」

「そんなこと誰が言ったの?」

「ニャロ?」

「外国へ行ったらいろんなもの送ってよね
ブランドのカバンもいいなー(бвб) 」

「ニャロさん?」

「遊びに行くから泊めてね
ホテル代浮いて助かるー」

「うん、住所教えるし
変わったものがあったら送るね(*`ω´)」

「わーいさすが麻里ちゃん好き〜(бвб)」

「アハハニャロは相変わらずだね」

「どういう意味?(笑)」



これでいい・・・これで・・・



それから一カ月後麻里ちゃんは会社を辞め
海外へと旅立って行った


沢山の思い出の品

一緒に買ったお揃いの服や帽子、
食器などを向うへは持って行けないからと
私のマンションへ持ってきて置いていく・・・


私の気持ちを残酷なまでに叩き潰して去って行った

好きと言い続けた結果 7 優子

次の日

寝たのが遅かったはずなのに朝早く目が覚めた

何時ごろ来てくれるんだろうか・・・
ベッドに入ったまま何もせず待つ事2時間

ピンポーン!

下の入口のチャイムが鳴る

すぐドアを開け玄関のドアも開けて待ち構えていると

昨日よりラフな洋服を着た可愛い小嶋さんがエレベーターから降り
こっちに向かって歩いてくる

綺麗なのに可愛いだなんて・・・
どれだけ私を虜にすれば気が済むんだろう

それからおじやを作ってくれて
幸せに浸っていたら一本の電話が・・・

玄関先に行って話してるけど
狭い部屋だからまる聞こえで・・・

片想いの人からだってすぐに分かった

そして会う約束をしてる

いやだ、まだ行かないでほしい
もう少しだけでいいからいて欲しい

「行かない方がいいんじゃない」

つい口に出てしまった言葉
そんな事言われたくない!
と怒らせてしまった

何やってんだよ(怒)

このままだともう会えないかもしえないから
電話番号を聞こうと思ったけど
やっぱり聞けなくて・・・

小嶋さんの事になると何でこんなんなんだろう・・・

「一駅しか違わないんだからまた会えるよ」

今まで会わなかったじゃん・・・
会える確立なんて無いに等しいんだから・・・

やっぱり縁がないんだ・・・

出て行く後ろ姿をボーと見送り

食べ終わるとまたベッドへもぐりこんだ

夕方

じっと寝ていてもお腹はすくみたいで
冷蔵庫に小嶋さんが買ってきてくれたゼリーは入ってるけど
お腹の足しになる物は何もないし
スーパーまで行くのもおっくうだからコンビニですまそうと外に出ると

小嶋さんがぼボーと歩いて来た

「小嶋さん?」

私の顔を見て泣きそうな小嶋さんを
部屋へ連れて行く

何故泣きそうなのかは大体見当はつくけど
尋ねてみると


友達としてでも一緒にいたかったのに
海外へ行ってしまうと聞かされ
嫌いと言って逃げてきてしまった事を後悔している

そう言いながら泣く小嶋さんをほおっておけなくて
抱きしめてしまった

私なら絶対に離れないのに・・・
ずっとそばにいてあげれるのに・・・


「こういう日は一人でいたくないでしょ」

私はずるい、小嶋さんの弱みに付け込み一緒に居ようとしてるから

昨日は断った小嶋さんもやはり今日は一人でいたくないらしい

そして思わぬひと言が・・・

「・・・・ねえ、優子の片思いはどんな人なの?」

「私のことは良いじゃん
それよりお風呂はいる?」

咄嗟に誤魔化したけど大丈夫だったかな・・・

その夜は学生の時のように笑い会う事が出来た

この笑顔が見れるなら
こうやって相談に乗ったり励まし合ったりできるなら
これからもいい友達でいよう

私の思いは封印しよう


そう思わされた夜だった






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