それから怒涛の一週間


二人で住めるマンションを探して引っ越しをすませ
片付けも終わらなければいけない
それもなるべくバリアフリーの部屋を捜したから
少し家賃は高くなったけど
陽菜のためだから・・・
しっかり働かなきゃだ(汗)


幸い私の荷物も少なく
陽菜の荷物は全くない状態だから
二人で使うものは二人で買いに行こうと思う

送り迎えしてくれるリハビリセンターも調べ
完璧な状態で陽菜を迎えに行く



「はーるな来たよ(-∀-`) ・・・・・・あれ?」



そこには陽菜はいなくて空のベットだけが置いてあった




うそだよね・・・



全部夢だったって言わないでよ(汗)






慌ててナースステーションへ行き
この前会った看護師さんを見つけ


「すみません、小嶋陽菜
陽菜どうかしたんですか(汗)」


「陽菜ちゃん?・・・あぁ・・お姉さんでしたよね
陽菜ちゃんなら大部屋へ移りましたよ」


良かった・・・・

部屋番号を聞いていると


「あ、優ちゃん(бвб) 」


車椅子に乗り
リハビリから丁度戻ってきた陽菜


「もう・・・部屋変ったんなら教えてよ」

「だって電話番号知らないもん(怒)」


そっか・・・そうだよね携帯番号なんて知ってるわけないよね
離れた時は小学生で携帯なんて持ってなかったんだから

なのにあの時かかって来たのをおかしいと思わなかった私って・・


「ごめん、陽菜の携帯も買わなきゃね」

「あのね、おばあちゃんの遺産があったの」

「遺産?」

「そ、お家は焼けちゃったけど土地と
裏山があるんだって」

「へぇ〜」

「東京に住むんだったらもういらないでしょ」

「そうだね・・・」

「でね、幾らで売れるのか調べてもらったらね」

「うん」

「一億だって」

「へぇ〜一億かぁ・・・・ん?一億ってあの一億?」

「ん?あのって、どれ?」

「一億円て事?」

「そう言ってるじゃん」


裏山ってどこまでが小嶋家の裏山だったんだ?


「で、でも陽菜のお母さんにも権利があるし・・・」


それでも半分もらえるって事?


「なんかね遺言書があって
全部陽菜と優ちゃんにくれるって書いてあるんだって」

「私にも?」

「その人は税金対策って言ってたけどよくわかんなかった」

「その人ってだれ?」

「ん・・・弁護士さん?」

「名刺とかもらってないの」

「あるよ、陽菜が目覚めたって聞いてここに来たみたいなの」

「そうなんだ・・・」


どうするんだよ二人で一億円も・・・
でも相続税とかで減るのか
それでも相当あるよね・・・
もう少しいい部屋借りればよかったかな(-∀-`)


ダメダメ、これからの為に置いておかなきゃ
うん、貯金しよう、で、たまに二人で海外旅行とか行っちゃう?
車も買えるじゃん(-∀-`)
そしたら休みの日は陽菜の送り迎えもしてあげれるし
あ、でも駐車場が・・・・
う〜ん・・・どうしようか


「優ちゃん?」

「へ?」

「どうかした?さっきから百面相になってるけど」

「ど、どうもしないよ
それより退院する準備できてる?」

「うん、荷物何もないもん」

そう言えば全焼して陽菜も寝たままだったもんね・・・


「思いで全部なくなっちゃったね」

「ううん、優ちゃんとの思い出は
ちゃんとここにあるから寂しくない」


そう言って胸を叩く


「にゃんにゃん・・・・
これからもたーくさん思いで作っていこうね」

「うん(бвб)」


「姉妹じゃなく恋人としての思い出をさ」

「優ちゃん・・・・ありがとう(бвб) 」

「大好きだよ陽菜」

「陽菜も!」





おしまい