「きりーつ、礼、ちゃくせーき」

「三年生の今日の午前中の授業は無くなりました」


ザワザワ


「皆さんにはこれから大学病院へ行ってもらいます」

「全員ですか?」

「女生徒だけで、男子は集まって自習です」

「どういう事ですか?」

「今日の朝のニュースで高校生が妊娠したと言うのを見た人いますか?」


そう言えば出る時になんとなく聞こえてきてたっけ


「だからって私達を疑って病院へ連れて行くんですか(怒)」

「話は最後まで聞きなさい!
その生徒は男性と付き合った事がなかったのに妊娠したんです」

「ヤバ、聖母マリアじゃん」

「付き合っても無いのに妊娠とか
そんな事あり得るんですか?」

「付き合ってはいたようです」


・・・・・話が矛盾してるんだけど
何を言いたいんだろ


「今付き合ってなかったって言いましたよね?」

「男性とはと言ったんです」

「まさか・・・・・・・動物?」

「佐江、バカだろ」

「なんで?男性じゃ無かったら動物しかないじゃん」

「確かに動物にはかわり有りませんが
付き合っていたのは先輩の女性徒だったそうです」


女性?嘘でしょどうやって妊娠させるの?


「女性だったとしてどうして三年生だけ検査なんですか?」

「その先輩と言うのが三年生であの伝染病が流行った時期
お腹の中にいたらしく少し検査をすると
何らかの突然変異を起こしたとみられ
その学年は国から至急検査を受ける様にとの通達がありました」


「よくわかんないけど授業サボれるならいっか」

「え〜痛いのはヤダ〜」

「どんな検査をするんですか?」

「血液検査とDNA検査だけだと聞いているので
終わった人からここへ戻って来て自習をし
午後からは通常の授業を行います」

「え〜休みにすればいいのに」

「なので、鞄はここに置いておき
貴重品だけ持って行って下さい
往復の交通費は後日国から支給されます」


「優子一緒に行こう(ΘωΘ) 」

「早く行って早く帰ってこよう
私何故か病院苦手なんだよね(;´-∀-)」

「保健室もあまりか無いもんね(笑)」

「消毒液の匂いがなんか苦手」

「私は好きだけどね(ΘωΘ) 」



指定された大学病院は制服であふれかえっていた


「うちの高校結構遠いもんね
これ午前中に終わる?」

「終わらないかも(;´-∀-)」



そう思ったのは一瞬で
簡単な検査なのかどんどん列は進み
もうすぐ私達の番になっていた


「採決をするので長袖を着てる人は
腕を捲っておいてください」


看護師さんが列を整理しながら近寄って来る


ドクン!!・・・ドクン・・・・


「ハァ・・ハァ・・・・・」

「優子どうしたの?顔赤いよ」

「わかんない、なんか匂いしない?」

「え、病院の匂いしかしないよ」

「急に動機が激しくなってきて苦しい」

「どうかしましたか?」

「くっ・・・はあ・・はぁ・・・」

「友達が急に苦しみだして(汗)
きっと消毒液の匂いにやられちゃったんだと思うので
外に連れ出してあげてもいですか?」

「匂い苦手なの?」


コクンと頷くと


「お友達はもうすぐ順番が来るからここにいて
私が外に連れていってあげるから」

「みーちゃんまで帰るの遅くなったら悪いからハァハァ
私は大丈夫・・・・一人で行くので看護師さんもここにいて下さい」

「大丈夫?」

「はぁはぁ・・・はい・・・」


なんとも言えない匂いにそこから逃げるように外に出た


「はぁはぁはぁ・・・・ふぅ・・・ふぅ・・・」


外の空気を吸うと少しずつ動機が治まってきた


やっぱり消毒液の匂いだったんだろうか・・・
でもあんなに苦しかったのは初めてだ

大学病院だから?

入った時はなんともなかったのに・・・・

なぜなんだろうか