マスク持ってくればよかった

5分ほどだったと思う
外のベンチに座ってたらみーちゃんが出て来た


「大丈夫?」

「うん、殆ど治まった」

「はいマスク」

「え、どうしたの?」

「さっきの看護師さんが持ってきてくれた」


・・・・そうだよ、病院なんだからマスクあるよね
もっと早く気づけばよかった(;´-∀-)


「今から並び直したらお昼すぎちゃうよ(;´-∀-)」

「さっきの看護師さんが調子が良くなったら私の所へおいでって
優先的に入れてあげるからって」

「いいのかな(;´-∀-)」

「匂いがダメなんだったら早く済んだ方がいいんだから
お言葉に甘えたら」

「そうしようかな」

「すぐ済むからここで待っててあげる(ΘωΘ) 」

「早く戻りたくないだけでしょう(笑)」

「ばれた?(笑)」

「パパっと行ってくるね」

「イッテラー(ΘωΘ) 」


マスクをつけて恐る恐る中へ入ると
流石病院のマスク殆ど匂いがしない


「これなら行けそうだ」


さっきの列の後ろから前を覗くと看護師さんと目が合った

おいでおいでされたから
並んでる子達に悪いなーと思いながらも前へ行く


「大丈夫だった?」

「はい」

「ごめんねこの子体調悪いから先に入れてあげてね」


先頭の子に一声かけ私の背中に触れどうぞと促す


ドクン・・・・ドクン


「うっ・・・・・」

「え、ちょっと(汗)・・・だい・・・」


そして私はその場で意識を失った



「・・・・・・・」

「優子!」

「・・・・お母さん・・・」


目を開けるとお母さんが心配そうな顔をして覗き込んでいる


この匂いは・・・病院
私あのまま倒れたんだ・・・


何だったんだろうあの動悸

少しすると先生がやって来て瞳孔やら心音を調べてくれた


「もう大丈夫ですね」

「ありがとうございます」

「ただ・・・」

「娘に何かあるんですか(汗)」

「血液検査と遺伝子検査をさせていただいた結果なんですが
お嬢さんは特別な遺伝子をお持ちでした」

「まさか、優子が・・・・」

「最近見つかったばかりの遺伝子で
我々もどうなっているのか見当がついていません
まだ手探り状態ですので研究に協力していただけたら嬉しいのですが」

「娘を研究材料になんかさせられません」

「研究と言いましても定期的に
血液や唾液を提供していただいたり
どういうふうに恋愛をするのかを
観察させていただけるだけでいいのですが」

「あのう・・・・・」

「優子だっていやよね?」

「何の話かわかんないんだけど(;´-∀-)
私何かの病気なの?」

「あなたは減少する人口を止める事ができて
地球を救えるかもしれない人間なんです」

「??」

「今日の検査で大島さんを含めて同じ高校では
三人の生徒さんがその遺伝子を持っているとわかりました
他の二人の保護者の方は協力してくださるとのことです」

「二人もいるのでしたら優子はいいんじゃないですか」

「それが娘さんの数値は非常に高くて
他の二人は遺伝子を持っているだけでまだ目覚めてないと思われます
何故か娘さんは目覚めているようなのです
なのでぜひ協力していただきたい」

「でも」

「私はいいよ、世の中の役に立つなら
それくらいなんてことない(-∀-`)」

「ありがとうございます
ではこちらの書類にサインしていただき
早速データーを取らせてください」

「もしも娘に何かあったら・・・」

「先ほども申しました通り緊急条例ですので
保障などまだ何も決まっておりませんが
協力金などは少なからずあると思います」

「ぜひお願いします!(-∀-`) 」

「優子・・・・」

「お母さんずっと働き詰めだったんだから
少しは楽になって欲しいもん
よろしくお願いします」

「こちらの問診票とわかる限りで結構ですので
3等親までの情報をお願いします」

「わかりました」


その日はその後MRIを撮り自宅へ帰った