それから時間までトイレに籠ることにした


「でさ、あいつキモイんだよね」


若いスタッフが多いからか
三分の二の割合で連れ立ってくるから
話も弾み普段なら聞けそうもない事が聞こえてくる


「手あたり次第共演者に声かけてるらしいよ」

「つい最近別れたらしい」


凄いよ小嶋さん
欲しい情報がどんどん入って来る(-∀-`)
後は裏を取るだけだけど・・・・
それが一番難しいか(;´-∀-)


みなさんトイレは一人で行った方がいいですよ(笑)


カチャッ・・・・バン!

「わぁ(;´-∀-)」

「何してるんですかこんな所で」

「え、えーと・・・かくれんぼしてましたアハッ(;´-∀-)」

「・・・・・掃除しますけどまだ隠れてますか」


ぶっきらぼうにそう言い放つ清掃員のおばさん


「いえ、もうすぐ始まりそうなので行きます(;´-∀-)」

「次はこんな所に隠れないでください(怒)」

「すみませんでした(;´-∀-)」


掃除用具入れに隠れてたんだけどあせった

そりゃ何時間に一度掃除しに来るよね


廊下を歩いているとそろそろ開始の合図が鳴る

小走にさっきの観覧席へ行くと
席は殆ど埋まっていて後ろの端っこが数席空いているだけだった


まあ、観察するには後ろの方が都合はいい

薄暗くてはっきり見えないから誰がいるのか
前に回らないとわからない

回れるはずがないんだけど

お、ありがたいことにサイリュームが点灯しだし
振る角度によって顔が照らされうっすら見えた

あれはプロデューサーの
隣には今売り出そうとしてるアイドルの・・・・

凄い密着じゃない?
え、その手・・・・えぇぇぇ!!?


いやこれみんなにバレるでしょ(;´-∀-)
・・・・・もしかして暗黙の了解っていうやつ?

写真撮っても週刊誌には載せれないか・・・
でも何かに役立つかもだから
バックにに隠してあるカメラで数枚撮っておく


ちょっとまって、他のおっさん達まで
こんなところで何やってんの?
ここってそういうお店?

いや店じゃないか、そういう場所なの?


前の方はサイリュームをちゃんと振りながら
たまに声を出してるから友達とか純粋に見に来た人達だろう

真ん中から後ろは明らかに変な並びで座ってる
おっさん、女子、おっさん、女子、男子、女子

あとの若い子たちは見たことないから売り出そうとしてる
事務所の若手の女の子達か・・・・


なんて事務所なんだよ最低だ!
あながち小嶋さんの噂も嘘じゃないのかも・・・・

なんかムカムカしすぎて気分が悪くなってきたぞ(;´-∀-)

いったん外に出ようと立ち上がったら
丁度MCに入って二階席のみんな―!!
と叫ぶ小嶋さんと目が合った

ような気がした

これが俗にいう
今誰々と目が合った!私の事見てくれた!
と言う勘違いか?


取りあえず外の長椅子に座る事に


「はぁ・・・・」


小嶋さんが無理やり枕をさせられていた・・・
もしかしたら今でも?

本人から聞いたわけじゃないけど
そう言う事に慣れてるみたいだったから・・・

いや、普通に恋をした相手と・・・・
うん、そう言う年代だし経験が多くてもおかしくはないか・・・

きっとそうだよ


自分で自分に言い聞かせ胸のムカムカとモヤモヤを拭い去る

そうだ写真

ここでは確認できないからまたあの場所へ

今度はちゃんと個室に入ってふたを閉めその上に座り
小型カメラをカバンから出し確認する

「あぁ・・・やっぱ暗いか」

人影はわかるけど何をしてるかまでは写っていなかった


「はぁ・・・何やってるんだろう私・・・」

「何やってるの」

「・・・・えぇぇぇぇ!!?」


聞こえるはずのない声に慌ててドアを開けると
そこにはさっきまでステージで歌っていた


「小嶋さん?何してるの(;´-∀-)」

「出て行くのが見えて気分悪そうだったから
心配してきてみたら丁度トイレに入って行くとこが見えて
追いかけて来た」

「追いかけて来たじゃないよ
ステージはどうしたの!(;´-∀-)」

「今順番に着替え中で、トイレ行ってきますって出て来た(бвб) 」

「早く戻らないと(;´-∀-)」

「二人がMCでつないでるからいいんじゃない?」

「いい事無いよ、早く戻って(;´-∀-)」

「いい写真撮れた?」

「へぇ?」

「それカメラでしょ」

「あ、うん・・・でも暗くて殆ど写ってなかった」

「でしょうね、遠赤カメラでもないと無理だよ(笑)
でもいいネタは転がってたでしょ」

「う、うん・・・・」

「なに、スクープほどじゃなかった?」

「やっぱり写真がないと証拠にならないから・・・」

「そっか・・・」


(小嶋さーんどこですか!)


「ほら探しに来たじゃん速く行って(;´-∀-)」

「もし撮れたら送ってあげる」


そう言いながら近づいてくると


チュッ(бвб) 


「・・・・・・(;´-∀-)」

「勝手に帰ったらダメだからね」


そう言ってトイレから出て行った