「ここなんだ(-∀-`) 」

「・・・・・・・(бвб)」

「どうぞ入って」


何も言わないのが少し怖い(;´-∀-)

明かりをつけまだちゃんと片付いていない
お店の中を説明する


「カウンターとテーブル席が四つだけの
小さなカフェなんだけど一人でするつもりだから
ちょうどいいかなって・・・・」

「うん」

「老夫婦が二人でされてたんだけど
奥さんが他界して店を閉めようか悩んでいた時に
私が表れて、これは運命だと思ったって」

「うん」

「私も仕事を辞めどうしようか悩んでいたし
海外へ行こうかと思ってたんだけど
ここの景色は好きだし自然と共存するのもいいかなって」

「・・・・・」

「やっぱりここに住むのは無理だよね(;´-∀-)
何かと不便だし、陽菜は都会が似合うし
あ、でも今のマンションを中心にして休みの時だけ来ればいっか
うんそうだよ、それがいい」

「陽菜に黙って海外へ逃亡しようと思ってたの?(怒)」

「逃亡って(;´-∀-)
多分日本ではカメラマンさせてもらえそうにないから
海外で勉強して馬鹿にされた人達をぎゃふんといわせてやろうかなって
少し思っただけだよ」

「言わせてやればいいじゃん」

「ここをするって決めたときにカメラは諦めたからもういいんだ」

「どうして?日本でだってできるでしょ」

「きっと同業種には話が回って
どこも雇ってくれないだろうし
誰かに弟子入りすることだってできないだろうし
無理だよ(;´-∀-)」

「陽菜の写真を撮って写真集(бвб)」

「無名で経験もないカメラマンを
そんな大事なプロジェクトに使うわけない」

「ここで撮って事務所に売り込みに行く!」

「それこそ門前払いだし
どういう関係って聞かれるとヤバいでしょ(;´-∀-)」

「やる前から無理とか言ってたら何もできないでしょ
やるだけやってダメならそのままやめるとか
もう少し頑張るとかその時にまた考えればいいじゃん」


・・・・・そうだよね・・・

芸能界で苦労してきただけあって
ただのアイドルじゃないか


「ありがとう・・・・頑張ってみる」

「うん(бвб)
それにしてもここいいよね
木のにおいに癒される」

「ほんとに?そう思う?」

「周りに何もないのは怖いけど
大きな声で歌っても怒られなさそう(笑)」

「一人で出歩くのは危ないけど
テラスに出て二人で星を眺めるのには
丁度いい明るさだし外で歌っても誰にも怒られることはない(-∀-`) 」


街灯もあるし何より月の明かりがここを照らしてくれる
自然のスポットライトだ


それから居住スペースの説明をしようとすると


「早く片付けないといけないんでしょ
後は自分で探検するから
優ちゃんは準備に専念して」

「・・・・・・(-∀-`) 」

「ニヤニヤしてなに」

「今、優ちゃんて(-∀-`) 」

「嫌だったら優子に戻すけど」

「嫌じゃない!優ちゃんがいい
絶対に優ちゃんがいい!」


はじめの頃は優ちゃんて紹介してくれていたのに
いつからか優子になってたんだよね(;´-∀-)


「ばーか(笑)わかったから早く始めたら」

「そうだよ、早くやってしまわないと(;´-∀-)」


頑張って~と言いながら奥へ入って行った

大丈夫かな(;´-∀-)

心配だけどこれ以上は構っていられない



「ふぅ〜・・・何とか出来た
これでオープンできるぞ!」


ふと時計を見ると


「ヤバ(;´-∀-)」


もう九時

時間を見たとたんお腹が鳴った

そう言えば陽菜何してるんだろう・・・
お腹すいたとか何も言ってこない事に少し恐怖を感じた


「陽菜〜」


居住スペースは簡単なキッチンが備え付けられていて
リビングと寝室だけ

もちろんトイレとお風呂もある


リビングに姿は無く机の上には


「マジか(;´-∀-)」


夕飯で食べようと買ってきていた
冷凍ピザの残骸とお菓子の袋
出しっぱなしのペットボトル


「せめて冷蔵庫の中に入れておいてよ〜(;´-∀-)」


テレビはここにしか置いてないから
寝室にいるなら寝てるんだろう


遅くなったけど明日送れないから
今送って行かないと私が辛い


「陽菜送るから起きて」


寝室のドアを開けながら言葉をかける


二部屋しかないからか部屋自体は広い
その真ん中にベッドだけが置いてあり
横には壁いっぱいの窓
そこから裏へ出ると裏庭になっていて
洗濯を干すスペースと
星を眺めるためのデッキチェアもあるんだ

もちろんサイドの壁にはクローゼット


そして大きなダブルのベッドはおじさんから譲り受けた物


クッションのいいのに買い替えたとこだったんだけど


寂しそうに呟くから私が貰っていいですかって言うと
捨てるつもりだったからどうぞと言われ布団だけ新調した

ひとり身のおじさんは東京の家を売り老人ホームに入る
だったらここもともう一度言ったんだけど
貯えもまだまだあるし年金で暮らしていけるからって

仕事は何をしていたんだろう・・・
向こうも言わないし私も聞かない


「陽菜」


う〜んと唸りモソモソと布団が動く


「終わったの?」

「うん、やっと終わったから送るよ」

「なんで?」

「明日仕事でしょ?」

「一緒に住もうって言ったじゃん」

「そうだけど、今日は無理でしょ?」


起き上がった陽菜は


「なんでパジャマに着替えてんの?」

「お風呂も入ったしする事無いし
携帯いじってたら寝ちゃった(бвб) 」


お風呂も入ったの?


「ここのお風呂気に入っちゃった
あれヒノキ風呂って言うやつでしょ?」

「よくわかったね」

「それくらいわかるよ、匂いだって違うもん」

「でも明日は送ってあげれないんだよ」

「ん〜ヒッチハイクで帰る?」

「はぁ?ダメに決まってんじゃん(;´-∀-)」

「冗談に決まってる(笑)」

「もう・・・・ほら早く着替えて」

「ヤダ(бвб) 」

「ヤダじゃないの!」

「せっかく明日は昼まで寝れるのに」


いや、私は朝早く起きないといけないんですけど(;´-∀-)

このままだったら眠れない可能性が・・・・


「自分の部屋だと昼過ぎまで寝ていられるよ」


なんとか帰って貰わないと本当にやばい


「今日は優ちゃんと一緒に居たい(бвб) 」


だぁぁぁ!!その顔をしてその声でそんな事を言われた日にゃー
断れる人なんていないでしょうよ(;´-∀-)


「ずるいよ・・・」

「本当の事だもん」

「わかった・・・・今日は泊ってもいい
でも、これからここに来て泊まるのは
次の日がお休みの時だけ」

「えぇぇ〜そんなのめったにないんだから
ここに来れないじゃん
やっぱり一緒に住もうって嘘だったんだ」

「言ったよ言ったけどよーく考えたら
ここから通うなんて無理でしょ」

「むぅ・・・・」

「膨れたって駄目だよ」

「わかった」


良かった(´-∀-)


「一回してから帰る」

「・・・・・・・はい?」

「だから!一回してから帰る!」

「何を?」

「はぁ?ベッドでする事は一つでしょ」


一つでしょって今からして何時になるの?
それから送って行ってたら私殆ど寝れないじゃんか(;´-∀-)


「早くお風呂入ってくれば
それかそのままする?」

「入ってきます・・・・」

「待ってるね(бвб) 」


はぁ・・・・これからが不安でしかない



でもその不安はすぐにやって来る事になる