(もうすぐ朝食が出来るよ)
勿論既読はつかない
優「はぁ・・・私が居なかったらどうしてたんだろう」
おそらく私がいなければ陽菜は実家にいて
おばさんに起こしてもらってたんだろう(笑)
私がいなければ秘書にだってなってなかったはず
それもこれも神様が悪いんだ
あの事件の前に転生していたなら
こんなに苦労する事は無かったのに・・・・
Xデーは1年後の都知事選挙一週間前
財務大臣秘書をしていた陽菜が
たまたま大臣の電話を聞いてしまった事から始まった
陽「ねえ優ちゃんBKBって何?」
優「どうしてその名前を知ってるの(;´-∀-)」
陽「今日大臣が電話で、BKBがバックに付いてるんだから
落選するわけないから安心しろって言ってたの」
優「その話陽菜が聞いてたって知られてる?」
陽「慌てて電話を切ってたけどどうだろう
て言うかBKBって何なの?」
優「陽菜は知らなくていい
そして絶対に・・・二度とその言葉を口にしたらダメだし
他の人にも聞いたらダメ!いい?」
陽「むぅ・・・」
優「そんな可愛い顔してもダーメ(笑)ほら、おいで」
陽「そうやってすぐ誤魔化そうとするんだから」
優「じゃーいいんだね(-∀-`) 」
陽「嫌だって言ってないし」
耳を真っ赤にして私に抱き付いて来る陽菜
あの幸せがずっと続くものだと思っていた私は大馬鹿野郎だ
あの親子は裏社会にまで手を染めていた
だから無能なのに財務大臣になれたんだ
あくどい事をしてる割に
どの政党からも叩かれないし週刊誌も飛びつかなかったのも頷ける
それから3日後
陽「明日大臣の会食に同行しないといけなくなっちゃったから
遅くなると思う」
優「え?どこであるの」
陽「相手からの連絡待ちなんだって」
優「なんだってって、陽菜は秘書なんだから
ちゃんと把握しておかないと(;´-∀-)」
陽「ホントは先輩が行くはずだったんだけど
別の仕事を任されて行けなくなったから私が行く事になったの」
優「それ・・・大丈夫なの?」
陽「いつもの接待だよ、本当に仕事柄?心配性なんだから(笑)」
優「場所分かったら連絡して迎えに行くから」
陽「タクシーチケット出るよ」
優「いいから、迎えに行きたいの!」
陽「仕方ないなぁー場所分かったらLINEする」
優「それと携帯の電源は入れておくんだよ」
陽「はいはい(笑)」
優「笑い事じゃないんだからね(怒)」
陽「もう、そんな目くじら立てて怒るから
眉間にシワが寄っちゃってるじゃん(笑)」
優「シワよりも陽菜の方が大事なの!」
陽「いつもありがとう(бвб) 」
優「うぐっ・・・急になんだよ(;´-∀-)」
陽「ん?言ってみたかっただけ」
優「コノヤロー今夜は寝かせないからな(-∀-`) 」
幸せだったっなー・・・・・
今はなんとも思っていないふりをするのにどれだけの
エネルギーを使ってるか・・・
なのに陽菜と来たら好き好きオーラを隠そうともせず
私に接してくるんだからたまらない(;´-∀-)
優「ほら早く起きないと遅刻するよ」
陽「う〜ん・・・」
優「朝ご飯食べないで行くの」
陽「起こし・・て・・・」
優「しかた・・・」
一瞬伸ばしかけた手を引き少し低い声で
優「私は起こしたからね、じゃー」
振り返らず玄関を出て自分の部屋へ戻り朝食をお皿に盛りつけていると
何も無かったかのように入って来て椅子に座る陽菜の前にお皿を置き
自分の分も用意して食べ始める
陽「都知事選来年だね」
優「うん」
陽「再選するかな」
優「どうだろう」
陽「あ、でもその前にお仕置きするのか」
優「そうだね」
陽「・・・・ねえ、なんか怒ってる?」
優「毎朝起こしに行かなくても起きて来て欲しいかな」
陽「わかった・・・頑張る」
優「うん」
二人の時はどうしてもそっけなくしてしまう
そうしないと勘違いさせちゃうでしょ?
なにより私の気持ちがもたないかな・・・
みんなといる時は平等に優しくしてる
みんなと同じだよって言う意味でもあるし
特別じゃないよってみんなにも、特に陽菜に伝わるように
BKBを知った次の日様子を見に来ていた手下に
私と陽菜が一緒に居る所を見られていたらしく
私が刑事であると言う事が知れ
慌てたあいつらは陽菜と私を消しに来た
どうせなら同時に殺してくれれば苦しまずに済んだのに・・・・
陽菜のあんな姿を見なくて済んだんだ