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本当の気持ち   火謡曲   6

宏美  

あれからいつも誰かに見られてる気がする・・・おそらく記者だろう

小さい時に離れてるしすぐに引っ越してるはずだから
近所の人も分からないと思う

直接会ってないしばれる筈がない

メールをすると優子の方にも記者が張り付いているみたい

2か月ぐらいおとなしくしていれば大丈夫だろう

優子も忙しいみたいだし、私もツアーやアルバムのリリースで恰好忙しい

メールはしていたけど外ではもちろん家に遊びに来ることもないまま
2ケ月がたとうとしていた

その間優子は総選挙の2位へのショックと
突然の麻里子ちゃんの卒業発表のWパンチを受けて相当参っていたみたい

卒業の事は陽菜ちゃんは知っていたのに優子は知らなくて・・・・喧嘩したらしい

優子が1人孤立してしまってどうしたらいいかわからない、
と陽菜ちゃんからメールを貰っていた

確かにテレビを見ていてもひとり離れていることが多いように思う・・・

それに少しやせてきているかも・・・

どうしよう話を聞いてあげて抱きしめてあげたいけど
どこで記者が張っているかわからないし・・・家に呼ぶのもまだ危ないし・・

そうだ共通の友達がいた!あの人に頼んで家に招いてもらおう

(もしもし、この前ぶり― 実はお願いがあって・・・・・・・・・じゃーよろしくね)

これで良し

優子は何も知らずにやってくるから他の人にはばれないはず

たのむよ、コロッケ

本当の気持ち   火謡曲   5

陽菜  目線

「では本番宜しくお願いします」

スタッフの声が響く

前列の右端に優ちゃんとたかみな、まゆゆ、ゆきりん

後列の左端に陽菜と麻里ちゃん友ちん

真ん中にゲストの三人、優ちゃんすごく嬉しそうに見てる

陽菜の所からは椅子の並びが少し湾曲してるから優ちゃんの顔がよく見える

そりゃー嬉しいよね、初めての共演だもんね

あっ、宏美さんと目があって照れて下向いてる・・・かわいい

でもその様子を陽菜以外に前にいるスタッフが2・3人ジーと見てる気がする

何で見てるのかな?優ちゃん狙い まさかね・・・

ゲストさんの歌の時に麻里ちゃんにそっと言ってみた

「わかった、気を付けて見ておく!」

あっ、宏美さんの番だ さっきの質問優ちゃんがしてるー

可愛い子でまたウインクされてるし

ウフフ照れてる その横でたかみなも照れてる・・・・なんで? まっいっか

「お疲れ様でした」

やっと終わった・・

振り間違えちゃった・・・でもいつもの事だから気にしない

4人でご飯食べる約束してるからみんなバラバラでその場所に向かう

「あっ小嶋さん 」

あんまり見慣れないスタッフに呼び止められて

「今日、どなたかのお母さんが来られてたんですか?」

「・・・・なんで?」 

「誰かがお母さんて呼ぶ声が聞こえた気がしてね 」

「あっそれは、ゆ・・・・ゆっくり考えたら誰も来てなかったかも 」

「それなら聞き間違えかなーお疲れ様でした」

危なかった(汗) もう少しで言っちゃうところだったし・・・・

あっメールだ(にゃんにゃんまだー)

(すぐ行く(бвб))返信してすぐに向かった

「「お疲れ様でした」」 

「もー心臓に悪いからこれからは前もって教えてね」

「ごめんね」

「まあ、楽しかったからいいや 」

優ちゃんがトイレに立つと

「収録中数人のスタッフが私達の方を見てコソコソ話してた
ように思うんですが・・」

「麻里子ちゃんも気が付いてたの?私もなんか嫌な予感がして 」

「あー陽菜帰りに誰かのお母さんが来てたのかって聞かれたー」

「えっ!言っちゃったの 」

「言うわけないじゃん 陽菜バカじゃないし」

危なかったけどね

「もしかして楽屋での話聞かれてたんじゃ 」

「あり得るわね・・・少しの間、合わない方がいいかも」

「ゆっぴーには私達から言っておきます」

「お願いするわね、今は楽しく過ごしたいしね」

少しすると優ちゃんが帰って来てまた騒がしい食事会に戻った

わがままな女神   73

陽菜

大学のテストも終わり今日から夏休み♪

そして今日は優ちゃんとデート!・・・じゃなくてお出かけ・・・

「どこで作るの?」

「郵便局がいいと思います、どこに行ってもあるし手数料無料だし」

「ふーん・・・他の所は手数料とやらを取られるんだー・・・」

「そうですよ、カードでお金引き出すときコンビニとかなら
手数料取られてるでしょ?」

「そんなの見てないし、少しならいじゃん(бвб) 」

「ダメですよ!塵も積もれば山となる!なんですから
その分でおにぎりとか買えますよ」

陽菜おにぎり買ったことないからわかんないし・・・
お金にも困った事ないからわかんないや(бвб) 

でっ!今所定用紙に記入中なんだけど

「なんで優ちゃんも書いてるの?」

「偉そうに言いながら私ここの通帳持ってないんです(汗)
丁度いい機会だから一緒の作ろうかなって(´-∀-)」

一緒かー・・・・なんか嬉しい響き(笑)

陽菜は1万円を入れて、優ちゃんは千円を入れる

「貧乏くさーい(笑)」

「どうせ貧乏ですよ(拗)」

「あはは、拗ねてるぅ(笑)」

「拗ねてません」

なんか可愛くてよしよししてあげたら、
恥ずかしいです(汗)ていって拒否られたし・・・むう・・・

「毎月貯金しましょうね(´-∀-)」

「えー邪魔くさいからまとめて入れとく」

「それじゃー作った意味ないじゃないですか」

「優ちゃんが入れに来てくれるならいいよ」

「わかりました私の給料日に入れに来ますね!」

「んっ!(бвб) 」

「お昼にはまだ早いので旅行代理店に行きませんか?」

「温泉?」

「はい!二日連続でお休み貰えたので見に行きましょう!」

「仕方ないなー・・・行ってあげる(бвб) 」

やばい顔がニヤケちゃいそう(汗)

「パンフレットを見て、この三か所ぐらいがいいかと思うんですけど」

「どこでもいいし」

「ダメですよ、二人で決めましょう!」

仕方なくパラパラめくって行くと・・・パワースポット巡り!

「陽菜ここがいい」

「箱根ですか?近くていいですね宿を探してもらいましょう!」

カウンターに座って店員さんと向かい合わせになると

「どういった条件のお宿をお探しですか?」

「えーと、部屋に露天風呂があって、
食事も豪華で、旅館も綺麗で
お布団フカフカで浴衣が可愛くて(бвб) ・・・
「ちょっ(汗)こじぱぁ///」

「なに優ちゃん?」

「それ全部当てはめたら莫大な料金がかかってくるから
私・・・払えないと思います(シュン)」

ムゥ・・・優ちゃんとの初めての旅行だから豪華にしたかったのに(怒)

「じゃー優ちゃんが決めればいいじゃん(プイ)」

「すみません・・・」

それから店員さんに

「料理が美味しくて、浴衣が可愛いところがいいです(´-∀-)
なるべく安いところをお願いします・・・」

パソコンをパチパチ叩いて出した旅館を見ると・・・・

まあまあかなー仕方ないか・・・

予約するのかと思ったら、旅館名と金額だけ聞いて席をたった

んっ?なんで?
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