俺とお前と時々親友♂ 86

優子

お義母さんが来た日の夕方、緊急職員会議が開かれるみたいで
先生はあわてて教室から出て行った

クラブは一週間休み、大きな大会も来年まで無いから、
朝練も無くなって夕練も早めに終わる

「登下校は電車にしようね」 

「えー車使えばいいじゃん 」

「電車の方が学生生活してる感じがするから好きなんだもん」

それに陽菜と手をつないでゆっくり帰れるし

「じゃー雨の時は車にするからな」

「わかった、それでいいよ」

その二日後、芸能人並の会見場で
お義父さんとお兄さんと陽菜が正装で座っている

始まるとフラッシュの嵐で、
初めてメディアの前に顔を出した陽菜に注目が集まった

朝刊には

『小嶋財閥長男はすでに籍を入れ次男は高校生で結婚か!』

そこにはどこで調べてきたのか過去の陽菜の経歴が事細かく書いてあった
喧嘩・女癖の悪さ・長男と次男の違い、次男は唯一の汚点

「ひどいよ、陽菜はこんなのじゃないのに(怒) 」

「仕方ないよ全部本当の事だから・・・過去は替えれない
俺は優子が分かってくれてたらそれでいいから 」

「でも、悔しいよ(涙) 」

「いいって、優子は何調べられても悪いとこないからよかったよ 」

「でも、陸上の事、暇つぶしだって書かれてた・・ 」

「言いたい奴には言わせておけばいい、俺達はちゃんと知ってるし
分かってるから、記録だって残ってるんだから」

そう言って頭を撫でてくれる陽菜・・・
陽菜の方が悔しいはずなのに ・・

その日から学校に記者が押し掛けてきて結局登下校は車になった

学生達にもチラチラ見られてコソコソ言われたり、
先生達の態度もよそよそしくなって腫れものに触るみたいな感じで・・・(汗)

あっちゃん達は気にするなって言ってくれてずっとそばに居てくれるんだけど
私、やっぱり弱いのかな・・・食事の量も減ってきてストレスから
急性胃腸炎になって入院することになっちゃった

「優子は気にしすぎなんだよ 」 

「ごめんなさい 」

「謝んなよ、俺達だけじゃダメなのか? 」

「気にしないようにって思えば思うほどまわりの声が耳に入って来て・・・」

「「「優子 」」」

あっちゃん達が病院に来てくれた

「クラスのみんなにはしっかりと話してわかってもらったから 」

「あの新聞の書き方でみんな誤解してたっすよ」

「先生達まで誤解してたみたいで、才加と麻里子が
         もう一度先生たちを集めて説明してくれたよ」

「みんなありがとう(涙)」

みんな何でこんなにやさしいんだろう・・・
そうだよね私は一人じゃないんだ

こんなにいい友達がいるのに一人で何悩んでたんだろう・・

私幸せだよ!本当にみんなありがとう (-∀-`)

俺とお前と時々親友♂ 85

麻里子

昼休み、食堂で

「今日陽菜先輩のお母さん来てたよね?」

「優子にいくら聞いても陽菜が言うからって教えてくれないし 」

「そうっすよ、オリンピックの強化選手に選ばれたことと関係あるんすか?」

「陽菜達の婚約を世間に発表する事になって、結婚式も来年兄貴たちと
合同でするかもしれないから」

「「ええっ!!? 」」 

「ゆっぴーはそれでいいの?」

「うん!陽菜と一緒に歩んでいきたいから 」

「そっか、ニャロよかったね(*`ω´) 」

「麻里ちゃんありがとう、でも一年坊たちは嬉しくないみたいだけどね」

「佐江の優子がとうとう・・・ 」 

「佐江のじゃないし(怒) 」

「敦子の優子が陽菜なんかに・・・ 」 

「だから(怒) 」

「高橋のゆう「お前のじゃないし(怒) 」」

「みーちゃんが一生懸命育ててきたのに」 

「みーちゃんに育てられてないよ?」

「たとえだよ、たとえ 」

「篠田の愛人にしようと思ってたゆっぴーが陽菜の物に・・・ 」

「麻里子調子に乗りすぎだよ、陽菜の目、マジで怖いから(汗) 」

「篠田は敦子だけです(*`ω´) 」

「でも、先生も学生も知らなかったから大変な事になるよな 」

さすが才加冷静だ

「優子ちゃんクラブもやりにくくなるかもね 」

「ゆきりんと彩の二人で守ってあげるからね 」

やっぱりこの仲間たち、最高だね 

「陽菜は大丈夫だとして
ゆっぴーが精神的にまいっちゃうかもしれないから
みんなで守ってあげようね」

「あたり前!もちろん!」

陽菜がカミングアウトするなら篠田もしようかなー

敦子迎えに行って車で登校する方が楽だし、
陽菜の話題に集中されるより
少しでも分散できればましかもしれないしね

篠田ってやさしいだろ(*`ω´) 

俺とお前と時々親友♂ 84

陽菜

「朝、校長室に呼び出されてただろ?」 

「うん、校長先生の所に陸連から打診があったみたい」

「優子はオリンピックに出たいよな? 」 

「それは・・・出れるなら出てみたいけど・・・きっと私なんて無理だよ
それにオリンピックは三年後だし、陽菜との結婚が・・・」

「今以上に世間から注目されてもいいか?」 

「どう言う事? 」

「俺と・・小嶋陽菜と婚約してるって発表しようと思う、
もしかしたら強化選手の件も白紙になるかもしれないそれに、
高校生のくせにとか誹謗中傷も出てくると思う
でも、スポーツは結果がすべてだから結果を出している優子を学生結婚
してると言うだけで選ばなかったりしいたげられたりするのは海外メディアが
黙ってないと思うんだ、あっちはそういうの進んでるからさ
それでもいいか?」

「陽菜はいいの?学校の友達とか先生にも知らせてなかったのにばれちゃうよ」

「俺は優子と麻里子と今つるんでるあいつらが居ればいいから」

「私もみんなが居てくれて陽菜が
一番近くに居てくれるならそれだけで頑張れる 」

「俺が絶対に守るから!オリンピック目指そうぜ 」

優子を引き寄せてギュッと抱きしめる 

「苦しいよ陽菜 」

「お前が可愛いから悪い 」 

「普通だもん 」 

普通と思ってるのが怖いんだよなー

「おやじとお袋に話に行こう」

コクント頷く優子を抱き上げてそのまま部屋を出る

「やだ!降ろしてよ恥ずかしい(汗) 」 

「俺が抱っこしておきたいの 」

「ドアの前で下してよ」 

「やーだ」 

「もう、陽菜のバカ(怒) 」

コンコン 

「はい?」 

「おれ!陽菜!」

「どうぞ・・・あらあら秋なのに熱いこと(笑) 」
無視してソファーに座り
暴れる優子を膝の上座らせると、おやじたちに気持ちを話した

「陽菜と優子ちゃんの気持ちは分かった、今まで陸だけが後継者として
矢面に立たせてきたがそうなると
今度は陽菜にも立って貰わないといけなくなるぞ!」

「それは覚悟してる!」

「ある事無い事でバッシングを受けたり
少し羽目を外すと週刊誌などで叩かれたりするぞ!」

「俺はもう優子だけだし、
これからは仕事に関係する勉強もしていこうと思ってるから」

「そこまで考えてるなら陸の結婚発表と陽菜の婚約発表を一緒にしよう」

「そう言えば兄貴の結婚式はどうなってるんだ?」

「陸は産まれてからでいいって言ってて
もし陽菜が来年するんなら合同でも良いわね
お友達以外は呼ぶ人一緒だし 」

「俺はいいけど優子やレナさんにとっては一生に一度の事だからな
優子はそれでいいのか?」

「私は陽菜がいいならそれでいい、でも八人には来てほしい」

「もちろん呼ぶよ 」

「ただし!初めに行ったように、勉強と仕事の両立が無理だと思ったら
卒業してからにするからな 」

「分かってるよ 今だって少しずつやってるし(怒) 」

「じゃー決まりね」 

「兄貴の所に聞かなくていいのかよ」 

「これは陸の案だからな」

さすが兄貴だな俺達や家のことまで考えて・・か

「いつ発表するんだ?」

「善は急げって言うし今週中にしないと優子ちゃんの強化選手の件もあるからね」

「ご迷惑をおかけしてすいません(汗) 」

「気にしないでもう家族なんだから 」

「もしかすると強化選手外されるかもしれないな・・・
 その時は小嶋財閥の力で・・」

「それはやめてください、実力で取り返して見せますから 」

「まあ、頼もしいわね♪ 」 

「陽菜がそばに居て手伝ってくれるので 」

「まだ三年後だし時間あるから焦らないようにね」 

「はい! 」

「母さん、早目に校長に言いに来てくれないかな」

「そうね校長先生には先に言っておかないといけないわね・・・
明日朝、一緒に行きましょうか?」

「そうだなどうせばれるんだからもう電車で行く必要ねえか
これからは車で登校できるから楽だな 」

麻里子達には明日の昼に報告したらいいか

「じゃー明日よろしく!おやすみ」

そのまま優子を抱き上げて部屋に戻った

俺とお前と時々親友♂ 83

優子

国体に、みんなが応援に来てくれたから
いつもより頑張ったら

新記録が出てたみたいで気が付いたらフラッシュに囲まれていた

「誰に一番に伝えたいですか?」

「今日も応援に駆け付けてくれている
大切な人達にありがとうと言いたいです」

「みんな、ありがとう! 」

その夜はそのままみんなで家に帰りお祝いをしてくれた

私は本当に幸せだなー
大好きな友達と大好きな陽菜に囲まれて大好きな陸上が出来て

両親とお兄ちゃんからもお祝いメールが来ていた

「あと一週間で誕生日だね」

「そうなの?じゃーお誕生日会をしなくちゃ」

「いいですよ、今日もお祝いしてもらってるし十分です 」

「うちは男の子だけで誕生日会なんてほとんどしなかったから
せっかく娘が出来るんですもんしてあげたいのよ」

「ありがとうございます(´-∀-)」 

「何か欲しい物あるかしら?」

「いえ!何もいらないです、十分してもらってますから 」

「遠慮しないで言ってよ何でもいいんだから」 

「はい 」

その夜の部屋で

「何か欲しい物ないのか?」

「今は無いかなー、陽菜がそばに居てくれたらそれでいい♪ 」

「おまえさー・・・・誘ってるのか 」 

「えっ!ちがっ・・・ん・・やっ///」

隣で寝ころんでいた陽菜が覆いかぶさって来て
キスされ手がパジャマの中に

「あっ・・うっんん・・はる・・な・待って(汗) 」

「何だよ・・いいだろ 」 

「今日は疲れたから・・・そのー・・ごめんなさい(汗) 」

「・・・・・・寝る 」

無表情でそう言うと背中を向けてしまった

「ごめんね・・・はるなぁー 」

何も言ってくれなくて・・・そっと背中に抱き付いて目を閉じた


朝、部屋にお父さんがいきなり入って来て

「陽菜!優子ちゃんが新聞に載ってるぞ! 」

寝ぼけながらも裸じゃなくてよかったと思い
目をこすりながら新聞を見ると

『大島優子復活! 』

オリンピック強化選手?
 私まだ何も聞いてないしどう言う事かわからない

陽菜を見ると何か考え込んでるし、
お父さんは凄く喜んでくれてるし・・・

オリンピックなんて無理だよー
それにこれ以上練習増えたら陽菜との時間が・・・どうしよー(汗)

陽菜のペット? 6

寝室へ行くとコリスがベットに寝ていて・・・

陽菜寝れないじゃん

予備の布団なんてないし・・・

どうしようか悩んでいると

「寝ないの?」

「寝るけど・・・布団ない」

「温めてあげてたんだから早くおいでよ」

そう言いながら掛け布団をめくるコリス

「・・・・・(бвб) 」

「ほら、早く来ないと寒いでしょ」

う〜ん暖房付けたままだとお金かかるし・・・
ベットで寝るしかないよね?

セミダブルだからねれない事は無いんだけど・・・

「は・や・く(´-∀-)」

渋々ベットの上り布団に潜り込むと

「キャッ!(汗)」

「こうやって抱き合うとあったかいでしょ(´-∀-)」

確かにコリスは湯たんぽ代わりに言いかも・・・

じゃなくて(汗)

「寝るまでなでなでしててね(-∀-`) 」

頭でいいんだよね?

取りあえずゆっくり撫でてたら寝息が聞こえてきたから
手を止めると・・・・

何も言わないって事は寝てるって事だよね

ふぅー・・・何でこんなに疲れなきゃいけないんだろ・・・

陽菜も早く寝よーと

目が覚めたら明るくなってて・・・

あれ?コリスがいない・・・

なーんだ全部夢だったんだ良かった(бвб) 

さーて起きよう―と(бвб) 

腕をうーん!て伸ばして伸びをしてたら
ドアが開いて

「やっと起きたー朝食で来てるよ(-∀-`) 」

夢じゃなかったみたい・・・・

「ねえ、今日の夕飯何が食べたい?」

「ん〜何でもいいかな、陽菜好き嫌いないし」

「何時ごろ帰ってくる?」

「あ〜・・・残業あったら9時くらいかな
無ければ7時には帰ってこれるよ」

「じゃー会社出るときメールして
ご飯作りかけるから」

「アドレス知らないし、て言うか携帯持ってたんだ(бвб)」

「いまどきのペットは携帯ぐらい持ってるよ(-∀-`) 」

犬とか猫は持ってませんけど・・・

アドレスの交換をして

「ご馳走様でした」

「片付けしとくから行く用意すれば?」

「ありがとう・・・」

いつも朝はバタバタだからこんなにゆっくりしたの
初めてかも(汗)

支度をして玄関へ向かうと後ろからついて来る

お見送りしてくれるのかな?

ヒールを履いて振り向くと手招きするから
ん?て近づいて屈むと

チュッ!

「えっ!?」

「いってらっしゃいのキスだよ(-∀-`) 」

「・・・・・(бвб) 」

ニコニコしながら

「行ってらっしゃい!寂しいから早く帰って来てね」

手を振りながら送り出された・・・

さっきキスされたよね・・・

あ!あれか犬が顔をペロペロ舐めてくる奴(бвб) 

・・・・・じゃーないよね(汗)

前の記事へ 次の記事へ
カレンダー
<< 2015年08月 >>
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31
アーカイブ
カテゴリー