優子
お義母さんが来た日の夕方、緊急職員会議が開かれるみたいで
先生はあわてて教室から出て行った
クラブは一週間休み、大きな大会も来年まで無いから、
朝練も無くなって夕練も早めに終わる
「登下校は電車にしようね」
「えー車使えばいいじゃん 」
「電車の方が学生生活してる感じがするから好きなんだもん」
それに陽菜と手をつないでゆっくり帰れるし
「じゃー雨の時は車にするからな」
「わかった、それでいいよ」
その二日後、芸能人並の会見場で
お義父さんとお兄さんと陽菜が正装で座っている
始まるとフラッシュの嵐で、
初めてメディアの前に顔を出した陽菜に注目が集まった
朝刊には
『小嶋財閥長男はすでに籍を入れ次男は高校生で結婚か!』
そこにはどこで調べてきたのか過去の陽菜の経歴が事細かく書いてあった
喧嘩・女癖の悪さ・長男と次男の違い、次男は唯一の汚点
「ひどいよ、陽菜はこんなのじゃないのに(怒) 」
「仕方ないよ全部本当の事だから・・・過去は替えれない
俺は優子が分かってくれてたらそれでいいから 」
「でも、悔しいよ(涙) 」
「いいって、優子は何調べられても悪いとこないからよかったよ 」
「でも、陸上の事、暇つぶしだって書かれてた・・ 」
「言いたい奴には言わせておけばいい、俺達はちゃんと知ってるし
分かってるから、記録だって残ってるんだから」
そう言って頭を撫でてくれる陽菜・・・
陽菜の方が悔しいはずなのに ・・
その日から学校に記者が押し掛けてきて結局登下校は車になった
学生達にもチラチラ見られてコソコソ言われたり、
先生達の態度もよそよそしくなって腫れものに触るみたいな感じで・・・(汗)
あっちゃん達は気にするなって言ってくれてずっとそばに居てくれるんだけど
私、やっぱり弱いのかな・・・食事の量も減ってきてストレスから
急性胃腸炎になって入院することになっちゃった
「優子は気にしすぎなんだよ 」
「ごめんなさい 」
「謝んなよ、俺達だけじゃダメなのか? 」
「気にしないようにって思えば思うほどまわりの声が耳に入って来て・・・」
「「「優子 」」」
あっちゃん達が病院に来てくれた
「クラスのみんなにはしっかりと話してわかってもらったから 」
「あの新聞の書き方でみんな誤解してたっすよ」
「先生達まで誤解してたみたいで、才加と麻里子が
もう一度先生たちを集めて説明してくれたよ」
「みんなありがとう(涙)」
みんな何でこんなにやさしいんだろう・・・
そうだよね私は一人じゃないんだ
こんなにいい友達がいるのに一人で何悩んでたんだろう・・
私幸せだよ!本当にみんなありがとう (-∀-`)